テレビ局で働くには? 就職試験やインターンについてくわしく解説
しかし、人気の高い業界であるため、採用は競争率が高くなる傾向があります。
そのため、漠然とテレビ局に就職したいと思うだけでは、採用を勝ち取ることは難しいかもしれません。
テレビ局ではどのような仕事が行われているのか、どのようなスキルや知識が求められるのかを解説します。
テレビ局採用試験の流れ
テレビ局の新卒採用は、通常、年に一度行われます。
応募に特別な資格や免許は必要ありませんが、一般的には四年制大学以上の学歴を求められます。
就職試験は、他の企業と同様に、書類審査(エントリーシート)から始まります。エントリーシート合格者のみが次の試験に進むことができます。
二次試験では、面接や時事問題の筆記試験、ディスカッションなどが行われたり、ディレクターを目指す人は、番組の企画を立てたりする試験が行われることもあります。
またアナウンサーを目指す人は、スタジオで原稿を読むカメラテストがあるため、発音のトレーニングなどの準備が必要です。
テレビ局の試験は他の業界とは少し異なるため、試験の内容や傾向を勉強し、心構えを持って臨むことが重要です。
テレビ局の採用試験は非常に難関
テレビ局の新卒採用試験は、非常に難しいものとして知られています。
特に、フジテレビやテレビ朝日などの有名なキー局は、合格倍率が数百倍から数千倍にもなります。
エントリーシートの段階で多くの受験生が落とされるため、一次面接に進むだけでも難しい状況です。
そのため履歴書や自己PRは十分に準備して、書類を作成することが重要です。
とくにアナウンサーは人気職であり、さらに難易度が高くなります。
採用される人数もほかの企業と違いごくわずかと限られているため、多くの人が複数のテレビ局に応募し、受験する傾向があります。
試験突破には業界研究が必須
就活を成功させるためには企業研究も重要です。
各テレビ局には特色やカラーがあり、それぞれが得意とするジャンルや番組の傾向があります。
たとえばNHKは公共放送であり、報道・ドキュメンタリー番組が充実しています。
フジテレビは、バラエティ番組やエンターテインメント番組に力を入れており、多様なバラエティ企画やバラエティタレントの育成に力を注いでいます。
このようにテレビ局ごとに独自の番組や企画が存在し、多種多様なジャンルを手がけています。
各テレビ局の公式ウェブサイトや番組表を調べることで、より具体的な番組や企画内容を把握することができます。
また、大手キー局・準キー局・地方局など規模によってもそれぞれ特長があります。
しっかりと企業研究をし、自身の夢や目標に合致するテレビ局を選ぶことで、より採用されやすくなるでしょう。
20代で正社員への就職・転職
テレビ局社員になるためには大卒が必須
テレビ局の採用試験では、一般的に四年制の大学卒業が求められるため、テレビ局で働くには大学進学が必要です。
これはテレビ局に限らず、マスコミ業界全体に共通しています。
学部の選択には厳密な規定はありませんが、アナウンサーやディレクターなど言語を活かす仕事には文系学部出身者が多く、カメラマンや音声スタッフなど技術職には理系学部出身者が多い傾向です。
最近では、専門的なマスコミ学科を設置している大学も増えていますが、必ずしもその学科に進学する必要はありません。
また、アナウンサー志望者は大学に通いながら専門のアナウンス学校にも通う人も多く見られます。
テレビ局が提供しているアナウンススクールでは、発声や発音について徹底的に学べるため、学生たちから人気です。
テレビ局に就職するためにはどんな学校に行けばいい?(学歴・大学学部)
テレビ局でインターンをするには
学生でも番組制作に参加できる
テレビ局では、学生向けにインターンシッププログラムを実施している企業もあります。
インターンシップとは、大学生が実際の職場での経験をするためのプログラムで、仕事に興味を持つきっかけや就職活動に役立つ情報を得ることができます。
テレビ朝日では、「クリエイターズインターンシップ」というプログラムがあり、9月上旬から中旬にかけて約1週間行われます。
参加者はテレビ朝日の番組制作部門に配属され、バラエティ、情報、スポーツ、ドラマなどの番組制作に実際に携わるプログラムです。
参加対象は四年制大学以上の大学生や大学院生で、参加費は無料ですが交通費は自己負担となります。
インターンの参加には選考がある
テレビ局のインターンシップは非常に人気があります。
毎年志望者数が多いため、参加できるのは選考で選ばれた限られた人だけですので注意が必要です。
一般的に、キー局では30人程度が参加できるケースが多いです。
参加者は履歴書やエントリーシートを提出し、選考されるので、自分の志望動機や挑戦したいことを具体的にアピールできるようにしましょう。
また、テレビ局によっては夏と冬の年2回開催されることもあります。
さらに、職種によって時期や内容が異なるため、まずは自分が希望する職種を決めることから始めましょう。
インターンで仕事を具体的にイメージする
学生がテレビ局のインターンに参加することには大きなメリットがあります。
まず、現場を自分の目で確かめることで、具体的な仕事のイメージを持つことができます。
大学時代にテレビ局でのアルバイトを経験する人はほんの一部であり、ほとんどの学生は番組制作の現場を知らずに就職活動を進めています。
しかし、入社後に「イメージと違った」と感じたり、自分に合わないと感じたりすることがあります。
そのため、学生時代に就業体験をすることは非常に重要です。
もう一つのメリットは、インターンを通じて社員や同じ志を持つ学生と交流できることです。
優れたディレクターや著名なアナウンサーなどと話をすることで、大きな刺激を受けることができます。
また、他大学の同級生と交流すると、自分に足りないものや成長すべき点の発見が可能です。
このようにさまざまなメリットがあるため、将来のキャリア形成に向けて、積極的な参加をおすすめします。
インターンで優遇されるわけではない
インターンに応募する人にとって採用活動との関係は気になるポイントでしょう。
一部のケースでは、インターンでの好印象が就職試験での選考に優遇される場合があります。
しかし、インターンに参加しなかった人でも内定をもらうケースも多々あります。
テレビ局は報道に関わる機関であり、公平性を重視するため、不透明な採用は避けているのが実情です。
インターンに参加しても、必ずしも優遇されるわけではありません。
単純に内定を得るための手段ではなく、自身の成長と将来のキャリア形成に役立つ貴重な機会ととらえておくとよいでしょう。
20代で正社員への就職・転職
テレビ局社員に向いている人の特徴
テレビが好きな人
テレビ局の社員にはテレビが大好きな人が向いています。
自局の番組はもちろんのこと、他局の人気番組も幅広くチェックする必要があるため、テレビを見ることが好きな人にとっては適任といえます。
また、最近ではコンプライアンスの意識が高まっており、番組制作者には強い正義感や倫理観が求められています。
取材相手の主張を歪曲したり、視聴者に「やらせ」と思われる演出は許されません。
そのため、テレビ局の社員には信頼性と誠実さが求められるのです。
ただし、テレビが大好きなだけではなく、制作に関わる仕事に対して情熱と責任感を持ち、コンプライアンスを守ることができる人が求められます。
流行やトレンドに敏感
テレビ局内では、有名人との接点があったり、最先端の情報に触れることができたりするため、流行やトレンドに敏感な人にとっては魅力的な環境でしょう。
テレビ番組制作や報道においては、視聴者に対して最新かつ魅力的な情報提供が求められます。
ファッションやエンタメ、経済などさまざまな分野に敏感であり、トレンドをキャッチすることに喜びややりがいを感じる人は、テレビ局での仕事に向いています。
テレビ局社員はキャリアアップして幹部になる
テレビ局の正社員は、将来的にはキャリアアップして幹部職を目指すことができます。
ディレクターはプロデューサーに、記者はデスクや報道部長といった管理職に進むことができます。
アナウンサーはエグゼクティブアナウンサーやキャスターとしての地位を歩んでいきます。
さらに昇進すれば、放送部長や放送局長といった高位の役職に就くことも可能です。
また、テレビ局での経験を積んだ社員が独立して、フリーランスとして活動するケースもあります。
彼らは番組制作やコンテンツ制作の分野で自身のスキルを活かし、独自のプロジェクトを手掛けることがあります。
最近では、インターネット上での番組制作や動画配信者として活躍する人も増えています。
テレビ局での経験を基盤にして、さまざまなキャリアパスの選択が可能です。
テレビ局社員を目指せる年齢は30代半ばが目安
テレビ局では、新卒採用以外にも中途採用の方法がありますが、希望の仕事に就くことは難しいかもしれません。
特にキー局や地方局など条件の良い求人は競争率が高く、競争が激しい状況です。
ただし、「どんな仕事でもテレビ業界に関わりたい」「将来は番組企画をやりたい」といった意欲や目標を持っている場合、アシスタントディレクター(AD)の求人は比較的多くみられます。
中途採用は、マスコミ関係者や出版社の人々、番組制作会社のディレクターやフリーランスのリポーターなどの応募が多いです。
通常、年に一度募集が行われますが、人手不足の場合には不定期に求人が出されることもあります。
ただし、中途採用では年齢制限が設けられることがあるため、応募する際には注意が必要です。
テレビ局は基本的に現場で経験を積みながら仕事を身につけていくスタイルなので、学歴よりも重視するのは個人のキャラクターや体力などです。
そのため20代の応募者は有利といえるでしょう。
一般的に、応募対象の年齢は30代前半までが多いので、応募条件をしっかり確認しましょう。
テレビ局社員になるにはのまとめ
テレビ業界は就活生にとって人気が高く、競争も激しい業界です。
そのため、周囲と差をつけて就活を勝ち抜くためには、徹底した対策が重要です。
企業研究やインターンなどを通して具体的なテレビ局での業務内容を知り、自身がテレビ局で働くイメージを持つことは非常に重要です。