グラフィックデザイナーの年収・給料はどれくらい? 初任給、統計データも解説
また、中小の制作会社ではそれほど高い収入を得られないことが多いのが現状です。
フリーランスの場合でも、最初から名前が売れていれば高収入も期待できますが、一般的には通常の仕事よりも営業活動を行わねばならないため、収入がままならないことも多いようです。
この記事では、グラフィックデザイナーの給料・年収について解説します。
グラフィックデザイナーの平均年収・給料の統計データ
グラフィックデザイナーの年収は、勤める企業の規模やキャリアによって大きく異なり、中小の制作会社ではそれほど高い収入を得られないことが多いようです。
フリーランスの場合は、最初から名前が売れていて多くの顧客を抱えて独立した場合は、高収入も期待できますが、独立後しばらくは本来のデザイナーとしての仕事よりも営業活動を行わねばならないため収入がままならないことも多いようです。
グラフィックデザイナーの平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、グラフィックデザイナーの平均年収は、38.8歳で509万円ほどとなっています。
・平均年齢: 38.8歳
・勤続年数: 10.3年
・労働時間/月: 171時間/月
・超過労働: 8時間/月
・月額給与: 363,800円
・年間賞与: 727,500円
・平均年収: 5,093,100円
出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
求人サービス各社の統計データ
職業・出典 | 平均年収 | 年収詳細 |
グラフィックデザイナー・イラストレーター (マイナビエージェント) |
345万円 | 20代平均314万円 |
20代男性平均323万円 | ||
20代女性平均312万円 | ||
30代平均395万円 | ||
30代男性平均452万円 | ||
30代女性平均356万円 | ||
グラフィックデザイナー (転職会議) |
326万円 | 20代前半:276万円 |
20代後半:316万円 | ||
30代:358万円 | ||
40代以上:379万円 | ||
グラフィックデザイナー・CGデザイナー (Indeed) |
5,533,132円 | 月給391,755円 |
日給31,421円 | ||
時給2,521円 | ||
グラフィックデザイナー (求人ボックス) |
449万円 | 月給37万円 |
各社のデータより、グラフィックデザイナーの年収は330〜500万円の間となる実態が見えてきます。
時給制の場合は1,500円以上が相場となっており、一般的なアルバイトに比べると時給は高い傾向にあります。
グラフィックデザイナーの手取りの平均月収・年収・ボーナス
各社の統計データをもとに算出すると、グラフィックデザイナーの平均年収は300〜400万円となると思われます。
年収を350万円とした場合、ボーナス無しの場合は約20~23万円、月の手取り額は18~21万円ほどになると見込まれます。
現在、日本人全体の平均年収が約460万円と言われていることから考えると、一般的な職業よりも給与水準は低めと言えるでしょう。
ただし、グラフィックデザイナーの給料は仕事量や会社規模によって大幅に変わるため、これよりも高収入を得ている人も多くいます。
グラフィックデザイナーの初任給はどれくらい?
20代前半の年収平均から年収を約250万円とすると、手取りは約200万円程度となり、月収は約17万円となります。
交通費などを除外して考えると、15~16万円からのスタートとなることが多いと考えられるでしょう。
入社してすぐはアシスタントや修業期間としていることが多いため、新人時代の給料は一般的な会社員よりは少なくなることが多いようです。
グラフィックデザイナーの勤務先の規模別の年収(令和5年度)
グラフィックデザイナーの年収は、勤務先の事業所の規模によって大きく異なります。
10〜99人規模の事業所に勤めるグラフィックデザイナーの平均年収は442万円、100〜999人規模は498万円、1,000人以上の規模では681万円、10人以上規模の事業所平均は509万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「デザイナー」でテキスタイルデザイナー、ウエディングドレスデザイナー、ジュエリーデザイナー、ゲームデザイナー、パッケージデザイナー、キャラクターデザイナー、プロダクトデザイナー、インダストリアルデザイナー、カーデザイナー、雑貨デザイナー、ガーデンデザイナー、空間デザイナー、ディスプレイデザイナー、照明デザイナー、インテリアコーディネーターなど他職業を含むデータです。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
グラフィックデザイナーの勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
グラフィックデザイナーの年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の684万円です。
全年代の平均年収は509万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「デザイナー」でテキスタイルデザイナー、ウエディングドレスデザイナー、ジュエリーデザイナー、ゲームデザイナー、パッケージデザイナー、キャラクターデザイナー、プロダクトデザイナー、インダストリアルデザイナー、カーデザイナー、雑貨デザイナー、ガーデンデザイナー、空間デザイナー、ディスプレイデザイナー、照明デザイナー、インテリアコーディネーターなど他職業を含むデータです。
グラフィックデザイナーの福利厚生の特徴
一般的に、規模の大きな広告代理店や制作会社に就職した場合は、収入が高く、待遇や福利厚生も手厚いことが多くなっています。
小さなデザイン事務所や個人事務所の場合は、仕事を任せられるチャンスも多くあるものの、待遇や福利厚生はあまり期待できないこともあるので注意が必要です。
20代で正社員への就職・転職
グラフィックデザイナーの給料・年収の特徴
年俸制も多い
グラフィックデザイナーは、年俸制で仕事をする人も多くいます。
年俸制とは、給与の金額を一年単位で決定する方法です。
月給の場合は、会社の業績や個人の成果によって給料が変動しますが、年俸制の場合は一度契約した給与以上に支払われることはありません。
仕事が認められれば高い金額で契約してもらえることもありますが、たとえ徹夜作業になったとしても残業代がつかず、労働時間に対して給料が見合わないという声も聞かれます。
デザイン以外の仕事を抱える人も
グラフィックデザイナーは、フリーランスとして独立し仕事をする人も多くいます。
グラフィックデザイナーとして経験を積み、プランニングやディレクションにも精通してくると、通常のデザインワーク以外に企画費やディレクション費の収入も見込むこともできます。
コピーライターやイラストレーターなどのブレーンを抱えて、ハンドリングができるようになるとさらなる収入増となり、年収数千万になるケースもあります。
ここまで来れば、制作プロダクションやデザイン事務所の立ち上げへとステップアップすることも夢ではありません。
グラフィックデザイナーの雇用形態別の年収
会社員のグラフィックデザイナー
会社員として働くグラフィックデザイナーの給料は、所属する企業の規模によって大きく異なります。
大手広告代理店の場合は30代で年収1000万円ということもありますが、中小の代理店やプロダクションの場合は初年度300万円を切ることも往々にしてあります。
ある調査では、グラフィックデザイナーの年収の平均値は300〜430万円とされ「手に職がある」割には他業種と大差ないのが実状です。
フリーランスのグラフィックデザイナー
会社員として経験を積むと、独立の道も開けます。
しかし、会社員時代に多くのクライアントを抱えて活躍していたデザイナーだとしても、独立する際にそれらのクライアントを自分のお客さんにしてしまうのはマナー違反のため、新規の顧客を開拓するのは難しいのが現状です。
独立して間もないフリーのデザイナーの場合、年収は300万円以下になることもしばしばで、本来の制作活動よりも営業活動や人脈づくりに奔走せざるを得ない人が多いようです。
顧客を獲得し仕事がコンスタントに入るようになると、努力しだいで年収700〜800万も可能です。
20代で正社員への就職・転職
グラフィックデザイナーが収入を上げるためには?
- 規模の大きな企業にステップアップする方法
- グラフィックデザイナーから他分野のデザイナーとして転職する方法
- フリーランスとして独立する方法
グラフィックデザイナー年収をアップさせるには、いくつかの方法があります。
第1に、規模の大きな企業にステップアップすることです。
一般的には規模の大きなデザイン会社や制作会社の方が給与や待遇も手厚いため、実力を身に付けたタイミングでこうした会社へ就職するとよいでしょう。
第2に、グラフィックデザイナーから他分野のデザイナーとして転職する方法もあります。
一度グラフィックデザインを学んでおけば、Webデザイナーやプロダクトデザイナーなどさまざまな分野で経験を生かせます。
第3に、フリーランスとして独立する道もあります。
必ずしも会社員時代よりも稼げるとは限りませんし、独立のリスクもありますが、実力や人脈さえあれば年収1000万円を超えることも夢ではありません。
グラフィックデザイナーの給料・年収のまとめ
グラフィックデザイナーの平均年収・給料は、勤める企業の規模やキャリアによって大きく異なり、中小の制作会社ではそれほど高い収入を得られないことが多いようです。
グラフィックデザイナーが収入を上げるためには、規模の大きな企業にステップアップする方法・グラフィックデザイナーから他分野のデザイナーとして転職する方法・フリーランスとして独立する方法があります。