損害保険会社の年収はいくら? 給料についてくわしく解説

損害保険会社は給料が高いというイメージを持つ人も多いでしょう。

金融業界とも関係の深い損害保険会社の収入の実態はどのようなものでしょうか?

ここでは損害保険会社社員を目指す人のために、初任給や将来の収入について解説します。

損害保険会社社員の平均年収・給料の統計データ

損害保険会社の給与や待遇は、企業の規模や業績、個人の実績や役職などによって大きく異なります。

大手企業である東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングス、MS&ADホールディングスなどは、一般的に給与面や福利厚生が充実している傾向があります。

こうした企業では、優れたパフォーマンスを発揮した場合には40代で1000万円を超えるなど、高い年収を期待できます。

一方、中小規模の損害保険会社や地域に特化した企業では、給与水準は低くなることがあります。

ただし、これも一概には言えず、企業ごとの経営方針や競争力、地域性などによって異なります。

ある民間会社によると、保険営業職の平均年収が406万円であるという統計データもありますが、これはあくまで平均値であり、個人の実績や業績によって大きく変動します。

また、損害保険会社には給与以外にもインセンティブやボーナス制度があり、個人の成果や業績によって報酬が増減することも多いです。

損害保険会社社員の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

2024年度の採用情報によると、損害保険ジャパンの初任給は税引き前で232,530円、年間ボーナスは想定できる額面で約122万円です。

これにより、初年度の年収はおおよそ400万円から420万円と見積もられます。

ただし、手取りの金額については個人の所得税や社会保険料などが引かれるため、さらに少なくなります。

推測すると、税引き後の手取り金額はおおよそ18万円から20万円程度と考えられます。

ただし、この金額はあくまで推計であり、個人の所得状況や所得税の控除などによって変動する可能性があります。

損害保険会社社員の初任給は23~25万円

初任給の金額は企業によって異なりますが、一般的に大手の損害保険会社では、大学卒業者の初任給は23万円から25万円ほどです。

全体の平均初任給は、全業界で大学卒業者の男女を合わせた場合には21万200円です(厚生労働省の発表)。

そのため、損害保険業界の初任給は他の業界に比べてやや高い水準と言えます。

また、総合職の中でも、全国転勤が前提の採用と地域を限定した採用があります。

このようにそれぞれの採用条件によって初任給の金額も異なる場合があります。

参考:厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況

損害保険会社社員の福利厚生は手厚い

損害保険会社は、主に大手企業を中心に、福利厚生が充実していることが多く、働く環境が整えられています。

休暇制度には、年次有給休暇やリフレッシュ休暇、慶弔休暇、ボランティア休暇などがあります。

さらに、一部の企業では有給休暇を時間単位で取得できる制度もあります。

また、全国転勤がある区分で採用された社員には、独身寮や社宅制度が提供されることが多く、家賃や引っ越し費用などの負担を大幅に軽減することができます。

通常は土日や祝日は休みとなりますが、個人顧客を担当する場合には、お客さまの都合に合わせて土日に出勤する必要がある場合もあります。

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損害保険会社社員の給料・年収の特徴

「全国転勤あり」と「地域限定」

損害保険会社の新卒採用では、「総合職」というポジションが最も多く採用されますが、その総合職にも「全国転勤あり」と「地域限定」という区分があります。

一般的に、「全国転勤あり」の方が給料は高くなりますが、定期的な転勤があるため、「一つの場所に住んで落ち着いた生活を送りたい」と考える人にはあまり適していません。

一方、「地域限定」の形態は企業によって異なります。

全国をいくつかの地域ブロックに分けて採用する場合や、「転居を伴わない転勤なし」という条件で採用する場合などがあります。

採用区分を選ぶ際には、自分自身がどんなキャリアを築いていきたいのかを考えながら選択することが重要です。

成果によってインセンティブが得られる

損害保険業界では、成果を上げた社員に対してインセンティブ(歩合給)を支給する会社が多いという特徴があります。

営業担当者は、チームや個人同士で競争しながら契約数を伸ばすために努力を重ねています。

成果をしっかりと出せれば、それに見合った報酬を期待することができます。

これは数字を追う仕事であるため、こうしたスタイルに向いているかどうかは個人によって異なります。

しかし、「自分の成果が公正に評価されることを望む」という考え方を持つ人には、おすすめの業界といえます。

外資系企業では実力主義の風潮

日本の損害保険業界では、外資系企業の進出も進んでいます。

国内で大手とされる外資系損害保険会社には、AIG損害保険、アクサ損害保険、ジブラルタ生命保険などがあります。

これらの外資系企業も一般的に給与水準が比較的高い傾向がありますが、日本の企業と比較すると実力主義の風潮が強いことに留意する必要があります。

特に営業職を担当する場合は、月間の契約数なども厳しく評価されるため、厳しい競争の中で働く覚悟を持っておくことが重要です。

外資系企業で働く場合は、シビアな環境におかれることを覚悟しておく必要があります。

損害保険会社社員が所属する代表的な企業の年収

代表的な損害保険会社の平均年収をみておきましょう。

会社名 平均年収 平均年齢
東京海上日動火災保険 1412万円 42.1歳
損害保険ジャパン 626万円 42.9歳
三井住友海上火災保険 1097万円 41.2歳

東京海上日動火災保険

東京海上日動火災保険(東京海上HD)は、損害保険業界で最も大きなシェアを持つ企業です。

東京海上は1879年に、日本で最初の保険会社として創業され、日動火災は1898年に設立されました。これらの会社は2004年に合併し、現在の東京海上HDが誕生しました。

東京海上HDは、国内損害保険事業や国内生命保険事業に加えて、海外保険事業、金融事業、その他の事業も展開しています。

損害保険ジャパン

損害保険ジャパン(損保ジャパン日本興亜)は、国内の損害保険業界で最も収入保険料が多い企業です。

業界初のペット保険や、AIを活用した保険査定、高齢者向け自動車保険の開発など、業界での先駆的な取り組みも行っています。

三井住友海上火災保険

三井住友海上火災保険は、財閥系ならではの豊富な顧客基盤と、グループ内の強固なネットワークがもたらす個人や企業への影響力が大きい企業です。

実際に、三井住友海上火災保険を中核とするMS&ADは、国内損害保険の全種目において国内収入保険料でシェア1位を獲得しています。

さらに、海外事業においても強みを持っており、ASEAN域内の収入保険料においては第1位の存在感を示しています。

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損害保険会社社員が収入を上げるには勤続するかインセンティブを増やす

損害保険会社の社員が収入を増やすためには、主に以下の方法があります。

これらの方法を組み合わせることで、自身の収入を増やすことができます。

ただし、どの方法を選ぶにしても、努力と継続的な学習が求められます。

出世を目指す

損害保険会社も、ほかの企業と同様に一定の勤続年数に応じて昇進していくことが一般的です。

優れた営業成績を上げたり難関な資格を取得したりすることで、昇進が早まる場合もあります。

インセンティブを得る

損害保険会社では、成果を出した社員にはインセンティブが支給されることが多いです。

そのため、自分の頑張り次第で同世代の他のサラリーマンよりも高い年収を目指せるでしょう。

キャリアチェンジを考える

損害保険会社で培った専門知識やコミュニケーション力を活かし、より年収の高い企業へのキャリアチェンジも一つの方法です。

例えば、大手コンサルティング企業への転職などがあります。

損害保険会社社員の年収のまとめ

損害保険会社は、ほかの業界に比べると給料が高く、学生からも人気が高い業界です。

ただし、損害保険会社で長く働き給料をアップさせるためには、一定の成果を上げ続けたり、全国転勤をしたりというむずかしい一面があります。

損害保険会社にはそれぞれ特徴がありますので、「自分がどんな仕事をしたいのか」「どんな雰囲気が合うのか」等をしっかり考えたうえで企業を選ぶとよいでしょう。