声優の年収と収入の仕組みは? 現実の年収は低い?

声優は基本的に個人事業主として働きますが、その技術や知名度によって収入のあり方も変わってくるといえます。

本記事では、声優の平均年収や初任給、収入の上げ方などを紹介します。

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声優を仕事にするのは難しい? 副業が必要?

声優を仕事にするのは難しい?

成功できるのは一握りの人だけ

日本のアニメは世界的にも人気が高く、数々のヒット作品が生まれていることから、自然と「声優」という職業を身近に感じ憧れを抱く人は少なくないようです。

しかし、声優として成功し順調に仕事を続けているのは、ほんの限られた人だけです。

華やかな世界に見えるかもしれませんが、日の目を浴びることなく消えていく人もたくさんいます。

実力こそすべての世界

声優は、自分の声一本で勝負する仕事です。

当然、実力のない人は蹴落とされますが、たとえある程度の技術を持っていたとしても、チャンスを掴むための運や人脈といった要素も関わってきます。

また、俳優とは異なり外見の変化が役の年齢に影響を及ぼしにくい仕事ですから、実力さえあればいくつになっても子供や若者の役をうけることができます。

したがって、若い声優に若い役が回ってくる保証はなく、むしろ変幻自在に声を操るベテラン人気声優に仕事が集中します。

給料(ギャラ)が安い

声優は、仕事ごとにギャランティをもらう形で収入を得ます。

このギャラも実力や経験によって差があり、新人であれば当然高額をもらうことはできません

また多くの声優はプロダクションに所属しますが、個人事業主として活動します。

ですから一般の会社員のように会社からの保証はありませんし、持っていたレギュラー番組が突然打ち切られて収入がなくなることもあります。

高収入を得る声優もいますが、少なくとも駆け出しのうちは平均以下の収入を覚悟しましょう。

声優の副業・アルバイト

新人時代は副業が必要になることも多い

声優としてデビューしたとしても、すぐに人気が出て莫大な収入を得ることはありません。

声優の出演料はランク制で、3年目までの新人の出演料は、30分アニメ1本あたり1万5千円、最高でも同じく4万5千円程度といわれています。

週に数本のレギュラーの仕事がもらえれば、比較的安定した生活ができるかもしれません。

しかし、特筆すべき実績のない新人のうちは希望する仕事ができないどころか、仕事を取ることも一苦労です。

多くの新人声優たちは声優の仕事の他にアルバイトなどをして何とか生計を立てているようです。

声優の仕事に影響が出ない仕事を探す

オーディションの通知が前日に届く、突然仕事が入るといったことは声優にとって日常茶飯事です。

副業をするのであれば、そういったことに対応できるように時間の融通が利く職場や登録制・1日単位の仕事を選ぶとよいでしょう。

声優に関連する副業として、登録制のタレント事務所やエキストラ事務所に所属して活動する人もいます。

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声優の現実の収入はいくら?

声優のほとんどは、「個人事業主」として働いています。

プロダクションや事務所から毎月決まった給料をもらう声優もいますが、多くは個人事業主として事務所と契約を結び、手数料を支払って仕事の調整や営業などの管理業務を任せています。

定額の収入があるわけではないため、どうしても生活は不安定になりがちです。

声優の実際の年収・月収(若手からベテランまで)

誰もが安定した収入を得られるわけではない

声優の多くは歩合制として個人事業主で働いているため、平均を出すことが難しい職業です。

そのため声優の年収は経験や人気、仕事量、仕事の種類などに左右され、個人によって大きく異なります。

人気のある職業ですが、誰もが安定した収入を得られるわけでは無いのが実情です。

平均年収は300万円以下

3人の声優(咲野俊介、岡本麻弥、甲斐田裕子)が立ち上げた有志グループ「VOICTION(ボイクション)」の調査によると、現在日本で「声優」と呼ばれる人は、1万人以上存在しており、そのうち72%は声優としての年収が300万円以下であると回答しています。

とりわけ20歳代、30歳代の若年層の年収は低く、約半数が100万円以下であると回答しています。

出典:声優の収入実態調査/インボイスに関するアンケート

新人のうちは費用もかかる

収入に占める経費の割合を見ると、低収入者ほど高い割合で経費を支出しています。

年収0〜300万円の層で見ると、実に20%の人が100%以上、50%が収入の半分以上の経費を計上しており、声優の仕事だけでは生活が成り立たっていないことがわかります。

これは、声優としての収入が低い新人などがレッスン代などの経費を使う必要がある、といえるでしょう。

声優の仕事の種類とギャラの目安

仕事の種類による違い

・アニメ:1本 約15,000円~45,000円
・洋画の吹き替え:1時間約50,000円
・ゲーム:1文字 約30円~200円(1本15,000円~30,000円)
・ナレーション:1回 約1,000円~10万円以上
・ラジオ:1回 約5,000円~10,000円
・イベント出演(ライブなど):10万円前後

アニメをはじめとした動画関係の仕事は、声優としてのランクで出演料があらかじめ決められており、出演時間やセリフの量に関係なく、1本単位でギャラが発生します。

ゲームの場合は文字数単位でギャラが決められており、新人では1文字30円が目安とされ、ベテラン声優になると、1文字200円にもなります。

一方で、洋画の吹き替え・ナレーション・ラジオにはランクが関係なく、制作側がギャラを設定します。

そのため、新人でも比較的高収入を得られやすいという特徴があります。

ラジオは直接の仕事というよりも、出演したアニメや映画の宣伝や、ファンサービスとして行われることが多く、高額なギャランティは期待できません。

しかし、固定のファンがつけば仕事に結びつきやすいメリットがあり、ファンの声が直接聞けるため、ラジオの仕事を大切にしている声優も多いです。

初任給はどれくらい?

声優事務所に所属している声優は、基本的に完全歩合制で給料が支払われ、仕事が無ければ給料は得られません。

アニメのアフレコの場合、個々の声優のキャリアによってランクが決められており、それに応じてギャラが支払われます。

最低ランクである「ジュニアランク」の場合の30分番組のギャラは15,000円が相場です。

月に4本こなして6万円、手数料や源泉徴収料が引かれると手取りはもっと少なくなります。

作品が再放送されると×約1.8の計算となり、約27,000円が支払われますが、声優としてデビューしてレギュラー番組をひとつ持つことができたとしても、番組が終わってしまえば無収入になります。

そもそも、アニメのレギュラー番組1本でさえ、獲得するのは簡単なことではありません。

駆け出しのうちは他のアルバイトをして生計を立てつつ、地道に小さな仕事をもらいながら経験を積む人が多いようです。

声優の福利厚生の特徴は?

個人事業主として活動する声優は、企業に所属する会社員とは異なり、雇用保険や厚生年金などは適用されませんし、会社の有給やボーナスもありません。

国民健康保険や年金についてなど、さまざまな手続きを自分で行う必要があります。

人気声優の年収はどれくらい?

一般的に声優は年収を公開していませんが、人気が出ると平均年収は900万~1,500万円ほどになることも珍しくないといわれます。

声優のキャリアを積み、さまざまな作品で名前を見かけるような有名声優は、1000万円を超えていると推測されます。

声優として人気が出ると、俳優としてドラマや映画に出演したり、音楽活動をして楽曲をリリースしたりライブをしたりと、声優以外にも活動の幅が広がり、年収はアップしていきます。

また、近年ではアニメ作品がヒットしたことにより一躍人気声優になるという人も少なくなく、声優としての年収は、キャリアに関係なく出演作品が「ヒットするか」という運も関係してきます。

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声優の収入・ギャラの仕組みは?

ギャランティがすべてもらえるわけではない

給料に関しては毎月決まった額をもらえるわけではありません。

1つの案件ごとに設定されるギャラから手数料を差し引いた分の金額が、声優の給料となります。

ただしそこから事務手数料が引かれます。

事務手数料はギャランティの20%から30%程度とされ、そこからさらに源泉徴収分の約10%が引かれるため、実際に声優個人の手元に入るのはギャラの6割程度となります。

新人で約15,000円の仕事をした場合、実際に手元にのこるのは約10,000円前後になることが多いようです。

キャリアによってランク分けされる

声優のランクは日本俳優連合が定めており、アニメの仕事をする際はこのランクによってギャラが決まります。

デビューしてからの3年間はいわゆる新人とされ「ジュニアランク」と呼ばれます。

ジュニアランクでは、作品1本のギャラは約15,000円で、主役級のキャラを演じても、ほとんどセリフがなくても一律です。

ジュニアランクで3年間が経つと、自動的にランクが上がる仕組みになっています。

ここからは「ランカー」と呼ばれ、ランクが上がると作品の尺30分ごとにギャラがもらえるようになり、ランクが1つ上がるごとに1,000円単位で値段が上がります。

一方で、ギャラが高くなりすぎると起用されにくくなるデメリットもあり、ナレーションや吹き替えの仕事をするなど、アニメの仕事以外を増やしていく人もいます。

ノーランク声優とは?

「ノーランク」と呼ばれるいわゆる経験豊富なベテラン声優は、自分で出演料を交渉することができます。

いわゆる言い値で直接交渉ができるランクですが、ノーランクを公表している声優はほとんどいないため、実際の収入がどのぐらいなのかは未知数です。

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声優の収入が低い理由は?

アニメや映画の吹き替えなどの仕事は、もともと舞台俳優や役者がアルバイトで行っているのが基本でした。

そのため、当時のギャランティがそのまま引き継がれており、現代の声優の収入に影響しているのです。

とくに日本のアニメーション作品は低予算で作られているものが多く、費用の多くがアニメーション制作自体に使われています。

そのためどうしても音響制作や声優の部分は削られやすく、ギャランティの安さが定着してしまっているのです。

声優が収入を上げるためには?

活躍の場を広げる

多くの声優は声優の仕事だけでなく、さまざまな分野で活躍をしています。

活躍の場
  • 音楽活動をしてCDを発売
  • ドラマや舞台で役者として活躍
  • 講師として新人の育成

近年はいわゆる「アイドル声優」が人気を集めており、CDや写真集を発売したり、雑誌やテレビへの出演、ライブイベントを開催するなど露出を増やしたりして利益を得ている人も多いです。

また、声優の仕事の中でもパチンコやゲームの仕事は、アニメの仕事と違うギャランティが設定されているため、高額収入につながりやすく、こうした仕事をメインにする声優も多くいます。

フリーランスになる

事務所やプロダクションに所属すれば安定して仕事をもらいやすいですが、所属手数料を支払うためどうしても手取りは少なくなります。

また、事務所と考えが異なった場合、自分が好きな仕事ができなかったり、自分の意にそぐわないイメージで売り出されたりすることもあります。

フリーランスとなれば、ギャランティはすべて手元に入りますし、好きな仕事を選ぶことができますが、一方で営業も自分で行わなくてはならないというデメリットも考えなくてはなりません。

主役級のキャラクターを演じる

ランク制度では、出演するアニメの話数が多ければ多いほどギャランティはアップします。

脇役よりも、毎話出演するようなメインキャラクターを演じれば、収入を上げることができます。

もちろん高い演技力が求められますが、経験を積んでオーディションを勝ち抜く実力さえあれば、決して夢ではありません。

インボイス制度が声優に与える影響は?

声優の多くは個人事業主として働いており、自分自身で領収書などを発行している場合には、インボイス制度がおおきな影響を及ぼします。

インボイス制度が導入された場合、これまでより多くなる課税により収入が減少する可能性があります。

「VOICTION」の調査では「インボイス制度が導入された場合、ご自身の声優としての仕事は増減すると思いますか?」という問いに、53%が「減ると思う」、そして23%が「廃業するかもしれない」と回答しています。

現在では、所属している事務所や取引先などから制度の説明がないなど、声優個人に対してのサポートがまだ不十分な状況です。

多くの声優が廃業に追い込まれれば、日本アニメ界の衰退を招きかねず、今後の動向が注目されています。

声優の給料・年収のまとめ

声優の多くは歩合制として個人事業主で働いているため、平均を出すことが難しい職業です。

声優のアニメのギャランティはランク制度によって決められており、最初の3年間はみな最低ランクである「ジュニアランク」とされ、この場合の30分番組のギャラは約15,000円です。

ランクが上がるにつれギャランティも上がっていきますが、声優として成功する人はほんの一握りであり、人気声優であっても、年収1000万円を超えるのはなかなか難しいといえます。

収入アップの方法としては、音楽活動や俳優業など、声優以外の分野に活躍を広げたり、人気と実力をつけてフリーランスになったりすることが挙げられます。