栄養士の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

栄養士の勤務先はさまざまであり、どんな場所で、どのように働くかによって、給料や収入も異なります。

本記事では、各種調査データも取り上げながら、栄養士の平均年収や初任給、施設別の年収、収入の上げ方などを紹介します。

栄養士の平均年収・給料の統計データ

栄養士の収入は、勤務先や経験、雇用形態などによって幅があります。

必ずしも高収入が望める職業ではありませんが、職場によっては栄養士の資格手当が付いたり、充実した福利厚生が用意されていたりすることがあります。

栄養士の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

栄養士の平均年収_2023

令和5年度の賃金構造基本統計調査(厚生労働省)によると、栄養士の平均年収は38.3歳で390万円ほどです。

・平均年齢: 38.3歳
・勤続年数: 9.3年
・労働時間/月: 165時間/月
・超過労働: 6時間/月
・月額給与: 268,100円
・年間賞与: 684,500円
・平均年収: 3,901,700円

出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」

栄養士の年収の推移_r5

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
管理栄養士
(転職ステーション)
325万円
栄養士
(Indeed)
3,157,078円 時給1,152円
日給 14,382円
月給 223,526円
栄養士/管理栄養士
(DODA)
308万円 男性:334万円
女性:307万円
20代: 293万円
30代 :341万円
40代 :358万円
50代〜:~412万円
生涯賃金:1億5926万円
栄養士
(求人ボックス)
322万円 27万円

各社のデータより、栄養士の年収は300〜330万円の間となる実態が見えてきます。

栄養士の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

各社の統計データをもとに算出すると、栄養士の平均年収は300万円前後となると思われます。

厚生労働省の統計調査より、ボーナスが年間でおよそ2.5ヶ月となっていることから、月額総支給額は26万円、ボーナスは年間61万円ほど支給されていると考えられます。

東京都で勤務する栄養士で、独身の人の場合、交通費などを除外して考えると月の手取り額は16~17万円ほどになると見込まれます。

国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本における給与所得者の1年間の平均給与は458万円です。

この数字をもとにすると、栄養士の給与水準はやや低めといえるでしょう。

栄養士の初任給はどれくらい?

都内で勤務する場合の基本給は18~19万円、地方の場合はさらに低く16~18万円ほどと見込まれます。

栄養士の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)

栄養士の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の548万円です。

全年代の平均年収は390万円となっています。

栄養士の年収(年齢別)_r5

上記グラフの基タイトルは「栄養士」で管理栄養士など他職業を含むデータです。

栄養士勤務先の規模別の年収(令和5年度)

栄養士の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤める栄養士の平均年収は375万円、100〜999人規模は385万円、1000人以上規模417万円、10人以上規模平均は390万円となっています。

栄養士の年収(規模別)_r5

上記グラフの基タイトルは「栄養士」で管理栄養士など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

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栄養士の給料・年収の特徴

栄養士は必ずしも高収入が望める職業ではありませんが、職場によっては栄養士の資格手当が用意されており、基本給に手当分が上乗せされます。

資格手当は、栄養士資格のみだと2,000円〜5,000円、もし管理栄養士まで取得すれば5,000〜10,000円ほどつくこともあります。

施設別の栄養士の給料・年収

給食会社で働く栄養士

給食会社で働く栄養士の月給は18万〜22万円が大半です。

老人施設や保育園などに併設された給食室で働く場合も同程度でしょう。

病院で働く栄養士

病院で働く栄養士の月給は18万〜27万円と大きな開きがあります。

病院での調理は専門性が求められるぶん、給料が高くなっているところが多いようです。

メーカーで働く栄養士

食品メーカーの開発や研究職は、給与や待遇がよく、専門性を生かして働けることで人気があります。

ただし、管理栄養士での採用や中途採用がほとんどのため、栄養士が新卒での採用を目指すのは難しい面もあります。

国家公務員の栄養士

栄養士のなかには、あまり数は多くありませんが国家公務員として働く人もいます。

国家公務員として採用される栄養士の勤務先は、国立病院や自衛隊駐屯地など、国が管轄する施設です。

各職場において献立作成や食事のアドバイス、栄養指導などに従事することになります。

こうした国家公務員の栄養士の給料は、法律にもとづき「医療職俸給表(二)」に沿って支給されます。

以下の図は、人事院の「平成4年国家公務員給与等実態調査」をもとに、医療職俸給表(二)の年収等をまとめたものです。

医療職俸給表(二) _2022

国家公務員として働く栄養士の平均年収は583万円程度になると考えられます。

この数字だけ見ると民間の栄養士よりもかなり高水準といえます。

ただし、医療職俸給表(二)には栄養士のほか「薬剤師」も含まれており、実際にもらえる給料は経験年数や職務階級などによっても異なるため、参考程度に確認してください。

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栄養士の福利厚生の特徴

栄養士は、比較的経営が安定している病院や公的施設で働くことが多いため、福利厚生面は充実している傾向にあります。

女性の活躍が目立ちますが、産休や育休、時短勤務の制度が整っており、子どもを持つ人でも働きやすい環境は整っている職場が多いです。

ただし、福利厚生の内容は各施設で異なるため、就職先を探す際には必ずチェックしておきましょう。

栄養士が収入を上げるためには?

栄養士が収入アップを目指す方法としては、「管理栄養士」を目指すことが一般的といえるでしょう。

栄養士と管理栄養士を比較すると、より難易度が高い管理栄養士のほうが基本給が5,000~1万円ほど高く設定されていたり、手当が上乗せされたりするケースが多いとされています。

また、管理栄養士の資格を持っていると、応募できる求人の選択肢が増えるため、より待遇のよい職場で働くチャンスも掴みやすくなります。

管理栄養士の給料・年収

栄養士の給料・年収のまとめ

栄養士の平均的な収入は300万円前後で、決して高いとはいえません。

とはいえ、各勤務先では産休や育休、時短勤務など福利厚生が充実しており、仕事と家庭を両立させやすい制度が整っているケースが多いです。

行政施設や病院、大手メーカーで働く場合は、比較的安定した働き方が望めます。

収入アップを望むのであれば、実務経験を積みながら勉強を重ね、管理栄養士を目指すとよいでしょう。