声優の仕事内容

声優の仕事とは

声優とは、「アニメーション」や「映画(外画)」の吹き替えを担当する仕事です。

アニメや外国人のキャラクターになりきり、そのイメージに合わせて声を使い分けていきます。

声優の活躍の場はアニメや映画のみならず、テレビやラジオのナレーション、ラジオドラマ、ゲームソフトやスマートフォンアプリ、商業施設や公共施設のアナウンスなど幅広い仕事があります。

声優として人気を集めると、CDを発売したりライブやイベントに参加したりする機会もあります。

かつては声優といえば「顔が見えない」存在でしたが、近年では芸能人と同様に人気を集める人もいます。

声優の業務の内容

声優の仕事場の中心となるのは、録音スタジオです。

音が遮断された密室に数本のマイクが立てられ、声優たちはモニター画面に流れる映像を見ながら、自分の出番が来るごとにマイクの前に立って声を吹き込んでいきます。

スタジオのすぐ隣には「ミキシングルーム」と言われる調整室があり、エンジニアや監督、プロデューサーなどが、録音された声の様子をチェックしていき、多くの人と共同でひとつの作品を作り上げていきます。

ナレーションやアナウンスの仕事の場合は、一人で何時間もマイクに向かうことも少なくありません。

声優の役割

かつては声優というと裏方の仕事、影の仕事というイメージがありました。

しかし近年アイドルのように芸能活動をしたり、アーティストとして活躍したりする声優が増えたことで、声優という職業や声優の役割が広く世間に認知されてきました。

映画の吹き替えの場合、声優は既に別な人が演じたものに声を吹き替えるいわば「代役」ともいえる役割があります。

一方、アニメーションの場合はまったくゼロの状態から声を作り演じなければならないため、アニメーションを担当する声優の場合「キャラクターそのもの」としての役割がより強くなり、声優のイメージがキャラクターのイメージに直結することも少なくありません。

声優の勤務先

声優はプロダクションに所属して働くのが一般的です。

下積み時代は「仮所属」とよばれ、仕事の案件ごとに自分でオーディションを受けて、実力で仕事をとってきます。

「正所属」になればマネージャーがつき仕事を定期的にもらえることもありますが、こうした可能性はかなり低く、ほとんどの場合はどれだけ実力があるベテラン声優でもオーディションで役を勝ち取るということを生涯続けています。

フリーランスで活躍している声優もいますが、もともとはプロダクションや劇団に所属し活躍を認められた人たちばかりで、実績と信頼を得た人でなければフリーランスの声優になるのは非常に難しいといえます。

声優の活躍の場

アニメーションのアフレコ

アニメのキャラクターは、それだけではただの「絵」でしかありません。

そこに声優が声を吹き込むことで、生き生きと動き出す個性あふれるキャラクターとなります。

この声を吹き込む作業のことを「アフレコ」もしくは「アテレコ」といい、同じキャラクターでも声優の質や特徴によって、キャラクターから受ける印象は随分と違うものになります。

原作者が持つイメージや意図をしっかりと受け止めることも大切ですが、キャラクターの魅力をどれだけ引き出すことができるかどうかは、声優にかかっているといえます。

洋画の吹き替え

外国で作られた映画やドラマなどの日本語吹き替え版を作るための仕事です。

かつてはハリウッド映画が中心でしたが、近年は韓国ドラマをはじめとした海外ドラマのブームなどもあり、この分野での需要は非常に増えているといわれます。

テレビ番組やCMなどのナレーション

ナレーションの仕事は、番組やCMコンセプトによってさまざまな声が求められます。

キャラクターや登場人物が現れるアニメーションや洋画とは違い、声優の声ひとつで世界観を表現しなければならないため難しさもあります。

ゲームやスマートフォンアプリのキャラクターボイス

近年、とくに需要が増えている分野で、ゲームやスマートフォンアプリに登場するキャラクターの声に対してアフレコを行います。

ゲームやスマートフォンアプリの制作技術が進歩するとともに、声優のアフレコに要求されるレベルも高まり、ときにはアニメーションや映画よりも多いセリフを担当することもあります。

テレビや舞台などでの芸能活動

劇団や毛脳事務所に所属し、舞台俳優や芸能人として活躍しながら声優の仕事を両立させている人もいます。

どちらも自分の身体や声を使って「演技する」という面では共通しているといえるでしょう。

ラジオのパーソナリティ

声優として人気を集めるようになると、ラジオパーソナリティを務めることも多くあります。

ラジオはもともと声だけで相手に情報を届けるメディアのため、声優が活躍するのには最適な場ともいえるでしょう。

音楽活動

自分が声を担当するアニメーションの主題歌などを自ら歌い、CDを出したりライブを行ったりすることもあります。

なかには歌唱力を認められ、アーティストのように活動する人も少なくありません。

声優の仕事の流れ

声優の仕事が決まると、あらかじめ台本を渡されます。

どのような人物を演じるか、どのようなシーンがあるかなどを確認しイメージしておきます。

スタジオに入ると、まずは監督や他の声優と打ち合わせをし、どのような演技をするか、どのようなイメージの声を出すかなど打ち合わせをします。

その後はマイクテストをし、休憩を挟みながら本番の収録を行います。

本番の収録が終わると、NGを出してしまったりリテイクを求められたりしたシーンをもう一度取り直す「部分撮り」を行います。

最後に、「ガヤ」と呼ばれる群衆や雑踏の話声などを全員で収録し、問題がなければ終了します。

声優とナレーターの違い

どちらも声を使って伝える仕事

声優は、アニメや映画の吹き替えをするにあたり、自分の声を使って画面の中のキャラクターに合わせてセリフを読み上げながら役柄を演じ、演じるキャラクターに合う個性的な声を持つ声優が配役されます。

一方、ナレーターは主にテレビ番組のナレーションを担当し、原稿に沿った形で、正しく、わかりやすく、かつ表現豊かに演じることが求められ、ナレーターの場合は、キャラクターを演じることはありません。

映像などで作られた番組の内容に「声」を使って躍動感や説得力を加え、視聴者のより深く心に届けていくことがナレーターの役割です。

ナレーターの仕事

ナレーターは声優の仕事の一部

声を使って表現する仕事を広く「声優」と定義するのであれば、ナレーターも声優の一部として考えることができます。

ナレーターは声優のように演じる部分と、アナウンサーのように正確に伝える部分の両方のスキルが求められ、多岐に渡るジャンルで活躍しています。

番組の内容をより際立たせるために声を吹き込むナレーターに対し、声優は「キャラクターを演じる」という点で、よりその人の個性を押し出す部分が大きいといえるかもしれません。

声優の職業病

アニメのキャラクターを「声優」で考える

声優として働き始めると、アニメを見ているときにも「この声は○○さんが演じているな」と、つい声優の名前を先に頭に浮かべてしまうようになるようです。

洋画の吹き替えの場合も同様です。

ストーリーを追うよりも、誰が演じているのか?役柄の性格をどのように表現しているのか?など、そちらのほうに夢中になってしまうことがしばしばあります。

声優としては、こうした日々の研究が自分の仕事に生きる部分も多々ありますが、純粋に作品を楽しめなくなるという一面もあるといえるかもしれません。

日常生活でも役柄になりきってしまう

声優は、寝ても覚めても自分が担当する役のことを考えていることが多く、ふと気付けば役に入り込んでいます。

そのため、独特の口癖や話し方がある役柄を演じているときには、日常生活でもふと、その言葉遣いが出てしまうことがあります。

事情を知らない人から見れば、「この人は変わり者だな」と思われるかもしれません。

喉の調子が気になる

声優は、声が命です。万が一、収録の日に風邪を引いて声が枯れてしまったり、ひどい鼻声になってしまったら、最悪の場合は仕事にならない可能性もあります。

体調管理は日頃から徹底しなくてはなりませんが、中でも「喉のケア」に関しては、声優が何よりも気を遣うところです。

空気が乾燥しがちな冬場は常にマスクをしたり、加湿器を使って部屋の湿度を保ったり、テレビなどで「喉にいい飴」などがオススメされていると、ついチェックしてしまうようです。

自分の商売道具でもある喉を何よりも大切に考えることは、声で表現をするこの職業ならではといえるでしょう。