審判の現状と将来性

審判の現状

最近はスポーツの判定に、ビデオやハイテク機器を使ったチェック制度が導入されはじめています。

たとえば野球の世界では、アメリカのメジャーリーグで以前から監督が申告すれば審判の判定を映像で再確認できる「チャレンジ制度」があります。

日本のプロ野球では映像を確認できるのはホームランをめぐる判定に限られていましたが、2018年には日本でもアメリカの「チャレンジ制度」と同じような「リクエスト制度」が導入されました。

リクエスト制度では1試合につき2回まで各監督にビデオ確認を要求する権利が与えられており、判定が覆らなかった場合は「2回」の権利が1つずつ減っていくルールです。

サッカー界でもワールドカップなどの国際大会ではハイテク機器によるゴールの判定が行われており、近年は「VAR」と呼ばれるビデオ判定制度も世界的に導入される流れとなっています。

スポーツの判定にビデオでの確認が導入されるようになってきたことは、審判にとっても大きな変化といえます。

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審判の今後の動向

ビデオやハイテク機器を使った判定の確認制度を導入することについては、賛否両論があります。

賛成意見の代表的なものは、「人間が判定すれば、どうしても誤審は起きる。ビデオやハイテク機器を導入して誤審を減らすべき」というものです。

一方で、反対意見の代表的なものとしては「誤審も含めて、それが人間のするスポーツ」という意見や「審判の権威、尊厳を損なう」、「審判の技術向上が妨げられる」といったものなどがあります。

しかし、現実には大きな大会で誤審が起きるたびに、ビデオやハイテク機器による判定の導入を求める声が高まります。

実際、すでに大相撲、テニス、ラグビー、ボクシング、柔道、レスリング、スピードスケートのショートトラック、バレーボールなど、多くの競技でビデオ判定が導入されています。

最近はビデオの性能が上がるとともに機器の導入費用も下がってきているため、ビデオ判定導入の流れは各スポーツで加速することが予想されます。

審判の将来性

どんなに技術が進歩しても、審判という職業がなくなることは考えにくいでしょう。

長い目で見れば、技術が進歩すれば審判の人数が減るなどする競技が出てくる可能性はありますが、人の目によるジャッジがまったくなくなることは考えにくいです。

むしろ、国内での人気がプロ野球に集中していた時代と比べて現在は人気競技が多様化していますから、今後は審判も多くの競技で職業として成立していく可能性があります。

Jリーグが誕生する以前にはサッカーの審判だけで生活できる人はほとんどいませんでしたが、現在は専業でJリーグの審判を務める人も多く存在しています。

バスケットボールでもプロリーグの「Bリーグ」が誕生し、バレーボールなどでもプロ化が検討されているだけに、審判が活躍できるフィールドは広がっていく可能性があります。

また、サッカーをはじめとする国際的な競技であれば、近年はさまざまなカタチで海外を舞台に活躍する審判も少しずつ出てきています。