医学部の女子の割合はどれくらい? 女子でも浪人してる人は多い?
医学部の女子の割合
実際の男女比は、大学によって大きく異なる
医学部に在籍している女子の割合は、大学によってかなり差があります。
東京女子医科大学のような女子医科大学を除き、2018年度の男子合格率を1とした場合の女子の合格率は、上は島根大学の1.64から、下は東京医科大学の0.33までさまざまです。
ちなみに、上記の数値の算出には、保健学科や看護学科などは除かれており、医学科のみの男女比率として算出されています。
大学によっては、なかば伝統のように男女比率が決まっている傾向もあるため、女子の割合が高いほうがよいのであれば、あらかじめ調べておく必要があるでしょう。
ここからは、女子比率が低い傾向にある大学と、高い傾向にある大学を紹介していきます。
旧帝大は女子の割合が「低い」傾向にある
東京大学や京都大学、大阪大学といった、いわゆる旧帝大の医学部は、女子の割合が低い傾向にあります。
2017年度の旧帝大の女子学生比率の一部を以下に列挙します。
・東京大学:16.0%
・京都大学:16.4%
・大阪大学:15.8%
・東北大学:16.3%
・九州大学:14.9%
・名古屋大学:22.4%
・北海道大学:23.1%
上記のとおり、旧帝大の医学部における女子の割合は、かなり低いといわざるを得ません。
特定の大学で取り組みたい研究分野などがなく、女子比率の低さが気になるのであれば、旧帝大医学部は候補から外れます。
一方で、女子比率が高い傾向にある大学の属性があるのも事実です。
地方大学は女子の割合が「高い」傾向にある
旧帝大を除いた地方大学は、比較的女子の割合が高い傾向にあります。
実際、2017年度の医学部における女子の合格比率ランキングの上位過半数は、地方大学です。
一例を以下に挙げていきます。
・佐賀大学:44.7%
・島根大学:41.2%
・愛媛大学:40.8%
・金沢医科大学:40.8%
・秋田大学:40.0%
・鳥取大学:39.3%
旧帝大医学部の女子比率と比べと、2倍前後の数値がならんでいます。
共学かつ、女子比率が高い傾向にある環境で学びたいというなら、上記大学を候補に入れておくとよいでしょう。
もちろん、お住まいに近い地方大学の医学部も要チェックです。
20代で正社員への就職・転職
全医学部の男女合格比率は、男性が上回っている
先に紹介した地方大学医学部における2017年度の女子の合格比率を見ると、女子の合格比率は軒並み50%を切っています。
この傾向が毎年のものなのか、文部科学省が収集している男子と女子の合格比率のデータをもとに、2013年度から2018年度までの女子の合格比率を紹介します。
全国に医学部医学科は81あり、2013年度から2018年度の平均合格率は男性のほうが、女性よりも1.18倍高いとのことです。
また、医学部を受験して合格した人の割合は、男性で11.25%であり、女性は9.55%です。
そもそも男性の方がより医学部を強く志望している傾向があるようにみえます。
なお、2013年度から2018年度の平均だと、81大学のうち63大学において、女性よりも男性の合格者が多くなっています。
女子医科大学がある一方で、男子医学大学がないことも考慮すると、共学の医学部において女子の合格者が多くなるのは、比較的レアケースといえるでしょう。
医学部を目指して浪人をしている女子も一定数いる
医学部を目指す浪人生は、女子も一定数います。
文部科学省が集計しているデータのうち、合格者の年齢内訳の項目を確認すると、18歳以下の合格者数と全合格者数の内訳が公表されています。
あくまでも合格者の数を集計したデータとなっているため、実際に入学して学んでいる人数とは若干の誤差があるでしょう。
しかし、2018年度のデータを見てみると、現役合格率が30~50%台の大学がほとんどで、全体的にみると浪人生の方が多い傾向にあると考えられます。
もちろん、大学によって浪人生の合格率には大きな差があります。
たとえば、2018年度の東京大学における浪人生の合格率は25.9%で、熊本大学においては66.9%です。
女子の浪人生の合格率を確認してみると、2018年度は女子大を除いて、すべての大学で50%を切っているものの、30~40%台が大半をしめています。
したがって、そもそも医学部受験において浪人生は多く、女子の浪人生も男性よりは少ないものの決して少なくないことが伺える状況です。
20代で正社員への就職・転職
比率にこだわるなら大学選びを慎重に
女子医科大学を除いて、基本的に医学部の女子は、男子よりも少ない場合が多いです。
女子の比率が高い環境で学ぶことにこだわりたいなら、大学選びを慎重にしていきましょう。