リサーチャーの仕事内容・なり方や必要な資格・給料を解説
リサーチャーの仕事内容
テレビの番組制作のために情報を集める
リサーチャーは、テレビ番組の制作や企画のためのネタを集める仕事です。
たくさんの職種があるテレビ業界の中においてディレクターやプロデューサーのように華やかなイメージはありませんが、リサーチャーがいないと番組を作ることができないため、制作側の縁の下の力持ち的存在です。
リサーチャーがリサーチを行うのは、主に番組制作のための「情報=ネタ」です。
一昔前までは、実際に図書館で新聞記事や雑誌を探したり外に出て聞き込みをしたりする足を使って情報を集める手段がメインでしたが、最近ではインターネット上でリサーチをすることも増えています。
また、制作番組によっては医者や学者などの専門家に取材をしたり、第一人者を探すリサーチをすることもあり、一言でネタを集めるためのリサーチといってもその対象が幅広いのも特徴です。
20代で正社員への就職・転職
リサーチャーの就職先、活躍の場
就職先はテレビ業界の関連企業がほとんど
リサーチャーとして仕事をするためには、テレビ業界の関連企業に就職する必要があります。
リサーチ専門の企業もありますが、番組によってはテレビ局や制作会社がリサーチのチームを作っている場合もありますので、リサーチャーとして活躍するにはリサーチ専門の企業のほか、テレビや制作会社のテレビ制作を担当する部署に就職する方法もあります。
また、地上波だけでなくCS放送などさまざまなチャンネルに番組制作の場がありますので、リサーチャーが関わる機会はかなり多岐に上ります。
リサーチャーになるには
関連会社に入社するのが一番の近道
リサーチャーとして働くためには、テレビ番組関連のリサーチ会社、テレビ局、プロダクションや番組制作会社に入社する流れが一般的でしょう。
また、一般企業の新卒採用のような入職のしかただけに道が開かれているというわけではないため、学生時代のアルバイトで作ったコネを伝って企画会社などにそのまま就職を決める人も少なくありません。
そういった意味では、テレビ業界で就職したいと考えた場合は学生時代に関連する業界の企業などでアルバイトをしてみることも就職の際に役立つでしょう。
また、テレビ局に関しては昨今、就活生を対象とした会社訪問型のインターンシップを積極的に受け入れています。
この機会を活用して、業界で実際に働く現場の人たちと繋がりを作っておくことも有効です。
20代で正社員への就職・転職
リサーチャーの学校、学歴
固定のルートや必要な資格は存在しない
リサーチには本人の持つ知識やコミュニケーション力、調査力などが多岐に求められるため、決まった学部・学科や専門に学べる専門学校があるわけではなく直結する固定のルートや必要な資格は存在しません。
しかし、裏を返せば身に付けた色々なことが生きてくる職種であるということができます。
出身学部や学科に関わらず、リサーチャーとして活躍することが可能です。
大学や短大、専門学校でリサーチャーに近い勉強ができる学科は、社会学やマスコミ学などが候補に挙がるでしょう。
リサーチャーの給料・年収
あまり高収入とはいえない
リサーチャーの年収は、業界水準に於いてもあまり高いとはいえず、年収200万円台からといったデータも見られます。
拘束時間を時給で換算すると、アルバイト並といった話も聞かれます。
また、年功序列式に経験年数に比例して収入が上がっていくこともあまり期待できないため、収入面で限界を感じ辞めていく人もいます。
一生定年までリサーチャーとして勤めることは体力面のみならず、収入面でも難しいかもしれません。
しかし、リサーチャーを経て、業界内で放送作家やプロデューサーなどに転職するケースも少なくありません。
そうなった場合には、収入の大幅なアップが見込めます。
リサーチャーに向いている人、適性
調べる力と好奇心のある人
リサーチャーの仕事の核である「リサーチ」や「企画」をしっかりこなすためには、必要な情報にたどり着くまで粘り続ける忍耐力や情報収集力が求められます。
インターネットを利用してリサーチすることもあるため、検索力も必要です。
また、世間の流行などに常にアンテナを張れる好奇心旺盛な人に向いている職業であるといえます。
日常生活でもただ漠然と生活するのではなく、いつでもひらめきを持てる習慣があることが望ましいでしょう。
リサーチャーの志望動機・目指すきっかけ
「テレビや業界が好き」な人が多い
リサーチャーという職種だけに限らず、テレビ業界は「テレビが好き」という人が就職を目指すことが多い業界です。
朝から晩までもくもくとリサーチに明け暮れることもあり、体力や気力勝負という面もありますので、「テレビ業界に興味がある」といった軽い志望動機では続けていくことが難しい場合もあるでしょう。
しかし、リサーチャーの腕が番組の質を左右するケースも少なくありません。
テレビが好きで、自分も番組制作の現場に携わりたいという熱意が志望動機につながるといえるでしょう。
リサーチャーの雇用形態、働き方
正社員が最も安定している
リサーチ会社や関連する企業に就職した場合は、正社員のリサーチャーとして勤務することになります。
それ以外には、仕事を請ける先がある人に限られますが、フリーランスのリサーチャーとして働く方法があり、この場合は勤務時間などは自分の裁量で決めることができます。
しかし収入面やそのほかの安定性を重視すると、テレビ業界に関連する企業に就職するケースが最も安定している働き方だといえます。
またアルバイトとして採用されるケースもありますが、こちらの場合は正社員と比較してやはり不安定であることは否めません。
リサーチャーの勤務時間・休日
テレビ業界らしく、勤務時間は不規則
テレビ業界全体の傾向として、不規則・長時間勤務が特徴として挙げられますが、例にもれずリサーチャーもこれに当てはまります。
案件が多く業務が立て込んでいるときはなかなか仕事を終わることができず、帰宅が遅くなることもめずらしくありません。
場合によっては残業が続いたり休日出勤をして仕事をこなさないといけないこともあり、小さい子供を持つお母さんなどは家庭と両立することが難しいといえるかもしれません。
カレンダー通りに休みを取れないこともあると覚悟しておいた方がいいでしょう。
リサーチャーの求人就職・転職状況・需要
メディアの増加により、需要も増大
インターネットの普及などによるメディアの増加により、番組制作におけるリサーチャーの需要も増しています。
番組制作の企画段階の第一歩となる部分を担う職種ですので、番組制作には欠かせない存在であるため、あらゆるメディアで活躍できるチャンスがあります。
また、リサーチ会社によっても専門とする番組の系統やカテゴリーがありますので、一定のスキルを積んだリサーチャーは、業界内で転職することも難しくはありません。
やはり業界として、経験者が優遇されやすいため、未経験からの転職となった場合には転職前よりも良い条件でで仕事先を決めることは期待できないと考えておいた方が無難でしょう。
リサーチャーの将来性・今後の見通し
チャンネル数の増加などで需要は増加
テレビ離れともいわれている昨今ですが、地上波以外にケーブルTVやCS放送など、全体のチャンネル数が増えていることや、少子化などで新入社員が少なくなっている傾向もあり、需要自体は増しています。
番組制作に欠かせない職種のため、リサーチャーという仕事が世の中からなくなるということはありません。
メディアの増加・多様化により、ますます求められる職種のひとつといえるでしょう。
また、腕を認められた敏腕リサーチャーは、独立してフリーランスとなり自身で仕事を取って来られるようになったり、会社を立ち上げるケースや、演出家やプロデューサーに認められて放送作家になるケースもあります。
そういう意味では、将来性は決して暗くはなく、実力次第ではしっかり存在感を示していくことができる仕事だといえるでしょう。