幼稚園教諭は本当に大変…だけどやりがいと達成感はどの仕事よりもあります!
投稿者プロフィール
投稿者の仕事満足度
- 総合満足度
- 3.50
- 仕事内容
- 4.00
- やりがい
- 5.00
- 働きやすさ
- 2.00
- 給料・年収
- 2.00
- 休日・待遇
- 2.00
- 成長・将来性
- 3.00
- メッセージ
-
あなたは幼稚園、保育園の先生と聞いた時、どんなことを想像しますか?
子どもが好き、明るくイキイキしている、子どもと一緒に遊べて楽しそう…
これは全部正解です。
子どもが好きだから目指す方がほとんどでしょうし、実際に明るくイキイキとしている方が多いです。
子どもが好き、子どもと関わる仕事がしたい。私の目指すきっかけもそうでした。
でも実際は「子どもが好きだから」だけでは務まらない、これに尽きます。
子どもの様子を目を離すことなく観察し、トラブルがあればその子その子に合った仲介や指導をし、保護者とのやりとりも欠かせません。
トイレや食事、鋏や糊の使い方などの指導も1人ひとりに行います。
子どもが降園したあとは製作物の下準備、行事に向けての会議や準備、日案や週案の書類、保護者との連絡ノートの返事書きなど、やることは尽きず、家に持って帰って作業をする、いわゆる持ち帰り仕事は当たり前です。
この理想と現実のギャップに耐え切れず、この職から離れてしまった人を何人も見てきました。
しかしやりがいはどの職業よりもあると私は思っています。
やりがいが頑張れる原動力になると言っても過言ではありません。
この仕事を目指す人がギャップで心を病んでほしくないので、現実を包み隠さずお伝えしましたが、本当にやりがいがあり、子どもたちと一緒に自分自身も成長できる、素敵なお仕事です。
責任感を持って子どもと関われる方、子どもの成長を間近で感じながら支えたい方、ぜひ保育士、幼稚園教諭を目指してほしいと思います。
- 仕事内容
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私は短大卒業後、愛知県にある全学年で200名以上が在籍している、大きな幼稚園(以下N幼稚園)に就職しました。
N幼稚園は1人担任制をとっていて、7年間の間に年少、年中、年長と全ての学年の担任をしました。
年少は親元を離れたばかりでまだ右も左も分からない子どもたちなので、最初はたくさん泣く子もいますし、オムツが取れてない子もいるのでそこら中でおもらし祭りだし、本当に大変です。
しかし日を追うごとに泣く子も減り、オムツも取れ、集団生活に慣れてきた頃にはだいぶ楽になり、つたない言葉で話す姿や一生懸命取り組む姿がとにかく可愛いです。
発表会はそこまでレベルの高いことは求められないので、その点の負担は少ないですが、年中や年長に比べるとやはり覚えるまで指導をするのに根気が必要ですので、そこの大変さはあります。
あと月齢の差が1番大きく出るのが年少です。
年中はお友だちとの関わりに慣れてきた半面、"自分との違い"が分かってくる年齢です。
まだ言って良いこと悪いことの区別が難しいので、ストレートに相手に伝えて傷つけてしまう、といったトラブルも出てきます。
これは実際に私が経験した話ですが、例えば外国人の子がクラスにいたら、「なんで〇〇ちゃんは黒いの?」「お風呂に入ってないから汚い」と言って接触を避けたり、発達障害の子がいたら「〇〇くんは変だから一緒に遊びたくない」等、自分との違いを感じてしまう子も少なくありません。
そういったところのサポートも難しくなってきます。
しかし心はまだ素直ですし、理解する力もついてきてるので、しっかり"違い"について話せば理解をし、解決することができます。
そしてクラス全体が再び良い雰囲気になった時はとても嬉しいですね。
年長は就学前ということで、求められるレベルややることのレベルがグンと高くなります。そのため、私のイメージですと新卒で年長を任されることは少ないのではないかと思います。
人間関係では保育士が仲介に入らずとも、子どもたちの中で誰かが仲介役になって解決できることもありますし、解決できなかったとしても事の経緯をしっかり説明できるようになるので、何がいけなかったのか等、保育士も指導しやすいです。しかし知恵もついてくる頃ですので、見極めが大事にもなってきます。
行事ではレベルの高いことが求められるので、保育士自体の経験による技術や指導力が必要になってきます。
しかし子どもは本当にスポンジのようで、こちらが指導すればするほど、どんどん吸収していき、どんどん覚えてくれるので、やりがいはとてもあります。
そして何より年長は卒園式。成長した子どもたちを卒園式で見送る時は感無量で、「頑張ってきて良かった。」心からそう思えます。
- なるには
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私がN幼稚園に就いたきっかけは幼稚園実習でした。
自分が保育園出身だったこともあり、元々は保育園の先生になりたいという夢だったのですが、初めて幼稚園の現場を見ると、子どもの前に立って指導したり、製作に取り組んだりと、保育園より「担任 対 子ども」という関係がはっきりしていて、より密に子どもとの関係が築けることに魅力を感じたのです。
私がなりたいのはこれだ。そう思いました。
そして、園長先生から直接お声がけをいただき、実習に行ったN幼稚園に就職が決まったのです。
元々ピアノは3歳から小学4年生まで習っていたのですが、ピアノの練習が好きではなく、さぼってばかりいたのであまり成長せずに辞めてしまったので、就職後にはかなり苦労しました。
なのでもし時間があれば、ピアノの練習はたくさんしておくに越したことはないかと思います。
- やりがい
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クラスの子どもは全員我が子のようなものです。
子どもたちも自分の先生、と自覚してくれているので、外遊びでも通園バスに乗っていても「〇〇先生だ!」「〇〇先生一緒に遊ぼ!」と自分で言っちゃいますが大人気です。
自分の指導で成長していく姿が間近で見られ、保護者と喜びを共有し、感謝の気持ちをいただけるというのは本当にこの仕事の魅力だしやりがいを感じる点です。
行事だと例えば音楽会では自分でどんな曲にするのか、どんな合奏にしてどんなリズム打ちをするのかなど1人で1から考えるところから始まり、2か月ほど前から指導に入ります。
最初は上手にリズム打ちができなかった子どもたちが、練習を重ねるごとに上達していき、発表会当日では大成功をおさめ、拍手に包まれた瞬間の喜びと達成感は他では味わえないでしょう。
- 給料・年収
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給料は安いで有名ですが、その通りです。
ここまで肉体労働でいろいろな面で大変な仕事なのにも関わらず、なぜこんなに低いのか、疑問なくらいです。
私が勤めていたN幼稚園では初任給は手取りで17万円ほどでした。
そこから年数を重ねるごとに昇給はあったものの、7年目でも手取りは20万円ほど。
ボーナスは夏に25万円ほど、冬に40万円ほどで、年収にすると約300万円前後です。
またパートでも、有資格者なのにも関わらず、時給はだいたい1000円~1200円と、学生のアルバイトと大差のない金額です。
「子どもが好きなだけでは務まらない」というのは、お給料面でもそう感じざるを得ない要因のひとつです。
- 休日・待遇
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プライベートですが、自宅と近い園に就職すると、外出中に遭遇してしまうこともしばしば。
1人で買い物くらいだったら良いですが、デート中に遭遇してしまった時の気まずさといったらありゃしないです。たくさんの子どもと関わる仕事ですので仕方のないことなのですが、そこは理解をしておいた方が良いかと思います。
また持ち帰り仕事が多い職業ですので、休日を使って仕事をすることもあります。
ですので仕事とプライベートがはっきり分かれているかと言われれば、そうではないと言えます。
有給休暇も、行事などがあればその日は取れないですし、自由に休暇の申請はしにくい職業と言えます。
- 成長・将来性
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はっきりと言えるのは、子どもと一緒に自分自身も成長していく、ということです。
資格を取ったからとは言え、現場に出て実際に子どもと関わらないと習得できない"技術"が多いのがこの仕事の特徴のひとつです。
指導の仕方や関わり方、保護者への伝え方など、少しずつ技術を積み重ねていき、一緒に成長していきます。
将来性についてですが、やはり待遇面で政府はもう少し検討する必要があると思います。
保育士離れが激しく、潜在保育士の数が増え続けていることが問題になっているのにも関わらず、なかなか待遇の悪さは改善されません。
これでは保育士離れはますます加速し、保育士不足が生じ、廃園となってしまうケースが増え続けてしまうと思います。
待遇の悪さが改善され、子育て中でも働きやすい環境が整えば、保育士の数は減ることなく、より経験のある保育士の数も増え、良い保育園、幼稚園が増えていくのではないでしょうか。
近い未来、保育業界がそうなっていくことを切に願います。