舞台や演劇に関わる仕事の種類(15選)

観客として足を運びながら「いつかはあの舞台に立ちたい」と夢見ている人もいるのではないでしょうか。
今回は、ミュージカルやお芝居、伝統芸能やお笑い、サーカスなど、さまざまな舞台や演劇に関わる仕事がテーマです。
出演者だけではなく演出や技術スタッフの仕事内容についても、詳しくご紹介しましょう。
ミュージカルやお芝居の出演者
劇団四季や宝塚歌劇団など、日本には人気のある劇団がたくさんあります。
このような劇団を愛する人が憧れるのは、ミュージカルやお芝居のステージに出演する仕事でしょう。
主役から脇役まで、さまざまな役柄を演じてストーリーを表現するのは「俳優・女優」。
テレビドラマや映画専門に活躍する人もいれば、幅広い演技力を生かして舞台にも出演する人もいます。
舞台専門で活躍している人の場合は、「舞台俳優(劇団員)」と呼ばれることが多いですが、俳優や女優との明確な区別はありません。
アニメやマンガのキャラクターを演じる朗読劇では、「声優」が出演することもあります。
どの仕事も、発声や演技、歌などのスキルはもちろんのこと、その世界観に入り込むだけの想像力や表現力が欠かせない仕事です。
デビューしていきなり主役をもらえるわけではなく、最初のうちは端役から始めてコツコツと実績を積んでいきます。
大きな役がもらえるようになるまでに何年もかかることが多く、なかには芽が出ないまま辞めていく人もいます。
華やかに見える一方で、厳しい実力主義の世界です。
俳優・女優とは、テレビドラマや映画などの作品の登場人物を演じる人のことです。 活躍の場は、テレビやラジオのほか、映画や舞台まで多岐にわたります。 演技を通して見る人の感情を揺さぶり、作品の世界観を描いていきます。 資格や学歴は必要ありませんが、多くの人はドラマや映画のオーディションを受け、芸能事務所に所属して仕事を獲得していきます。 新人時代は厳しい生活になる覚悟も必要ですが、有名になれば次から次へとオファーが舞い込み、多方面で活躍できる可能性が広がっていくでしょう。 舞台俳優や劇団員の仕事は、舞台や映画などに出演し、その作品の登場人物を演じることです。 作品には脚本や台本があり、それを見た上で作品全体の背景や意図などを自分なりに考えます。 演出や監督の意図をしっかりと理解したうえで、セリフを覚え、声と身体を使って登場人物の動きや心を表現します。 特定の劇団に所属することもあれば、芸能事務所に所属しながらさまざまな舞台に出演することもあります。 声優とは、アニメーション作品や外国映画の登場人物などに、声を吹き込む人のことです。 女優や俳優が全身を使いながら役柄に合う演技をするのに対し、声優は自分の「声」を使って、作品にふさわしいキャラクターを演じていきます。 活躍の場はアニメやゲームなどの作品やラジオが中心です。 最近では、声優による朗読劇やトークショーなども人気があり、舞台での仕事も増えてきています。俳優・女優
舞台俳優(劇団員)
声優
伝統芸能やお笑いの出演者
舞台というと演劇のイメージが強いかもしれませんが、実際にはさまざまなジャンルの舞台があります。
たとえば、若者にはお笑いのライブが人気ですし、年配の方には歌舞伎や落語の公演が人気です。
ここからは、伝統芸能やお笑いの出演者となる仕事についてご紹介します。
まずは日本の伝統芸能の代表格ともいえる「歌舞伎役者」です。
最近の歌舞伎役者はドラマや映画などでも俳優として活躍しているので、名前を知っている人も多いのではないでしょうか。
歌舞伎と同じ日本の伝統芸能のひとつであり、寄席でお客さんを笑わせることを使命とする「落語家」もいます。
コントや漫才、モノマネなどのギャグでお客さんを笑わせるのは「お笑い芸人」です。
この他にも、ステージから多くの人に笑顔を届ける仕事はたくさんあります。
手品やトークで観客に感動と驚きを届ける「マジシャン」。
ジャグリングやバルーンアートで観客を喜ばせる「大道芸人」。
空中ブランコや曲芸などの人間離れしたワザで観客を魅了する「サーカス団員」。
どれもスペシャリストとしての高い技術を持つ人しか成功することのできない仕事といえるでしょう。
スポットライトを浴びて輝き、たくさんの拍手や笑い声に包まれる喜びを味わうことができるのが、こうした仕事の最大の魅力です。
歌舞伎役者は、日本の伝統芸能である歌舞伎を演じる人のことをいいます。 日本舞踊、立ち廻り、発声、礼法といった基本を日々の稽古で身につけ、舞台で観客を楽しませます。 歌舞伎役者は原則、世襲制をとっており、芸名は名跡(みょうせき)と呼ばれ代々受け継がれます。 ただし、国立劇場に付属する伝統芸能伝承者養成所で2年間修業するか、歌舞伎役者に弟子入りを志願して努力をすれば、外部から歌舞伎役者になることも不可能ではありません。 歌舞伎界は深刻な人材不足に直面していることから、今後は歌舞伎の家以外の生まれの役者にもチャンスが広がる可能性があります。 落語家とは、滑稽噺や人情噺などの「落語」を演じる人のことです。 落語は伝統芸能として古くから親しまれており、寄席に出て、ひとり何役もこなす噺を披露します。 話術を生かしてテレビやラジオに出演することもあります。 個人差は生じますが、師匠に弟子入りしてから「真打」になるまでに、4年程度の「見習い」「前座」、また10年程度の「二つ目」という修行期間があります。 上方では真打制度は消滅していますが、流れは変わりません。 人気や実力により収入は左右されるため、落語の稽古や研究は生涯欠かせません。 お笑い芸人は、コント・漫才、ものまね、落語などのネタを披露して人々を笑わせる仕事です。 テレビやラジオ・雑誌・インターネット、舞台など、さまざまな場所で活躍できる可能性があります。 東京や大阪などの大都市にはお笑い専用の劇場があり、多くの芸人たちがステージに立っています。 劇場での公演は観客との距離が近く、笑い声や拍手などの反応をダイレクトに感じられるのが醍醐味です。 マジシャンとは、マジック(奇術・手品)を披露し、お客さまを楽しませる人のことです。 ショーやイベントなどでさまざまなマジックを演じて、お客さまにワクワクや驚き、感動などを与えます。 マジックには、カードやコインなどの道具を使ったものから、ステージ上での大がかりな装置を使ったものまで、さまざまなものがあります。 マジックの実力だけではなく、トークでショーを盛り上げることができるパフォーマンス力や、人付き合いを通して仕事を広げるための営業能力も重要です。 大道芸人は、さまざまな芸を見せて観客を喜ばせる仕事です。 路上や街頭などで行うことが多いですが、イベント会場やテーマパークのステージで公演する機会もあります。 内容はバルーンアート、クラウン(ピエロ)、ジャグリング、パントマイム、舞踏、音楽、マジックなど多種多様です。 芸やパフォーマンスが上手なだけではなく、観客を巻き込んで喜ばせることができる才能も求められます。歌舞伎役者
落語家
お笑い芸人
マジシャン
大道芸人
舞台や演劇の演出スタッフ
舞台や演劇が好きな人のなかには、舞台裏で演出をする仕事に興味がある人もいるでしょう。
人気のある劇団には、役者だけではなく脚本や演出を担当するプロフェッショナルが所属しています。
お芝居の脚本を作り上げるのは「脚本家」と呼ばれる人たちです。
全体のストーリーはもちろんのこと、登場人物のキャラクターやセリフをシナリオとして書き上げます。
脚本家の作ったストーリーに合わせて、役者に演技指導を行うのは「演出家」です。
脚本家が演出家を兼任していることもありますし、劇団員が脚本を書いて自ら出演しながら演出も担当するケースもあります。
さらに、ミュージカルのように劇中にダンスが登場するお芝居の場合は、「振付師」がつくことがあります。
振付師はダンサーとしての実績がある人が採用されることが多く、出演者へのダンスの指導も行います。
演出の仕事は自分自身がステージに上がるわけではありませんが、舞台の成功を決めるうえでのカギを握る重要な仕事です。
実績を積むことで、大きなステージを任せてもらえるようになります。
脚本家とは、映画やテレビドラマ、演劇、ゲームなどの脚本を書く人のことで、「シナリオライター」と呼ばれることもあります。 脚本を書く際には、まずストーリーや登場人物を設定し、そこにセリフや心理描写、登場人物の動きなどを加えます。 監督やプロデューサーなど各方面の関係者との打ち合わせも重要であり、作品のコンセプトに沿った脚本を仕上げていく必要があります。 演出家とは、ドラマや映画、舞台などにおいて、照明、音楽、舞台装置、演技指導などの演出を手がける仕事です。 作品を作る際の総責任者であり、俳優の演技や音楽、照明、美術、カメラワークに対して指示を出し、より効果的な脚色を加えて作品の世界観を作り上げていきます。 演技や舞台芸術に関する知識はもちろん、高い指導力や表現力、脚本解釈のための想像力なども求められます。 独自の世界観や感性が要求されるため、日頃から多くの作品に触れ、センスを磨いていくことが求められます。 振付師は、映画やテレビ、舞台、イベントなどに出演するダンサーや歌手などに、踊りの振り付けをする仕事です。 ショービジネスでは「コレオグラファー」、バレエやダンスの世界では「振付家」と呼ぶこともあります。 現役のダンサーや引退したダンサーが振付師として活動するケースが大半を占めています。 踊りの経験や技術を身につけることは不可欠といえるでしょう。脚本家
演出家
振付師
舞台や演劇の技術スタッフ
最後に、舞台や演劇の舞台裏を支える技術スタッフの仕事についてもご紹介しましょう。
ミュージカルやお芝居を観に行って、その舞台装置の豪華さや緻密さに驚いたことがある人はいるのではないでしょうか。
舞台では、ステージの上で、昼や夜や室内や屋外などさまざまなシチュエーションを表現する必要があります。
役者や観客がその世界観に入り込むためには、素晴らしい美術セットが欠かせません。
こうしたセットを作っているのが「美術スタッフ」です。
さらに、その美術装置をさらにリアルに見せるためには、「照明スタッフ」と「音響スタッフ」の技術が必要です。
ライトの強さを調整したり、BGMや効果音を流したりして、観客を魅了することができる非日常の空間を作り上げてます。
普段は目立たない仕事ですが、こうした技術スタッフの腕があるからこそ、素晴らしい舞台ができあがっていくのです。
美術スタッフは、舞台やテレビ・映画の撮影で使用する舞台装置や小道具を作る仕事です。 建物や街並みのような大掛かりなセットもあれば、小道具を調達することもあります。 技術やセンスが問われるため、デザイン系の専門学校や美術大学でデッサンや造形について学んでから美術制作会社などに就職する人が大半を占めています。 照明スタッフは、コンサートや演劇などの舞台や撮影現場で、照明を用いた演出を手掛ける技術職です。 舞台監督やディレクターなどと打ち合わせながら、使用する照明機材や内容を考え、場のコンセプトや雰囲気、出演者の魅力を引き出すためのライティングを行います。 近年の照明業界では、LEDを使ったもの、映像と音楽を組み合わせたものなど新しいスタイルが次々と生み出されています。 照明スタッフには、時代のニーズに合わせた照明技術を駆使することが求められます。 音響スタッフは、ミュージシャンのコンサートや演劇の舞台、音楽やテレビ、映画の制作現場において、音響全般に関する技術的なサポートをする仕事です。 現場によって「PA」「サウンドエンジニア」「音声さん」「ミキサー担当」などと呼ばれることもあります。 音響スタッフの多くは音響を専門に扱う会社や放送局、番組制作会社、イベント会社、レコード会社などに所属しています。 機材を扱うための知識や技術のほか、音の響きの違いを聴き取る力が求められます。美術スタッフ
照明スタッフ
音響スタッフ
この記事のまとめ
ミュージカルやお芝居、歌舞伎や落語、お笑いやサーカス。
どの舞台も、たくさんの人が力を合わせてひとつのステージを作り上げています。
だからこそ、舞台に携わる仕事には、ここでしか味わうことができない感動や達成感があるのです。
公演が成功したときの観客からの拍手や笑顔、笑い声は、かけがえのない宝物となるでしょう。
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