通信会社で働くには(大学学部・学歴)

通信会社社員になるまでの道のり

ルートはさまざま

前提として、通信会社社員になる上で特別決まったルートというのはありません。

派遣社員やアルバイトとして通信会社に入社しキャリアアップをする人や、一度社会人として別の仕事を経験してから、中途採用で入社する人もいます。

変化の激しい通信業界では、さまざまな価値観やスキルを持つ人材を多方面から集める傾向があるため、入口は一つではありません。

模範的なルート

現役の学生の場合は、高校卒業後、大学・専門学校・高等専門学校(高専)などに進学し、卒業時に「新卒採用」で通信会社に入社するのが模範的なルートです。

通信業界は人気業界でもあるため、数多くの学生が応募してきます。

学歴だけで合否が決定するわけではありませんが、就職に対して意欲が高い一流大学の学生も集まりやすく、結果的にどうしても高学歴の人が採用されやすい面も見られます。

倍率の高い採用を勝ち取るためには、「インターンシップ」に参加するなど、採用担当者からの好感を得る材料を作っておくことも大切です。

総合職について

通信会社ではさまざまな仕事がありますが、新卒採用の場合は、一般的に「総合職(事務系)」と「総合職(技術・エンジニア系)」の2つの区分で実施されることが多いです。

<採用区分と仕事内容>
・総合職(事務系) 営業、事業企画、カスタマーサービス、管理部門(総務経理)など
・総合職(技術・エンジニア系) システム開発、技術開発、基礎研究、保守・運用など

文系の学生が総合職(事務系)、理系の学生が総合職(技術・エンジニア系)を選ぶのが一般的です。

総合職(技術・エンジニア系)の場合は、「学校推薦制度」を利用して就職活動をおこなう学生も目立ちます。

通信会社社員になるまでのルート

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通信会社の求人の状況

新卒採用の求人

通信会社の多くは、新卒採用を定期的に実施しています。

最大手クラスの企業では、一度に数百人単位の人材を採用することも珍しくありません。

新卒の学生は社会人経験を持たないため、入社時点での知識やスキルはそれほど求められません。

それよりも、熱意や伸びしろ、適性など人物重視の採用となることが多いです。

通信業界はバイタリティの求められる業界でもあるため、とくに中身を見られることが多いです。

総合職(技術・エンジニア系)の場合は、学生時代に専攻した分野や技術知識によって評価が高まることもあります。

中途採用の求人

通信会社では、新卒採用とは別に、既卒者向けの「中途採用(キャリア採用)」も実施しています。

中途採用では、即戦力となる経験が求められるのが一般的です。

「〇〇業務の職務経験△年以上」といったように、募集要項で具体的に経験やスキルが指定されることもあります。

同時に、営業、マーケティングシステムエンジニアなど人手が不足している職種では、未経験採用が行われています。

変化が激しく若い価値観も求められる業界です。

大手企業でも「第2新卒」の採用は積極的に実施しているので、20代であれば、未経験から入れるチャンスもあるでしょう。

通信会社で働くための学部・学歴

学校の種類・学費

通信会社を目指すうえで通う学校は、「大学」、「専門学校」、「高等専門学校(高専)」です。

<学校の種類>
・大学:通信技術や通信ビジネスの原理などを、学問としてアカデミックに追及できる
・専門学校:実習形式の授業が多く、現場で使うような即戦力となるスキルを身につけられる
・高等専門学校(高専):5年間の一貫教育で大学と同等レベルの知識が学べる、おもに理系向け

<学費(年間)>
・国公立大学:約53万円
・私立大学:文系学部は約100万円~110万円、理系学部は約130万円~160万円
・専門学校:約100万円~110万円
・高等専門学校(高専):約23万円

有利な学部・学科

新卒の総合職採用であれば、学生時代の学部・学科は問わない方針で採用活動が行われることが多いです。

そのため、基本的には学部問わずにエントリーは可能です。

ただし、目指す職種に合った学部に通っておいたほうが、採用面接などで好感を得やすいでしょう。

<職種と学部の関係>
・通信システム開発、ITエンジニア職:情報処理学部情報システム学部など
・研究開発、端末機器開発:理工学部、電気通信学部、機械科、電子科など
・営業や企画などの文系職種:文系の場合はとくに有利不利は起きにくいが、マスメディア学やITビジネスなどを学んでおくと生かしやすい

とくに総合職(技術・エンジニア系)や技術系の職種の場合、新卒採用であれば文系でもエントリー自体は可能な企業が多いものの、実際に採用されるのはやはり理系の学生が過半数を占めています。

学歴について

通信会社の新卒採用の場合、「専門学校卒以上(短大卒以上)」の学歴で採用している企業が割合としては多めです。

中には「4年制大学卒以上」の学歴で制限している企業もあるので注意が必要です。

人気企業には著名大学出身の学生も多々応募してきます。

また、学歴によって初任給のベース額が変動し、専門学校卒では初任給約20万円、大卒では約22万円といったように差が生じます。

大学院の修士了、博士了の学歴所持者には、25万円以上の初任給を用意する会社も少なくはありません。

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通信会社社員になるのに有利な資格はある?

資格の必要性

通信会社に就職するうえで、特別に必要となる資格や免許はありません。

とくに新卒採用の場合は、人物重視の採用となるため、資格を持たずとも採用を勝ち取る人もいます。

とはいえ、資格を取得するというのはその仕事に対しての熱意のアピールとなり、また専門的な知識やスキルを所持している証明ともなります。

資格取得は、採用時に有利な要素の1つでしょう。

おすすめの資格

通信会社で働くうえで、次のような資格が役に立つことが多いです。

<IT系の資格>
・ITパスポート試験 国家資格、難易度 易しい
参考:パス ITパスポート試験

・基本情報技術者試験 国家資格、難易度 普通
参考:IPA 情報処理推進機構 令和2年度春期試験について

・ネットワークスペシャリスト試験:国家資格、難易度 難しい
参考:IPA 情報処理推進機構 ネットワークスペシャリスト試験

この3つは、いずれも経済産業省が実施する「情報処理技術者試験」に該当する資格試験であり、資格の勉強を通じてITやネットワークに関する幅広い知識を習得できます。

通信システムを用いる通信業界ではITと密接な関係にありますので、これらIT系の資格を取得しておくと役立つことが多いです。

<技術系の資格>
・工事担任者:国家資格、難易度 普通
参考:一般財団法人日本データ通信協会 電気通信の工事担任者試験

・電気通信工事施工管理技術試験:国家資格、難易度 普通
参考:一般財団法人全国建設研究センター 1級電気通信工事施工管理技術検定試験

・電気通信主任技術者:国家資格、難易度 やや難しい
>参考:一般財団法人日本データ通信協会 電気通信主任技術者

電気工事士:国家資格、難易度 やや難しい
参考:一般財団法人電気技術者試験センター 電気工事士の試験実施機関

これらの資格は、インターネット回線・電話回線・光回線などの回線工事や、回線の管理をするうえで必要となる資格です。

現場の技術職などを目指す場合には、これらの資格があると選考で有利になる可能性があります。

また、実際の仕事にも役立つでしょう。

その他、通信会社は英語力が求められることが多いので、「TOIEC」や「TOEFL」などの英語系の資格を持っていると、職種問わず役立つでしょう。

通信会社社員に必要な資格・スキルはある?

通信会社社員に向いている人

通信会社社員に向いている人の性格的特徴としては、次のようなものが挙げられます。

<通信会社に向いている性格・適性>
・変化する状況を楽しめる人、柔軟な発想ができる人
・新しい技術や世の中のトレンドに敏感な人
・主体的に物事を取り組め、バイタリティにあふれる人
・成果主義、実力主義の環境が好きな人
・数字やデータでものごとを見れる人

通信業界は常に変化していく業界のため、変化する状況を楽しめ、指示待ちではなく自らが主体的にものごとを進められ、チャレンジしていけるタイプの人が向いています。

反対に、確立された仕組みの中で同じようなルーチンワークを続けたい人、自分から周りを巻き込んでいくのが苦手な人などは、この業界に入ると働きづらさを感じやすいです。

通信会社社員に向いている人・適性

通信会社社員のキャリアプラン・キャリア

入社後のキャリアの歩み方

大手の通信会社では、一般的に「ジョブローテーション」を採用している会社が多いです。

ジョブローテーションというのは、営業職、企画職、管理業務などさまざまな部門を数年単位で異動する人事制度のことです。

総合職で入社した社員の場合、まずは本人の希望や適性を踏まえて、適した部署に配属されることになります。

その後、2、3年おきにジョブローテーションの異動があり、幅広い経験を身につけます。

なお携帯電話会社などでは、職種問わず、まずは入社後携帯ショップなどに販売スタッフとして一時的に勤務し、お客さまの声を知るという研修が行われることもあります。

その先のキャリアプラン

ジョブローテーションをくり返して経験を積んだのち、一定年数を越えると、係長や課長などの管理職に移行していくのがポピュラーなキャリアプランです。

会社によっては、ベテラン社員は子会社や関連会社などに「出向」させられることもあります。

また、通信会社で学んだ経験をもとに、他社に転職したり、自ら事業を起業したりする人もいます。

通信会社社員は高卒から目指せる?

中小やベンチャーの通信会社は、さほど学歴は厳しく見られず、「学歴不問」で新卒採用を行う企業もあります。

そのような学歴不問の会社であれば、高卒で就職することも不可能ではありません。

一方で大手通信会社は、新卒採用時の学歴が「専門学校卒以上(短大卒以上)」で制限されているケースがあります。

ただし大手であっても、新卒採用でなく中途採用であれば学歴的な制限はなくなることが多いですが、その分職務経歴やスキルが求められます。

通信会社への転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう

未経験や中途で通信会社を目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。

通信の分野に強い転職アドバイザーから、業界情報を聞くことができたり、通信会社の「非公開求人」の情報を得ることができます。

まだ転職するか迷っている、そもそも通信会社が自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げることができます。

リクルートエージェントは、転職エージェントの中で最も求人数が多く、転職実績もNo.1となっているので、まず登録しておきたいエージェントです。

また、20代の方や第二新卒の方は「マイナビジョブ20's」に登録してみるとよいでしょう。

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