幼稚園教諭の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

幼稚園教諭の仕事内容は、幼稚園教育要領にもとづくカリキュラムに沿った保育を行うほか、運動や音楽・遊びなどを通じて実践し、子どもの成長をサポートする教育的な目的が求められています。

一人ひとり個性が異なる子どもたちをしっかりと把握したうえで、楽しみながら成長できるようにさまざまな工夫をしながら、子どもの可能性を引き出します。

また、幼稚園教諭の仕事は、子どもと過ごす時間はもちろん多いですが、保育計画の立案・行事の準備・保護者向けの書類作成などさまざまな業務をこなし、時間をかけて準備や計画を立てています。

この記事では、幼稚園教諭の仕事内容や就職先などについて解説します。

幼稚園教諭の仕事とは

幼稚園教諭は、幼稚園において満3歳から小学校に入学するまでの幼児を対象に教育を行う仕事です。

幼稚園教諭が幼稚園で子どもと一緒に過ごす時間には、教育的な目的があります。

幼稚園教育要領にもとづくカリキュラムに沿った保育を行うほか、

  • 健康
  • 人間関係
  • 環境
  • 言葉
  • 表現

のそれぞれについて、運動や音楽・遊びなどを通じて実践し、子どもの成長をサポートします。

幼稚園教諭の業務の内容

幼稚園教諭の主な業務の内容
  • 子どもの可能性を引き出す
  • 日々の子どもの健康チェック
  • 小学校へ上がる前に集団生活の中で生活習慣を身につけさせること
  • 保護者とのコミュニケーション
  • 保育計画の立案
  • 行事の準備
  • 保護者向けの書類作成
  • 幼稚園での英語教育

子どもの可能性を引き出す

子どもは大人と同様、一人ひとり個性が異なります。

幼稚園教諭は、その個性をしっかりと把握したうえで、子どもたちが楽しみながら成長できるようにさまざまな工夫を凝らし、子どもの可能性を引き出す役目があります。

このほか、

  • 日々の子どもの健康チェック
  • 小学校へ上がる前に集団生活の中で生活習慣を身につけさせること
  • 保護者とのコミュニケーション

も重要な仕事の一部です。

子どもと過ごす以外の時間

幼稚園教諭の仕事では、子どもと過ごす時間はもちろん多いですが、それ以外に

  • 保育計画の立案
  • 行事の準備
  • 保護者向けの書類作成

など多様な業務をこなしています。

そのため、園児が帰ったからといってすぐに仕事が終わるわけではなく、子どもたちを責任もって教育するために、時間をかけて準備や計画を立てていく必要があります。

幼稚園での英語教育

英語は2020年に小学校で必修科目となることが決まったため、幼稚園でも英語を学ぶ時間をとる幼稚園が増えています

はじめて英語や外国の先生に触れる子どもが多いため、誰でも楽しめ興味をもてるように内容を工夫します。

たとえば、

  • 歌を歌う
  • リズムに合わせて踊る
  • 塗り絵をする

など普段の幼稚園での遊びのなかに英語を取り入れていくようにしています。

またこうした英語の時間は、外国人の先生や英会話教室の先生など専門の先生を雇う場合も多く、そうした場合は子どもを見守ったり、先生の補助に回ったりします。

幼稚園教諭の仕事の流れ

4月から6月
どの幼稚園でも4月初旬に始業式や入園式があります。

入園式は、幼稚園教諭の腕の見せどころのひとつでもあります。

はじめて親から離れて集団生活を送る子どもたちを、どう迎え入れるのかが大きな課題です。

なかなか親御さんと離れられなかったり、ずっと泣きっぱなしだったりする子どもを、幼稚園教諭は1人または補助の先生と2人で見ていかなければなりません。

また、春の遠足や春の運動会などの行事があります。

7月から9月
七夕や夏祭りなどの行事が行われ、子どもだけでなく、先生も一緒に浴衣を着て盆踊りを踊ったり、出店を出したり花火をしたりします。

夏休み期間は、子どもは登園しませんが、幼稚園教諭は出勤し、後期のイベントの準備をしたり、預かり保育をする子どもたちと過ごしたりします。

10月から12月
気候も落ち着き、秋の遠足や運動会、発表会、クリスマス会などが行われます。

この時期にはほとんどの子どもたちが幼稚園生活になれますが、多くの行事が行われるため幼稚園教諭は非常に多忙な時期です。

また、風邪やインフルエンザなどの感染症がはやり始めるため、衛生管理に気を配ります。

1月から3月
冬休みをはさみ、お正月や節分など季節のイベントを楽しみます。

終業式や卒園式を控え、子どもたちの制作物をまとめたりアルバムを作ったりし、成長を振り返ります。

幼稚園教諭の勤務先の種類・活躍の場

幼稚園教諭は、公立または私立の幼稚園がほとんどですが、幼児教育の教室などで働いている人もいます。

また、近年は幼稚園と保育園が一体となり、0歳から就学前までの乳幼児期に一貫した教育や保育を提供する施設(幼保一体施設・こども園)も増えています。

そこで働くためには、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方が必要な場合もあります。

幼稚園教諭の勤務先・働き方の種類

幼稚園教諭の勤務先
  • 公立幼稚園
  • 私立幼稚園
  • 国立幼稚園
  • 認定こども園

2つの選択肢

幼稚園に就職するにあたって、私立幼稚園か公立幼稚園かの2つの選択肢があります。

これは運営母体の違いで、

  • 私立幼稚園=社会福祉法人や学校法人
  • 公立幼稚園=自治体

が運営に携わっています。

幼稚園数は全国で幼稚園は約9,420校あります。

参考:文部科学省「令和3年度学校基本調査」

私立幼稚園か公立幼稚園の割合

公立幼稚園数は約4割、私立幼稚園数は約6割で、国立幼稚園はごくわずかです。

公立幼稚園は保育園と違い昼寝がなく、退園時間はお昼過ぎが一般的で、私立幼稚園の中には延長保育や長期休暇中の預かり保育などを行い、共働き家庭の受け皿となっているところも増えてきています。

また、2006年からは幼稚園と保育園の機能をあわせもつ「認定こども園」がつくられ、幼保連携型認定こども園として登録された施設は現在約6,268校あります。

近年ではその利便性から保育園や幼稚園を認定こども園と改める施設も増えてきましたが、この場合は保育士の資格をあわせもつ人が働く場合が多くなっています。

公立幼稚園で働く幼稚園教諭

公立幼稚園は、地方自治体が運営している幼稚園で、幼稚園全体の約40パーセントを占めています。

公立幼稚園に勤めるためには、地方自治体の教員採用試験を受けなくてはなりません。

採用された際は公務員として働きます。

公立幼稚園の場合は、文部科学省の教育指導要領が基本となり、園によって大きな差はほとんどありません。

子どもを預かる時間は4時間程度です。

採用された地方自治体により、同じ自治体内の幼稚園で異動がある場合もあります。

私立幼稚園で働く幼稚園教諭

私立幼稚園は、

  • 学校法人
  • 社会福祉法人
  • キリスト教や仏教などの宗教法人

が運営している幼稚園です。

文部科学省の指導にもとづきながら、それぞれの園で特色あるカリキュラムを行っているところが多く、

  • 制服を導入する
  • スポーツや英語教育に力を入れる
  • 宗教の時間を取り入れたりする

など、園によって大きく違いがあります。

基本は公立幼稚園と同じ4時間程度となりますが、平日の夕方や長期休みなどに預かり保育を取り入れる幼稚園も増え、保育園のような機能を備えている場合も多くなっています。

私立幼稚園で働く際には、それぞれの団体の採用試験を受けて合格する必要があります。

国立幼稚園で働く幼稚園教諭

国立幼稚園は国立大学法人が運営する幼稚園で、全国に50ほどの施設があります。

入園には、ほかの幼稚園と違い厳格な選考や抽選があり、通園区域に居住していることや徒歩で通えることなどの条件があります。

国立大学法人が運営しているため、教育目的のほかに大学生による実習や大学教授による幼児の研究目的としての役割も兼ね備えています。

国立幼稚園で働く場合は、国立大学法人の採用試験を受験しますが、採用されたからといってかならず幼稚園教諭になれるわけではなく、教育委員会など別な部署との異動もあります。

認定こども園で働く幼稚園教諭

幼稚園と保育園の機能をあわせもつ新しい施設で、幼児教育と保育を同時に行う目的でつくられました。

全国でも増えてきていますが、認定こども園で働くためには幼稚園教諭と保育士の資格を両方取得していることが必要なため、注意が必要です。

幼稚園教諭と保育士の違い

同じく子どものお世話をする仕事として「保育士」がありますが、保育士がおもに働く保育園が厚生労働省管轄で乳幼児から小学校入学までの子どもを預かる「福祉施設」として存在しています。

一方、幼稚園は文部科学省管轄で小学校や中学校などと同じく「学校」となっており、幼稚園では「教育をする」ことに目的が置かれ、必要となる資格も異なっています

「幼稚園教諭の仕事内容」のまとめ

幼稚園教諭は、幼稚園において満3歳から小学校に入学するまでの幼児を対象に教育を行う仕事です。

幼稚園教育要領にもとづくカリキュラムに沿った保育を行うほか、運動や音楽・遊びなどを通じて実践し、子どもの成長をサポートすることが求められています。

子どもと過ごす時間はもちろん多いですが、保育計画の立案・行事の準備・保護者向けの書類作成などさまざまな業務があります。

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