医学部の浪人は何年まで大丈夫? 浪人生の割合はどれくらい?
医学部浪人は国立志望なら2浪、私立志望なら3浪以上も可
医学部志望者の浪人は多い
医学部入試の難易度は高いため、浪人生は一定数います。
浪人できる年数の目安として、基本的に国立のみを志望するなら2年まで、私立も視野に入れるなら3年以上と言われることがあります。
浪人の年数が多くなったからといって、合格に不利になると公言している大学はありません。
岡山県の川崎医科大学のように、「4浪(22歳以下)」まで推薦入試の出願資格を認めている大学もあります。
だからといって、何年も医学部を目指して勉強しても、残念ながら合格にいたらない人もいます。
他の進路を考えるにあたって、浪人年数を目安に、諦めるか引き続きチャレンジを続けるかを判断する方法もあるでしょう。
ここからは、国立の医学部志望なら2浪、私立の医学部も視野に入れるなら3浪以上も可という目安の根拠を紹介するため、ぜひ参考にしてください。
国立大学の医学部志望:2浪が目安になる理由
学費や地元の大学でなければいけないなどの理由から、国立大学の医学部1本に絞っている場合は、基本的には2浪までのチャレンジで考えるのがおすすめです。
というのも、3浪以上で医学部の道を諦めてしまった場合、一般企業への就職が厳しくなってしまうからです。
2年浪人している時点で、就職活動をする際には、周りの就活生よりも2つ年上となります。
修士卒業予定の学生の年齢と同じではありますが、修士の学生と比べると、専門性や研究室とのコネクションが確立できているわけでもありません。
要するに、医学部を目指して懸命に勉強していたとしても、就職活動で有利に評価してもらえるケースは考えにくいわけです。
国立大学医学部志望者は、1年間の中で、前期1校と後期1校の合計で2校しか受験できません。
加えて、後期試験を実施する国公立大学そのものが少なく、倍率も高くなります。
同じように国立大学のみを志望している受験生は懸命に勉強しているため、おのずと競争環境も激しいものになります。
選択肢が国立大学医学部のみで、2浪したものの合格できなかった場合は、別の学部に切り替えたり、なんとか私立大学も視野に入れたりする道を探るべきでしょう。
私立大学の医学部志望:3浪以上も視野に入る理由
私立大学の医学部も視野に入れている場合は、3年以上の浪人をしての挑戦も視野に入れることが可能と考えていいでしょう。
というのも、私立大学の医学部志望なら複数の大学を受験できるため、最終的にどこかの医学部へ合格できる確率が高いからです。
また、詳しくは後で紹介しますが、実際に私立大学で学んでいる学生も、国立大学と比べると浪人生の割合や年数が高い傾向にあります。
3浪以上でも医学部に入学して医師免許を取得できれば、もちろん就職に困ることはなく、チャレンジする価値は十分あります。
もっとも、どこまでも浪人していくというのも現実的ではありません。
3浪以上で医学部の道を諦める場合、一般企業への就職は難しくなってきます。
他の医療系の資格が取れる学部への変更を余儀なくされることも覚悟しておきましょう。
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医学部に入る浪人生の割合は大学によって大きく異なる
医学部にいる浪人生の割合は、大学によってさまざまです。
7割以上が浪人生の大学もあれば、1割以下の大学もあります。
それぞれの大学で、浪人生の割合にも伝統のようなものがあると覚えておきましょう。
具体的には、旧帝大や私立上位大の医学部は、基本的に現役生のほうが多い傾向にあります。
厚生労働省:医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査について
たとえば、2018年度の東京大学医学部では18歳以下の合格者は74.1%で、慶應義塾大学の医学部では57.5%となっています。
一方で、獨協大学医学部は現役合格率が23.2%、東海大学は27.9%ですから、浪人生の方が多数派です。
もちろん、年度によって割合も変わりますし、上記で公表されている数値は合格者であって入学者でないことには留意しましょう。
医学部に浪人は多いが志望大学次第。年数もさまざま
医学部を目指すにあたって、浪人年数の目安や浪人生の割合などをまとめます。
・国立のみを志望するなら2浪が目安
・私立も視野に入るなら3浪以上も可
・浪人生の割合は大学によってさまざま
・志願者自体は浪人生の方が多数派
医学部受験は難関であるため浪人生が多く、自分よりも長く勉強している受験者も少なくありません。
自分自身の状況と志望大学とのバランスを取りながら、合格を目指してください。