「フードコーディネーター」とは

レシピ作成から食品開発まで、あらゆる角度から「食」を楽しむための提案をする。
フードコーディネーターとは、企業のレシピ作成や料理番組出演、企業のアドバイザーに至るまで、食のスペシャリストとして活躍する人のことを言います。
調理の専門学校に通う、活躍中のフードコーディネーターの下で学ぶなどの方法で、フードコーディネーターへの道を目指します。
フードコーディネーターに関する国家資格はありませんが、「日本フードコーディネーター協会」が主催する民間の検定試験があります。
認定試験は3級、2級、1級試験の試験があり、「食」に関するさまざまな知識が問われます。
フリーランスで働く人が多いため年収は人によって異なります。
有名なフードコーディネーターのアシスタントとして働くときの年収は100万円〜300万円ほどとなるようです。
「フードコーディネーター」の仕事紹介
フードコーディネーターの仕事内容
食に関するスペシャリスト
フードコーディネーターは、食に関する幅広い知識を持ち、さまざまな仕事を行います。
フードコーディネーターの仕事の場は幅広く、企業や飲食店のレシピを作成したり、料理番組や雑誌などの料理コーナーへ出演しレシピを紹介したり、食品関連企業のアドバイザーとして活躍するなどなど多方面で活躍しています。
飲食店や食品関連企業に勤める人もいますが、多くの人はフリーランスとして自分の得意分野を生かしながら働いています。
自分で料理教室を主催したり、レシピ本を出版したりする人もいます。
フードコーディネーターは食に関する多くの仕事に携わりますが、他のフードコーディネーターとは異なる「自分ならでは」の価値を提供することや、顧客のさまざまな要望に応えられるだけの知識と技術が求められます。
フードコーディネーターの就職先・活躍の場
企業に勤めるかフリーランスかの2択
フードコーディネーターの多くは、フリーランスとして働いています。
プロのフードコーディネーターのアシスタントを経て独立する人、通信講座などで資格を取得して独立する人など、道のりはさまざまです。
フリーではなく、食品関連企業や飲食店、料理教室などに就職して働く人もいます。
この場合基本的に自社の業務以外には携わることはできませんが、個人ではなかなか請け負うことができない大きな仕事を任されることもあります。
もちろん、企業で何年か経験を積んだのちに独立する人もいます。
フードコーディネーターの1日
フリーの場合は不規則になりがち
フードコーディネーターの業務スケジュール
フードコーディネーターの勤務時間は、企業に就職して働く場合と、フリーランスとして働く場合とで大きく異なります。
社員として働く場合は、企業の就業規則に従って働き、朝出社し夕方退社する一般的なサラリーマンと同じような生活です。
一方、フリーランスの場合は、不規則になりがちで、仕事によっては早朝から深夜までかかることもあるため、1日中調理をしているということもあります。
フリーランスのフードコーディネーターとして働く場合は、アシスタントを雇って分業したり、自分で仕事量を調節したりする必要があると言えるでしょう。
<企業で働くフードコーディネーターの1日>
8:30 出勤・ミーティング
9:00 レシピ開発では、味の違いなどを細かく確かめながら調理をしていきます。
12:00 試作したメニューをスタッフ同士で食べます。
13:30 栄養価や経費計算などの調査研究をレポートにまとめます。
16:30 スタッフと今日の改善点や今後の開発について吟味します。
17:00 よほど繁忙期でなければ、残業はあまりありません。
フードコーディネーターになるには
食に関する専門知識を学んでから就職
フードコーディネーターになるために決まった道はありませんが、食に関する専門知識は必須です。
一般的なのは、調理系の短大や大学、専門学校で学ぶ方法です。
そのほかには、通信講座などでフードコーディネーターの資格を取得する方法、既にフードコーディネーターとして活躍している人についてアシスタントとして働く方法などがあります。
どの場合もいきなりフリーで働くことは少なく、まずは一度就職をしたり先輩についたりして、少しずつ食に関する業界のことを覚えていく流れが一般的となっているようです。
フードコーディネーターの学校・学費
食に関する知識を効率よく学べる
フードコーディネーターを目指すために、学校やスクールに通い、専門知識を身につけたり資格を取得したりする人も少なくありません。
「食」に関する学校に通ったことがなくても、食に関する業界での実績やスキルがあれば、独立してフードコーディネーターとしての仕事をすることも不可能ではありません。
しかし学校やスクールでは、食材や栄養などに関する知識を体系立てて勉強することができ、食に関する資格を取得することもできます。
効率よく食の知識を学びたいという人は、学校やスクールへの通学を検討するとよいでしょう。
フードコーディネーターの資格・試験の難易度
フードコーディネーター認定試験を取得
仕事上必ずしも必要ではありませんが、フードコーディネーターに関連する民間資格として「日本フードコーディネーター協会」が認定する「フードコーディネーター資格認定試験」があります。
取得するためには、フードコーディネーター協会が「認定校」と定める学校で科目を履修する、資格取得を目的としたスクールに通う、通信講座を利用する、市販のテキストで勉強するなどの方法があります。
ただし、3級は入門レベルであり、現実的に仕事で生かせるのは2級以上とされています。
フードコーディネーターの給料・年収
企業の社員とフリーランスで異なる
食品関連企業に就職して正社員として勤務する場合、平均年収は300万円から600万円ほどとなるでしょう。
フードコーディネーターの肩書きを持つからといって、特別な収入を得られることはほとんどないようです。
フリーランスで働く場合、活動内容や仕事の量によって、収入にもだいぶ差が出てきます。
仕事がまったくなければ収入は0円ですし、仕事をこなせばこなすだけ収入は増えていきます。
アシスタントのうちは「勉強期間、下積み期間」として考えられているため、他にアルバイトをしないと生活が成り立たないこともあります。
フードコーディネーターのやりがい、楽しさ
多くの出会いがあり、刺激のある仕事
フリーランスで働くことが多いフードコーディネーターは、人によって働き方は異なるものの、顔を売り、人脈を作り、常に新しい仕事にチャレンジしていきます。
サラリーマンのようなルーティンワークが少ないため、毎日に刺激を求めたい人や新しい仕事にどんどんチャレンジしたい人にとっては、非常にやりがいを感じられる仕事でしょう。
また、食に関わる仕事を通じて多くの人と出会い、そこから新たな仕事につながることもフードコーディネーターの喜びです。
フードコーディネーターのつらいこと、大変なこと
体力勝負で地味な仕事も多い
テレビや雑誌などで活躍するフードコーディネーターに華やかでオシャレなイメージを抱いている人は多いかもしれません。
しかしながら、実際には体力勝負で地味な面のほうが大きな仕事です。
レシピを考え、試作をくりかえし、打ち合わせをして、食材や調理器具を揃えて、原稿を書いて…と、表に出ない地味な作業が非常に多いのです。
また、調理中は立ちっぱなしになったり重い食材を運んだりと、意外と体力勝負の仕事でもあり、華やかな仕事の裏でコツコツと努力をすることが求められます。
フードコーディネーターに向いている人・適性
食に関心があり想像力がある人
食の情報を伝えるフードコーディネーターは、いつでも想像力をはたらかせなければなりません。
料理や食材を目の前にしたときに「料理をもっとおいしく食べて欲しい」「もっと見た目を美しくしたい」と想像力を発揮できるような人こそ、フードコーディネーターにふさわしいといえるでしょう。
そのためには、情報を発信するだけでなく「この料理を食べたときにどのように感じるか?」「この料理を見てどう思うか?」と受け手がどのように感じるかを考える想像力も大切です。
フードコーディネーター志望動機・目指すきっかけ
自分の意志や目標を明確に
フードコーディネーターはフリーランスとして働く人も多く、企業の就職試験のように志望動機を問われる機会もほとんどありません。
そのため、必ずしも志望動機を考える必要はありませんが、「フードコーディネーターとして何をしたいのか?どんなことができるのか?」をしっかりと考えておくことは大切です。
フードコーディネーターは、多岐に渡る場所で活躍できるからこそ、自分の中で「こういうことがしたい」という意思を持ち、積極的に周りにアピールすることで新たな仕事につながることもあります。
フードコーディネーターの雇用形態・働き方
企業の正社員・アルバイト・フリー
フードコーディネーターの働き方としては、企業の正社員として働く方法、アシスタントなどのアルバイトとして働く方法、フリーランスとして働く方法があります。
食品関連会社に就職する場合、フードコーディネーターの専門職としての募集は少なく、企業で正社員として働く人はごく一部です。
そのため多くのフードコーディネーターはフリーランスで働いています。
アシスタントとして働く場合は、アルバイトや契約社員が多く、給与が安定しない一面もあります。
フードコーディネーターの勤務時間・休日・生活
休日は自分で調整する人が多い
フリーランスで働くことが多いフードコーディネーターは、決められた休日が存在しないため、自分で休日を調整しなければなりません。
受けた仕事はきっちりと行わなければなりませんが、自分でスケジュールを調整し休むことも大切です。
とはいえ、そもそも「食が趣味」という人も多いため、自宅で新しい料理の研究をしたり、飲食店を回って情報収集をしたりするという人も少なくありません。
メニューの試作や飲食店巡りをする機会が多いため、どうしても太りやすくなると悩む人も多く、休日は運動に励む人という人もいるようです。
フードコーディネーターの求人・就職状況・需要
仕事内容を確認して応募を
フードコーディネーターの多くの人はフリーランスとして働いており、企業が「フードコーディネーター」という職種で社員を募集するケースは多くありません。
ただし、食品関連企業や飲食店を運営する企業では、配属先次第で商品企画や広報の仕事に携わりながら、食の知識を生かして活躍できる場合があり、フードコーディネーターに近い仕事ができます。
フードコーディネーターという職種名にとらわれず、仕事内容を確認し、やりたい仕事ができる勤務先を探すとよいでしょう。
フードコーディネーターの転職状況・未経験採用
未経験からでも目指すことができる
フードコーディネーターは経験者が求められがちな世界ではありますが、アシスタント経験を積みながら独立を目指すなど、未経験からでも目指すことはできます。
たとえ未経験であっても、食に関する仕事に関わった経験や、マーケティングや企画宣伝、マネジメントなどの業務経験も、おおいに生かすことができるでしょう。
また、仕事をするうえで資格取得は必須ではありませんが、未経験者の場合は「フードコーディネーター資格認定試験」の「2級以上」を取得しておくほうが有利になることが多いようです。
フードコーディネーターの現状と将来性・今後の見通し
自分の個性や強みを生かした仕事を
フードコーディネーターは、料理のスタイリングだけでなく、店舗プロデュースや市場開発など、仕事の幅は年々広がっています。
「食」が人間にとって不可欠なものである以上、食のスペシャリストであるフードコーディネーターの活躍の場は今後ますます発展していくといってよいでしょう。
活躍の場が広いだけに、フードコーディネーターとしての個性や得意分野次第をしっかりと把握し、「自分だからこそこの仕事ができる」といえるような強みを持ってアピールことも大切です。