「声優」の仕事とは

声優の仕事内容

アニメ作品や外国映画などの登場人物に声を吹き込む

声優は、アニメ作品のキャラクターや、映画(外国映画)の登場人物などに「声」を吹き込む仕事です。

このような声を吹き込む作業のことを、業界用語で「アフレコ」もしくは「アテレコ」といい、その作品で求められる声を、映像を見ながら当てていきます。

それ以外にも、ドラマやドキュメンタリーの吹き替え、ゲームのキャラクターボイス、テレビ・ラジオのナレーションなど、さまざまな場所で自分の「声」を生かして活躍しています。

声優は、基本的に自分の顔を出して活動をすることはあまり多くありません。

しかし、人気が出てくると歌手としてCDデビューをしたり、コンサート・イベントに出演したり、舞台俳優としての仕事をすることもあるなど、マルチな活躍を見せる人もいます。

声優の就職先・活躍の場

プロダクションに所属する人が多い

プロといわれる声優は、プロダクションに所属して働いている人がほとんどです。

「仮所属」と言われる下積み時代には、仕事の案件ごとに自分でオーディションを受けて、仕事をとってきます。

その後、経験を積んで「正所属」になればマネージャーがつき、仕事を定期的にもらえることもありますが、そこまで成功できる人は限られているようです。

なかにはフリーランスで活躍している声優もいますが、もともとはプロダクションや劇団に所属していた人たちばかりです。

大きな仕事をいくつも重ね、実績と信頼を得た人でなければ、フリーランスの声優になるのは非常に難しいといえます。

声優1日

案件によって1日の流れも変わってくる

声優の勤務時間は仕事によって異なるため、決まったスケジュールがあるわけではありません。

日によって働く時間も変わりますし、仕事がない日が休日になるという考え方になります。

ここでは、アニメの収録を行う日のある1日の流れを紹介します。

10:00 スタジオ入り
監督などと演技についての打ち合わせをします。

10:30 本番収録開始(前半分)
テスト終了後、集中して収録を進めていきます。

12:30 休憩
簡単に昼食をとります。

13:30 本番収録開始(後半分)
午前中と同様に慎重に声を入れていきます。

16:00 全員で「ガヤ」録り
叫び声やざわめきなど、出演者全員の声を収録して本日は終了です。

18:00 アルバイト
新人時代は生活のために、他のアルバイトをしている人も多いです。

22:30 帰宅
早口言葉などの発声練習と翌日のスケジュールを確認します。

25:30 就寝

声優になるには

声優養成所で学んでからプロダクションへ所属

声優になる方法はいくつも考えられますが、一般的なルートとしては、まず声優養成所や声優スクールに入ることです。

それらの場所で声優としての基礎的な知識や技術を身につけてから、声優プロダクションに所属することで、声優の仕事を得るための「オーディション」が受けられるようになります。

養成所に入るにあたっての年齢制限はさほど厳しくありませんが、ほとんどの声優志望者が10代後半から20代前半など、比較的若いうちに入所しています。

なお、養成所に入ったからといってデビューが約束されているわけではありません。

もし能力や適性等が認められない場合は、プロダクションに入れなかったり、長い間オーディションに合格できなかったりする可能性もあります。

声優の学校・学費

声優養成所や専門学校で学ぶ人が多数

声優の養成機関としては、プロダクション付属の養成所のほか、劇団付属の養成所、また専門学校や各種スクールなど、さまざまなものがあります。

こうした学校・スクールでは、声優に求められる正しい発音や発声、呼吸の仕方や演技などについても学びます。

アニメーションのキャラクターの口に合わせて声を出すのにも技術が必要であり、素人が簡単にできるものではありません。

学校によって修業年限や学費には幅がありますが、だいたい1年から2年程度のレッスンを受け、声優に必要なスキルや知識を身につけていきます。

声優の資格・試験の難易度

特別な資格は必要とされない仕事

声優になるにあたって、また声優として働いていくにあたって、資格が求められることはありません。

声優関連の資格に日本声優能力検定協会が実施する「声優能力検定」というものがありますが、これに合格したから声優になれるという類のものではなく、持っていると現場でプラスに評価されることもないようです。

声優は、資格を取るよりも基礎から声優としての技術を磨いていき、オーディションを受けて認められることがデビューへの第一歩となります。

声優の給料・年収

個々の「ギャラ」によって収入には差が出る

声優のほとんどは、「個人事業主」として働いています。

プロダクションや事務所に所属し、「月給」として毎月決まった給料をもらう声優もいますが、多くの声優は事務所と個人事業主としての契約を結び、事務所に手数料を支払うことで、仕事の調整や営業などの管理業務を任せています。

そういった場合、「ギャラ」から手数料を差し引いた分の金額が、声優の給料として入ってきます。

まだ無名の新人のうちは、他の仕事(アルバイトなど)と兼業をしなければ生活していくことは難しいでしょう。

声優のやりがい、楽しさ

自分の声でファンを喜ばせることができること

声優として最もやりがいを感じる瞬間のひとつは、自分が関わった作品の人気が出たり、自分が演じた役に対して良い評価をもらえたときです。

制作スタッフから「良かったよ」と褒めてもらうこともうれしいですが、声優として人気が出てくると、視聴者から直接ファンレターをもらうこともあります。

自分の声で多くの人を楽しませたり、喜びや感動を与えたりできたときには、大きなやりがいを感じることができますし、達成感を味わうことができます。

声優のつらいこと、大変なこと

地道な努力を重ねても成功できるとは限らない

声優の最大の苦労といえば、まず声優として安定的に仕事をもらうのが簡単なことではないということです。

誰もが名前を知っている売れっ子声優は、数多くいる声優のなかでもほんの一握りの存在です。

新人の頃は、一つの仕事をもらうのさえ大変ですし、ほとんどの声優がよそでアルバイトをしながら、毎日地道なレッスンやトレーニングを続け、実力アップに励んでいます。

競争も厳しく、頑張ってもなかなか芽が出ない日には、つらいと感じてしまうかもしれません。

声優に向いている人・適性

豊かな人間性を持ち、さまざまな感情を声で表現できる

声優は、声で人の心を動かす仕事であるため、このキャラクターがいまどんな気持ちであるのかを脚本から読み取る「感受性」と、それを的確に声にする「表現力」が求められます。

また、他人を感動させたり楽しい気持ちにさせたりするためには、まず自分がちょっとしたことにも感動できるかどうかということが重要な要素になってきます。

さまざまなことに興味を持ち、いろいろな体験をしたり美しいものを見たりといった経験を積みながら、豊かな人間を目指していけるような人が、声優に向いているといえるでしょう。

声優志望動機・目指すきっかけ

「憧れの声優になりたい」という思いがきっかけになることも

声優の志望動機は十人十色ですが、よく聞かれるのは、「子どもの頃からアニメが好きで、自分でキャラクターを演じたい」といった気持ちです。

幼少期からアニメに親しんでいるうちに「演じるほうに回りたい」と思うようになり、声優を志すようになったという人が比較的多いようです。

また、もともと憧れの声優がおり、「その人みたいになりたい」という思いをきっかけに、声優という職業を目指していく人もいます。

最近は声優がタレントのような扱い方をされ、メディアに頻繁に顔を出すケースも増えています。

声優の存在は以前よりもずっと身近なものになったといえるかもしれません。

声優の雇用形態・働き方

プロダクションに所属し、個人事業主として活動している

声優は、企業でオフィスワークをする会社員のように、正社員や派遣社員のような雇用形態で働く仕事ではありません。

一定レベルに達した声優の大半は声優プロダクションや事務所とマネジメント契約を結び、さまざまなサポートを受けながら個人事業主として活動をします。

プロダクション所属後は、案件ごとにオーディションを受けてそれに合格することによって、声優として仕事をすることができます。

実力が認められれば多様な仕事をもらえるようになりますが、そこまでたどり着けるのは限られた人だけとなっています。

声優の勤務時間・休日・生活

決められた勤務時間や休日はない世界

声優の仕事は、毎日変化に富んでいます。

その時々に抱えている案件によって、仕事をする時間も休みもバラバラになるのが特徴です。

たとえばアニメの収録ひとつをとっても、制作側の都合や他の出演者のスケジュールなどによって朝から行う日もあれば、夕方からということもあります。

極端なことをいえば、オーディションに受からず仕事がとれなければ勤務時間はなくなります。

一般的な会社員と同じように、平日は毎日朝9時から夕方6時まで働いて土日は休み、といった生活とはまったく違う世界です。

声優の現状と将来性・今後の見通し

スキルアップを続け、活躍の幅を広げるための努力が不可欠

いま、世の中で知名度の高い声優は、多数の声優の卵たちのなかでもほんの一握りの人であることを知っておく必要があります。

この世界で成功するのは大変で、実際、アルバイトをしながら何年もオーディションを受け続けている人は多くいます。

ただし、アニメの制作数は増加傾向にあり、ネット配信やCS放送などアニメが流される場所も増えています。

ナレーションなど他の領域でも声優が必要とされる場は多く、実力さえあれば年齢問わず活躍できる仕事であるため、地道にスキルアップし、仕事を掴み取ろうとする熱意が不可欠であるといえるでしょう。