自動車ディーラーの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

自動車ディーラー社員の仕事とは

トヨタや日産といった自動車メーカーがクルマの開発・生産・宣伝などを手掛け、ディーラーはメーカーから自動車を仕入れて、実際にお客さまに販売する役目をにないます。

ディーラーは自動車メーカー(もしくは自動車メーカーの販売子会社)と「特約店契約」を結んだ販売業者のことを指します。

特約店契約を結ぶことで、ディーラーは有利な条件でメーカー製品の仕入れや販売、メンテナンスができます。

また、メーカーの指導のもとに店舗を運営するため、メーカー正規取引店として信頼が得られます。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

自動車ディーラーの種類・分類

ディーラーとサブディーラーの違い

新車のディーラーには、ディーラー(正規取引店)、サブディーラー(販売店)の大きく2タイプがあり、違いは次のようになります。
・ディーラー(正規取引店):特定のメーカーとのみ特約契約を結び、決まったメーカーの車種のみを扱う店舗
・サブディーラー(販売店):特定のメーカーと特約契約を結ばず、さまざまなメーカーの新車種を扱う店舗

ディーラー(正規取引店)は、たとえばトヨタ系列であれば「トヨタカローラ店」、「トヨペット店」といった形で、特定のメーカーの車種のみを扱う店舗を指します。

サブディーラー(販売店)は、街の個人経営の自動車販売店のように、トヨタ、日産、マツダなどさまざまなメーカーの車種を扱う店舗を指します。

なおサブディーラーはメーカーとの取引ではなく、ディーラーと取引を行い、製品を仕入れてお客さまに販売します。

新車ディーラーと中古車ディーラー

ディーラーには、新車ディーラー、中古車ディーラーもあります。

・新車ディーラー:新車モデルを販売する店舗、上述したディーラーやサブディーラーなどが該当
・中古車ディーラー:中古車を販売する店舗、中古車販売の「ガリバー」などが代表的

新車ディーラーは、メーカーから新車のみを仕入れ、販売します。

中古車ディーラーは、中古車ユーザーや中古車オークションなどを通して、既に使用済みの中古車を仕入れ、販売する業種です。

中古車ディーラーは、メーカーや年式問わずさまざまな車種を扱いますが、「外車専門の中古車ディーラー」、「スポーツカー専門の中古車ディーラー」など、スタイルを確立している店舗もあります。

近年は、新車ディーラーでも中古車を扱う店舗もあり、その逆に中古車ディーラーでもメーカーから新車を仕入れて販売する店舗も存在します。

自動車ディーラー社員の業務内容の種類・分類

営業

自動車ディーラーの営業業務は、主に次3タイプがあります。

<来店型営業>
ショールームを来店したお客さまに対して、自動車の提案を行う

<外回り営業>
既存の顧客を回り、新車の買い替えやメンテナンスの提案を行う、新規顧客への飛び込み営業を行う会社もあるが、近年、飛び込み営業は少なくなってきている

<法人営業>
企業に対して自動車の提案を行う、営業車を一度に数十台販売するなど、大口の取引となることが多い

自動車を提案するだけでなく、車検の提案、メンテナンスや修理の提案、自動車保険商品の提案なども営業の仕事に含まれます。

整備、メンテンナンス

自動車ディーラーは車を売るだけでなく、車の整備やメンテンナンスサービスも事業の柱として行っています。

メンテナンス:エンジンオイル、冷却水、タイヤなどの消耗品を取り換える
パーツ交換:オプション品やエアロパーツなどの取り付け、交換など
・点検:お客さまの車の日常的な点検、技術的な相談やアドバイスなど
・修理:キズの修復、破損箇所のパーツ交換などを行う
・車検:2年に1度の車検を行う、店舗内に認定の整備工場を持っているディーラーであれば、店舗内で車検を行うこともできる

ディーラーは、店舗敷地内に工場(ピット)を有しており、これらの整備業務は工場内で行われます。

また、整備業務を担当するのは、基本的に整備士資格を所持している整備士です。

事務

「事務」は店舗を裏方として支えていく仕事です。

会社によって仕事内容は若干異なりますが、お客さまに渡すパンフレットや見積書の準備、電話応対、書類作成、営業サポートなどを担当します。

アフターサービスの窓口となり、お客さまからの車に関する問い合わせを受けたり、また、ショールームスタッフとして接客や店舗の掃除などを担当したりします。

店舗運営、マネジメント

マネジメント業務としては、販売促進や販売目標数の行動計画、店舗の売上管理、部下の育成などが挙げられます。

ディーラーにある程度の年数勤めると「マネージャー」や「店長」に昇格し、営業や整備といった現場の仕事からは離れ、徐々にこれらのマネジメント業務にシフトしていくのが一般的です。

展示車、試乗車の掃除

ディーラーには、何台もの展示車や試乗車が配備されています。

お店の看板となる商品のため、定期的に掃除、洗車、メンテナンスをしておくことも大切な仕事です。

アルバイトの掃除スタッフを雇う店舗もありますが、正社員のスタッフが対応することもあります。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

自動車ディーラーの役割

自動車ディーラーの社会的役割は、一般ユーザーに自動車を届けることです。

トヨタや日産などの自動車メーカーはあくまで自動車を開発・生産するだけで、実際に販売までは行っていません。

販売を行うのはディーラーの役目です。

ディーラーが各地にショールームを設け、販売網を確立しているからこそ、私たち一般ユーザーは自動車を購入し手にすることができます。

ディーラーはそのように、ユーザーと自動車をつなぐ位置にいる存在です。

そのため、お客さまの要望やニーズを理解し、それぞれのお客さまに合った車を提案することが自動車ディーラーで働くスタッフには求められます。

自動車ディーラーに特有の職種

営業職

「営業職」は、車の購入を考えているお客さまに対し、家族構成やライフスタイル、車に求める機能・性能などをヒアリングしたうえで、自社の取り扱い車種の中から最適な車種を提案する仕事です。

会社によっては「カーセールス職」「カーライフアドバイザー職」といった名称で扱われることもあります。

単に自動車を売るだけでなく、契約手続き、納車、アフターフォローなども営業の仕事に含まれます。

自動車ディーラーの場合、営業の相手は個人です。

昨今は、パワーや操作性といった性能面よりも、実用性を重視してクルマを選ぶ人が増えてきているため、ライフスタイルの観点からセールスができる人材が重視されています。

整備職

「整備職」は、車の点検、メンテンナンス、修理など、技術的なサービスを提供する職種です。

会社によっては「サービスエンジニア職」「メカニック職」といった名称で扱われます。

工場(ピット)内でお客さまの車をさわり、技術的な作業をすることが主な業務です。

整備が不十分であると事故につながる恐れもあるため、ミスのない確実な仕事が求められます。

また、車をいじるだけでなく、整備職がお客さまと対話し、技術的なアドバイスや車検などの提案を行うこともあります。

特に正規取引店となるディーラーの整備職はお客さまと触れ合う機会も多く、整備職にも一定の接客力が求められるでしょう。

自動車ディーラーの有名な企業

有名企業

自動車ディーラーの有名企業としては、次のような会社が挙げられます。

<国内正規ディーラー>
トヨタカローラ〇〇株式会社、〇〇トヨペット、Honda Cars〇〇など

<海外正規ディーラー>
セントラル自動車技研(Central BMW)、アウディジャパン販売、ヤナセなど

<中古車ディーラー>
IDOM(ガリバー)、ビックモーター、ネクステージなど

<サブディーラー(販売店)>
有名企業というのは少なく、〇〇自動車販売、〇〇モータースなど個人経営の店舗が多め

大手自動車メーカーの場合、都道府県ごとに正規ディーラーを所有しているのが基本です。

たとえばトヨタ系列のトヨタカローラ店は「トヨタカローラ札幌株式会社」、「トヨタカローラ大阪株式会社」など、都道府県ごとにディーラーが配備されています。

販売チャネルと取扱い車種

トヨタを例にすると、トヨタ店・カローラ店・トヨペット店・ネッツ店の計4つの販売チャネルが用意されています。

従来は、高級セダンの「クラウン」はトヨタ店やトヨペット店でのみ販売、若者向けのコンパクトカー「ヴィッツ」はネッツ店でのみ販売といったかたちで、チャネルによって取扱い車種にも差異がありました。

しかし近年は、少子化などによる販売台数の減少により、チャネルに縛られない全車種併売化が進んでおり、トヨタ系は4つのチャネルそれぞれで、トヨタの全車種を取扱うようになっています。

トヨタに限らず、日産系やホンダ系のディーラーでも同様の状況になってきており、全車種販売が当たり前となっています。

そのため、ひと昔前のように「〇〇のチャネルのディーラーに勤めたら、△△の車種は取り扱えない」といったような心配はありません。

海外ディーラーの環境

BMW、アウディ、ベンツなど、海外自動車メーカーの正規ディーラーも国内に多数存在します。

海外ディーラーは、国内ディーラーよりも収入水準が高くなることが多く、やり手の営業マンであれば年収1000万円を越えるケースもあります。

ただし、客層が富裕層中心となってくるため、より上質な接客力やマナー、輸入車の知識などが求められるでしょう。

自動車ディーラーの仕事の流れ

営業職の仕事の流れ

昨今のディーラー営業は、ショールームでの「待ち」の営業スタイルが主流です。

訪問したお客さまに対して、接客やセールスを行います。

お客さまが車を気に入り、契約を取ることができた場合、メーカーに新車を手配するよう要請します。

その他、納車に向けた準備も営業職の仕事です。

必要に応じて、過去に付き合いのあったお客さまと連絡をとり、車検の提案や新車買い替えの提案など、アフターフォローの営業を行うこともあります。

整備職の仕事の流れ

まずは、営業職や受付けスタッフなどが店頭で接客をし、お客さまから点検や修理の依頼を受け付けます。

その後、手の空いている整備職に仕事が割り振られ、順次お客さまの車両を整備していく形となります。

1つのディーラー店舗には、基本敵に、数名の整備職が常駐して、1人当たり1日数件の車両を整備します。

車検などの大掛かりな仕事が舞い込んだ際は、一台に丸一日を費やすこともあるでしょう。