生産管理の需要・現状と将来性

生産管理の現状

日本国内における製造業は、一貫して苦しい状況が続いています。

経済産業省の統計によれば、製造業の事業所数は、ここ10年だけでもでおよそ15%ほども減少しており、製造業で働く従業員の数も約10%ほど減っています。

これは、少子高齢化によって人口が減り、国内市場そのものが縮小していることに加えて、低価格などを武器に海外メーカーの商品が消費者の人気を集めていることがおもな要因です。

こうした環境になってから久しく、ほとんどのメーカーにとって、「モノが売れないなかでいかに利益を確保するか」が、経営上の最重要課題となっています。

このため、生産管理に求められるタスクも、どんどん「コストダウン」と「在庫管理」の比重が大きくなっています。

製造企業が生き残っていくためには、生産ライン全体を限界まで効率化することが必要であり、社内における職務の重要性が年々増しているのが、生産管理の置かれた現状です。

参考:平成28年経済センサス‐活動調査 産業別集計(製造業)に関する集計

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生産管理の需要

生産管理は、ものづくりを行う企業にとって不可欠な職種です。

業界に関係なく、機械や自動車、食品、化粧品、医薬品、雑貨、アパレル、繊維など、「メーカー」と名の付くあらゆる企業で需要があります。

ただし、製造業全体で企業数が減少傾向にあり、求人数としてはそこまで多くはありません。

近年は、たとえば生産管理を品質管理担当者と兼務させるなど、人件費を抑制しようとする企業も増えつつありあります。

さらに、なかには海外のOEM企業(他社から発注を受けて、他社ブランドの製品をつくる製造企業)などと契約して、製造すべてを委託し、自社では生産ラインをまったく持たないというケースも増えつつあります。

その場合に必要な人手は、ごくわずかで足ります。

なお、少数ですが、外注先と交渉したりして生産状況をコントロールする生産管理担当者は必要です。

こうした状況を踏まえると、生産管理は、徐々に「狭き門」になりつつある職種といえるでしょう。

生産管理の将来性

生産管理業務の将来性は、それほど明るいとはいえないかもしれません。

近年は急速にIT技術が発展している影響もあって、大企業を中心として独自の「生産管理システム」を導入し、生産管理全体を機械化するようになっています。

AIなどの機械で管理したほうが、あらゆる面でより精度が高くなりますし、コストダウンも図りやすくなります。

ただし、そのシステムを扱う人間は必要になりますので、少数とはいえ、生産管理という職種そのものがなくなることはないでしょう。

今後の生産管理担当者には、プログラミングをはじめとするシステム関係の専門スキルが非常に重要になっていくと予測できます。

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生産管理の今後の活躍の場

生産管理の今後の活躍の場は、おおまかに2種類に分かれていくでしょう。

ひとつは、機械化の流れに沿って、よりシステムエンジニアなどに近い職種になっていく道です。

そしてもうひとつは、海外の生産拠点で働く道です。

近年は、生産コストを抑えるために、人件費の安い東南アジアなどに自社工場をもつ企業が増えており、生産管理担当者が海外赴任するケースも増えています。

海外で生産管理として働くには、現地スタッフに指示を出すための高い語学力とコミュニケーション能力が必要であり、仕事の難易度は国内の比ではありません。

また、人件費の安い発展途上国などで暮らしていくうえでは、何かと生活上の不便も多いでしょう。

しかし、国内よりも海外のほうが、生産管理担当者として活躍しやすい場合もあり、仕事にもやりがいを感じるでしょう。