【2021年版】放送作家の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「放送作家」とは

テレビ・ラジオ番組の企画を考え、各シーンで使われるセリフやナレーションを台本に書く。

放送作家の仕事は、テレビやラジオの番組の構成を考えることです。

担当する番組は、バラエティ、音楽番組、ドキュメンタリーなどさまざまで、ドラマや報道以外のすべてのジャンルになります。

プロデューサーやディレクターなどと番組の企画案を考え、アイデア出しをし、会議で決まったことを企画書にまとめていきます。

放送作家になるために、学歴や資格は必要なく、決まったルートもありません。

現在活躍している放送作家の経歴もさまざまですが、この業界ではコネクションが大事になるため、放送作家の養成スクールで学びながら人脈をつくるのも有効です。

個人の能力や感性などが重視され、売れる・売れないがハッキリとわかる厳しい世界ですが、多チャンネル化やインターネットでの番組配信などにより、放送作家の需要は大きくなっています。

「放送作家」の仕事紹介

放送作家の仕事内容

テレビやラジオ番組の企画を立て、台本を作成する

放送作家の仕事は、テレビやラジオ番組の台本を書くことです。

バラエティや音楽、ドキュメンタリーなど、私たちが普段目にするテレビ番組には、どのような内容のものでも台本が存在し、それに沿って収録が進められています。

放送作家の仕事は「企画会議」から始まります。

そこでは、テレビディレクターやテレビプロデューサーなどと意見を交わし合いながら番組の企画案を考えていき、決まったことを企画書にまとめていきます。

その後、番組全体の構成や、出演者が話すセリフ、場面の設定、ナレーションなどを考え、台本として仕上げていきます。

美術担当など制作現場のスタッフとも打ち合わせを重ね、企画を実現させるための意見を出しながら、収録を進めます。

番組の方向性を左右する重要な役割を担う

放送作家は、番組制作における「ブレーン」としての役割を担います。

番組の企画を考えていく際には、各スタッフの意見がまとまらず、アイデアが煮詰まってしまうようなこともよくあります。

そのような際に、過去の番組作りでのノウハウや、視聴者が求めていることを的確に発言するのも放送作家の大切な役割です。

放送作家は事務所に所属、もしくは個人で活動する人も多いですが、ディレクターなどの番組制作スタッフにとっては非常に頼もしい存在となります。

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放送作家になるには

さまざまなルートで放送作家になる人がいる

放送作家になるための方法は、これといって決まったものがありません。

テレビディレクターなどとは異なり、テレビ局への入社が前提になるわけでもないため、現在活躍中の放送作家の経歴もさまざまです。

ただ、一般的なルートとして、以下のようなケースが考えられます。

・放送作家の養成スクールで学び、コネクションを作って仕事をもらう
・制作会社のADを経験後、放送作家に転身する
・自分で書いた企画を制作会社に持ち込んでデビューを目指す

このほか、脚本家や芸人など他の職業から転身する人、すでに第一線で活躍している放送作家に弟子入りする人などもいます。

人脈づくりにも注力を

放送作家の世界では、人脈やコネクションが非常に重要になってきます。

もちろん、実力も必要ですが、いくら台本を書く高い能力があっても、それが関係者の目に留まらなければいつまでたってもデビューはできません。

そのため、放送作家になるために勉強中の人は、人脈づくりも積極的に行うとよいでしょう。

放送作家の養成スクールで学んだり、企画を積極的に事務所に応募したりと、主体的にアクションを起こす努力が大切です。

テレビADのアルバイトなどで番組制作の現場に入り、顔を広げておくのもよいでしょう。

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放送作家の学校・学費

放送の専門学校や放送作家の養成スクールがある

放送作家として働くにあたって、学歴そのものはそこまで重視されません。

ただし、この仕事では確かな文章力や語彙力、豊かな発想力、幅広い一般常識などが求められます。

それらを身につけるために、大学や専門学校への進学を検討してもよいでしょう。

大学の学部は問われませんが、文系出身者が多いようです。

専門学校では、放送関連の勉強ができる学校を選ぶのがおすすめです。

番組制作や演出、企画の出し方、台本書きの基礎などについて学ぶことができるため、身につけた知識・経験をそのまま仕事に生かしやすいでしょう。

このほか、数は少ないですが放送作家の養成スクールもあります。

そこでコネクションをつくって仕事をもらう人や、才能がを開花させて放送作家デビューにつなげる人もいます。

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放送作家の給料・年収

実力と人気によって収入は大きく異なる

放送作家の給料・年収は、人によってかなりバラつきがあります。

年齢や経験年数によっても異なりますが、それ以上に個人の能力や実績が収入に大きく反映されやすい職業だからです。

キャリア豊富な人気放送作家の場合は、担当番組1本あたり、40万円ほどもらえる人もいるといわれています。

単純計算で、週にレギュラーを10本抱えているとすれば、1ヵ月の収入は400万円、年収にすると4000万円を超えることになります。

しかし、もちろんこれだけ稼げる放送作家はほとんどいません。

駆け出しの人や、放送作家の弟子として働いている場合は月収10万円~15万円程度ということもあります。

福利厚生はほとんどないに等しい場合も

放送作家はフリーランスで活動する人が多い職業であり、会社員のような福利厚生は期待しづらいです。

事務所や制作プロダクションなど会社に雇われて働く人もいますが、待遇面に期待して働くのは厳しいと考えておいたほうがよいでしょう。

生活は不安定になりがちで、自分の腕で勝負しなくてはならない厳しさがありますが、評価されれば次々と仕事が舞い込み、収入を大きくアップさせられるチャンスを掴める職業です。

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放送作家の現状と将来性・今後の見通し

時代の変化にどう対応していくかかも問われる

「テレビ離れ」といわれて久しい世の中ですが、それでも各放送局では、早朝から深夜まで多種多様な番組を放送しています。

また、近年ではCS放送などの多チャンネル化が進み、番組数自体は増えている状況です。

番組の数だけ、放送作家のニーズがあるといっても過言ではなく、考え方によっては放送作家は非常に将来性がある職業といえるでしょう。

しかしながら、放送作家として安定的に稼いで生きていくのは大変なことです。

個々の実力で評価される仕事ですし、「この人の作る番組はおもしろくない」「視聴率が取れない」「人間性に問題があるので一緒に仕事をしたくない」と思われれば、あっというまに仕事がなくなってしまいます。

放送作家として長く活躍するには、一時の成功にあぐらをかかずに努力を続けることや、周囲に信頼される人間性を兼ね備えることが不可欠です。

昨今では、インターネット動画配信番組の構成を手掛けたり、トーク力や演出力を生かして自ら番組に出演したりする放送作家もいます。

SNSなどのツールを有効に活用し、新しい形の放送も可能な時代です。

「新技術にいかに対応していくか」の視点も、これからの放送作家には求められるでしょう。

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放送作家の就職先・活躍の場

自由業として個人で働く人も多い

放送作家の就職先や働き方はさまざまです。

放送作家の専門事務所に就職する人もいますが、放送作家養成スクールで学ぶうちに個人でデビューする人もいます。

ラジオ番組の場合は、ADと兼務して台本を書いたり、ネタ投稿をするリスナーから放送作家になったりする人もいます。

このほか、芸人のブレーンになり(通称:座付き作家)、その芸人が出演するテレビやラジオの放送作家を担当することもあります。

この場合は、個人事務所を設立したり、芸人と同じ芸能事務所に所属したりすることが一般的です。

いずれにしても自由業(フリーランス)として働く人が多い職業で、雇われて安定的に働くといった一般的な会社員とはやや毛色が異なります。

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放送作家の1日

毎日違うスケジュールで動くことも

放送作家は、担当するテレビやラジオ番組の企画を練り、台本を作っていきます。

打ち合わせ、台本執筆、収録立ち合いなどが毎日不規則に入り、忙しく動き回っている放送作家も多いです。

勤務時間も長くなりがちで、仕事が立て込んでいると休みも思うようにとれません。

ここでは、テレビ局で働く放送作家のある1日を紹介します。

9:00 テレビ局で担当番組Aの打ち合わせ
12:00 番組のスタジオ収録に立ち会う
13:00 制作会社にて担当番組Bのオンエア試写
16:00 空き時間に図書館でナレーション原稿の改訂
17:00 テレビ局で新番組の企画会議
15:00 放送終了後、反省会
16:00 事務所に戻り、台本作成
18:00 担当番組Bの企画会議
21:00 喫茶店にて企画書作成
23:00 ラジオ局で生放送の準備
27:00 生放送終了
28:30 帰宅後、企画書の仕上げ

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放送作家のやりがい、楽しさ

視聴者やリスナーに、よい作品を届ける喜び

放送作家は、忙しく働く人が多いです。

人気が出て仕事が増えてくると、プライベートの時間が少なくなったり、寝る時間も減ったりするほどに多忙を極めますが、それでもイキイキと働いている人が多い印象です。

その理由は、放送作家には「よい作品を視聴者やリスナーに届けたい!」という強い気持ちがあり、仕事でそれを満たせている実感があるからでしょう。

自分の考えたアイデアや言葉が「番組」という形となり、多くの人に届くのは放送作家の仕事の醍醐味です。

経験を積んで売れっ子作家になると、ディレクターなど制作スタッフからも頼りにされますし、あちこちから声がかかり、ますます仕事が楽しくなっていくでしょう。

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放送作家のつらいこと、大変なこと

多忙な時期は休めず、心身を酷使することも

放送作家として働くうえで最も大変なのは、体力の問題です。

放送作家は、資料読みやロケハン、会議・打ち合わせ、収録、生放送、ロケなどをこなしながら番組用の台本を書き、その合間にも新企画の提案書作りなどの作業を行います。

限られたスケジュールの中、同時進行でいくつもの案件が動いており、食事や睡眠などの時間が思うように取れないこともあります。

仕事が大好きで、やりがいを感じている人が多いからこそ、つい働き過ぎてオフの時間を疎かにしてしまう人も多いです。

それでも、まだ前向きに取り組めているのならよいのですが、なかなか評価されずに精神的に参ってしまったり、あまりに多忙で疲弊してしまったりする人もいるのが現実です。

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放送作家に向いている人・適性

テレビが好きで、言葉で表現することも好きな人

テレビやラジオの番組は、視聴者を楽しませるために作るものです。

ですから「アイデアを出して他人を喜ばせることが好き」「自分の考えを表現することが好き」な人は放送作家に向いています。

もちろん、日ごろからテレビをよく見ており、番組作りに強い関心が持てることも重要な要素の一つです。

放送作家になると、次から次へとアイデアを出していかなくてはなりませんし、新しい視点や、広い視野で物事を見ることも大切になってきます。

アイデアマンで、おもしろい企画を考えられる人は放送作家の適性があるといえるでしょう。

加えて、他人から一緒に仕事をしたいと思われるような社交性や豊かな人間性、コミュニケーション能力のある人も放送作家向きです。

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放送作家志望動機・目指すきっかけ

自分ならではのエピソードを大切に

放送作家を目指す人の多くは、学生時代からテレビやラジオに親しんでいたり、大好きな番組がきっかけになっていたりするケースがほとんどです。

なかにはラジオ番組の熱心なリスナーとしてハガキやFAX、Twitterなどでメッセージを送っているうちに、番組作りに参加する喜びを感じるようになったと話す人もいます。

放送作家を目指すのであれば、志望動機は優等生的な内容よりも、独自性のあるエピソードを大切にしましょう。

また、この仕事はミーハーな気持ちだけではなかなかうまくいかず、いざ放送作家の卵としてデビューしても、現実の厳しさに打ちのめされてしまう人も多くいます。

完全な実力主義であるため、大勢のライバルの中でも「自分は負けない」と思える熱心さや、番組作りにかける情熱を持ち続けることが大切です。

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放送作家の雇用形態・働き方

事務所への所属のほか、フリーランスで働く人が多数

放送作家の雇用形態・働き方はさまざまです。

放送作家が所属する事務所やプロダクションに所属している人もいれば、どこにも雇われずにフリーランスで活動している人もいます。

なかには芸人のブレーン(通称「座付き作家」)になり、自分で事務所を立ち上げるなどして、その芸人が出演するテレビやラジオの放送作家を担当する人もいます。

いずれの場合にも共通するのは、テレビやラジオ番組は「結果がすべて」であることです。

世間の反応が悪ければ続けていくことはできないため、放送作家は、常に自分の担当番組の評判を気にしています。

たとえ事務所に所属する作家であっても、実力次第では仕事がもらえなくなってしまうため、非常にシビアな世界だといえるでしょう。

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放送作家の勤務時間・休日・生活

変則的な働き方をすることも多い

放送作家は、一般的な会社員のように、毎日決まった時間帯に働くわけではありません。

担当番組の会議やロケ、スタジオ収録、生放送の予定に合わせて臨機応変な動きが求められ、早朝や深夜に仕事をすることも多々あります。

そのため、たとえ事務所に所属する放送作家であっても、日々流動的なスケジュールで仕事を行うことになります。

担当番組の進行状況によっては、まとまった休みがなかなかとれない時期もあるため、うまくメリハリをつけて休息の時間も取り入れることが大切です。

ただ、この仕事をしていると、生活のいたる所に番組企画の種が落ちていることに気づきます。

このため、たとえオフの時間でも、完全に仕事のことを忘れることができないと話す人も多いです。

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放送作家の求人・就職状況・需要

需要はあるもののチャンスを掴める人はわずか

近年、テレビやラジオ業界を取り巻く状況は、やや厳しいものがあります。

コスト削減の流れから制作スタッフの数を減らしていく方針をとる現場が多く、ラジオ番組の場合、ADやディレクターが放送作家の業務を兼任している場合も少なくありません。

こうしたなか、確実に数字がとれそうなベテランの放送作家が優遇される傾向にあり、新人放送作家の活躍の機会が減少傾向にあるのが実情です。

しかし、インターネットでの番組配信などによってテレビの番組数は増えているため、放送作家の仕事はそれなりの需要があります。

斬新な発想ができる若手を求める現場もあるため、あきらめずに地道に努力を重ねて、業界内で顔を売っていく努力が大切です。

自分が得意とするジャンルや「これだけは負けない!」といえるような強みを持っていると評価されることがあります。

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放送作家の転職状況・未経験採用

未経験でもセンスや能力次第で活躍できる可能性はある

放送作家は、学歴や資格が必要とされる職業ではありません。

このため、たとえ未経験であってもセンスや能力次第では十分に転職可能です。

実際、お笑い芸人やテレビのディレクターなど同業界の中で経験を積んだ人が放送作家に転職することもありますし、ラジオ番組でしょっちゅうハガキが読まれる「ハガキ職人」が、声をかけられて放送作家として働き始めることもあります。

「定年退職」の概念がない業界だからこそ、年齢を理由に転職をあきらめる必要もありません。

とはいえ、若い人材はどんどん出てきますし、厳しい競争の中で生き残る努力をしなくてはなりません。

すぐにバリバリと活躍できることのほうが珍しい世界であるため、いかに情熱を失わず、地道な努力や行動を続けられるかが重要といえます。

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放送作家と構成作家の違い

ほぼ同様の意味で使われることもある

「放送作家」とよく似ている職業が「構成作家」です。

どちらもテレビやラジオの番組制作に関わる職業で、ほぼ同じ意味で使われることも珍しくはありません。

ただ、あえて双方を使い分けるときには、以下のような意味をもつことが多いです。

・放送作家:番組の演出や出演者の台詞、ナレーションなどを中心に書く
・構成作家:番組全体の流れや各コーナーの企画などを具体的に考える

こう使い分ける場合には、構成作家のほうが、ディレクターなどの番組制作スタッフにより近いニュアンスをもつといえます。

とはいえ、放送作家が番組の企画や構成を考えることも、構成作家がセリフやナレーションを考えることもあります。

なお、ラジオ業界においては、昔から構成作家という言葉が単独でよく使われています。

基本的に生放送が主体のラジオの構成作家は、番組ディレクターの意図を組みながらリスナーからの反応に即座に対応し、番組の舵取りを行っていきます。

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