専門商社社員として働くには(大学・学歴・学部など)

専門商社入社に必要な学歴

専門商社にはさまざまな部門がありますが、総合職でも一般職でも大学学士課程卒業以上の学歴が求められるのが一般的です。

専門商社の平均年収が他業界の企業と比べて比較的高いのは、年収が低くなりがちな高校卒業や専門学校出身の社員が非常に少ないためといわれています。

取扱い商品が高度に専門的な場合は修士号以上の学歴を持っていると好印象になる可能性はありますが、一般的には学士号以上を求められることはありません。

専門商社社員になるまでのルート

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専門商社入社に有利な大学

伊藤忠、三井物産などのいわゆる総合商社大手7社による新卒採用は、全社を足しても毎年1000人前後といわれる狭き門です。

競争率が高い業界の常として、有名大学、難関大学の出身者の採用が多い傾向があります。東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應大学や、地方の難関国立大学出身者が好まれます。

専門商社においても、大手や有名企業では同様の傾向が見られます。しかし専門商社は大小合わせると星の数ほどあり、有名校・難関校出身者でなくとも採用されるチャンスは十分にあります。

自分の大学が有名校・難関校でないからといって萎縮する必要はありません。

専門商社という大きなカテゴリーの中で、的を絞りすぎることなく広い視野を持って応募していくことが重要です。

学部と取扱い商品の関係

たとえばアパレル商品の専門商社に就職したいとして、大学の学部がデザイン系や服飾関係だったり、食品関係の専門商社に就職したい人が農学部や栄養学部出身であれば、選考時に好印象ではあります。

しかしほとんどの専門商社では、応募条件に学部を限定することはありません。

大学で学んだことと全く関係のない商品を扱う場合でも、入社してからどれだけ熱心に知識を身につけられるかに重きを置いて選考を行います。

ただし、まったく興味のない分野の商品を扱う専門商社に入社してしまうと、人によってはモチベーションを保ちづらい可能性があります。

専門商社というビジネス自体に興味があり、取扱い商品はそれほど気にならないのであれば問題ありませんが、少しでも商品に愛着を持てないと仕事に身が入らないという人は、分野をある程度限定して応募するのがいいかもしれません。

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専門商社社員に必要な資格、スキル

求められるスキルは?

求められるスキルは配属される部門により異なりますが、就職希望先の専門商社が扱っている商品・サービスについて深い知識を持っていると、選考時に有利になるでしょう。

とくに営業職や企画職、広告宣伝職は、自社製品を詳細に説明する能力が期待されます。

取引先とのコミュニケーション業務に英語スキルが必要なケースは多いです。

職種によって、英語での読み書き会話スキルすべてをまんべんなく求められることもあれば、メールでやりとりができる程度、英語明細を読める程度でOK、という職種もあります。

分野により異なる資格やスキル

取扱う商品やサービスによって、求められる資格やスキルが大きく異なるのが、専門商社の特徴です。

たとえば食品を輸入する企業であれば、食品衛生責任者資格を所持していると大きなアピールポイントになります。

ワインを輸入する会社には、ソムリエ資格やワインエキスパート資格を持っていると有利になるでしょう。

アパレル商品に特化した企業であれば、デザインやファッションの知識が業務に役立つでしょうし、薬品関連に特化していれば、薬剤師資格が役立ちます。

専門商社への就職を希望する場合は、このように取扱い商品によりアピールポイントが多様化することを踏まえ、学問的なバックグラウンドや興味関心に沿って就職先を選択することが可能です。

女性の専門商社社員の働き方

専門商社での女性の職種

女性が専門商社に採用される場合、総合職よりも一般職が多い傾向にあります。

総合職採用されると配属先には営業、企画、マーケティングや管理職があり、一般職としての配属先は営業事務経理総務貿易事務などが代表的です。

総合商社・専門商社どちらの場合も、男性総合職の割合が高いですが、近年では女性総合職を積極的に採用する企業が増えてきています。

女性だと商社の総合職は難しいだろうと敬遠することなく、募集に積極的に応募していくことが重要です。

女性総合職の苦労

企業によっては、毎日非常にハードなスケジュールで働くことになります。男性でも体力的にきつい仕事をこなしていくには、タフさと根気が必要でしょう。

また、商社の総合職には転勤や海外出張があり、出産後に子育てと仕事を両立することに困難を覚えるかもしれません。

この点に関しては企業研究を重ね、産休や育休、時短勤務などの体制が整っている企業を前もって把握しておくといいでしょう。

女性総合職ならではの苦労もあります。体質が古い企業だと、男性総合職からうとまれて、チームワークが上手く作用しないというのはよくある話です。

加えて、女性一般職からも嫉妬を買ってしまい、職場での居心地が悪くなるケースも。また、取引先の体質によっては女性総合職を敬遠することもあります。

こうした場合は人一倍コミュニケーションを積極的にとるよう心がけ、信頼関係を築く必要があります。

男性総合職であればしないで済む苦労ですから、アンフェアだという気持ちはあるでしょうが、仕事ぶりが認められる日を目指して努力を重ねていくしかありません。

女性総合職が多い専門商社の分野

女性総合職が多い分野は、アパレル・ファッション関係、食品関係、インテリア用品や家具を含む日用品などです。

こうした業界は女性ならではの感性が活かせる分野であり、女性総合職の活躍の歴史が比較的長いため、他の業界に比べ女性が総合職として働きやすいと感じるかもしれません。

専門商社の就職、求人、採用の状況

新卒採用が圧倒的多数

2016年7月時点、総合求人検索サイトで「専門商社」を検索すると、新卒採用が3万件ほど検索結果に表示されます。

7月は翌年4月の新卒採用活動解禁の時期に当たるため、新卒採用件数が顕著に多いためもありますが、それだけ需要がある業界と見ることができます。

新卒採用以外にも中途採用が表示され、こちらは8千件ほどとなっています。専門商社の数は大小合わせると膨大な数に上るため、分野や職種にこだわらなければ、専門商社に入社できるチャンスは大きいでしょう。

正社員採用がほとんど

新卒採用のほとんどが正社員採用で、中途採用も8千件のうち6千件ほどが正社員採用となっています。派遣社員や契約社員での採用はそれほど多くありません。

求人件数が多いため比較的売り手市場という求人事情から、専門商社では責任を持って長く働いてくれる人材を確保するため、正社員雇用という形態を選ぶ企業が多いことが伺えます。

正社員として専門性を身に付け、長く安定して働きたい人には魅力的な業界と言えます。

地方でも募集・採用はある

専門商社求人の特色は、全国各地で募集・採用があることです。

大企業や有名企業は東京に本社を置き、全国各地に事業所を置いたり、海外事業所を設立している場合もありますが、地元に根ざして営業している中小専門商社では、転勤がなく採用場所での勤務となることがほとんどです。

そのため、転勤を心配せずに特定の地方で働きたいと考えている人は、地域に根ざした専門商社で、事業所が少ない企業を選ぶといいかもしれません。

各社の採用人数は控えめ

大規模な専門商社でも新卒採用は50名前後、中小専門商社となると10名以下であることが普通です。

専門商社の求人数が多いのは、企業数自体が多いためです。職種にこだわって就職・転職活動をするのか、分野にこだわるのか、または専門商社であれば職種・分野を問わないスタンスなのか、それぞれの活動ポリシーによって、入社までの難易度は異なってくるでしょう。

専門商社の志望動機・面接

専門商社に入社したい理由

商社には総合商社と専門商社があります。

総合商社はさまざまな商品やサービスの輸出入を扱い、専門商社は特定分野の商品を扱います。

専門商社に応募する際には、なぜ総合商社ではなく専門商社を希望するのかはっきりさせるといいでしょう。

総合商社では商品やサービスの輸出入以外にも、他社への事業投資を行っており、必ずしも希望の業務に関われるとは限りません。

たとえば何らかの商品の輸出入を担当したいと希望していても、社内辞令により投資部門に配置されることもあるでしょう。この場合は異動希望が通るチャンスを待つしかありません。

希望が通り輸出入部門に配属されたとしても、たとえば食品輸入の業務に興味があったとしても、鉄鋼輸入の担当に任命されるケースもありえます。

しかし専門商社は、特定商品が歳入の50%以上を占めるのが特徴です。

そのため鉄鋼輸入の業務に興味があれば、食品関連の専門商社の総合職に的を絞って就職活動することで、興味対象の業務にピンポイントでアプローチできるのが魅力です。

面接時にアピールしたいこと

採用面接時には、総合商社と専門商社の違いを踏まえて自己アピールするといいでしょう。

たとえば輸出入対象の商品や貿易業務自体に興味があることや、専門的に商品や貿易について勉強したのであれば、ダイレクトにその知識を活かしたいとアピールしてみましょう。

取扱い商品の知識が全くない状態でも、商社の仕事の流れを把握していること、また商品について勉強する意欲を見せることで、面接時の印象を良くすることは可能です。

専門商社は総合商社に比べ規模が小さい傾向があり、企業によってはマルチプレイヤーを求めているかもしれません。

英語で営業やコレポン(応答業務)をこなし、貿易関連にも詳しい、といった人材です。

専門商社の採用面接の際は、具体的にどのような業務を担当することになるのかをしっかりと聞いておくことが重要です。

専門商社への転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう

未経験や中途で専門商社を目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。

専門商社の分野に強い転職アドバイザーから、業界情報を聞くことができたり、専門商社の「非公開求人」の情報を得ることができます。

まだ転職するか迷っている、そもそも専門商社が自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げることができます。

リクルートエージェントは、転職エージェントの中で最も求人数が多く、転職実績もNo.1となっているので、まず登録しておきたいエージェントです。

また、20代の方や第二新卒の方は「マイナビジョブ20's」に登録してみるとよいでしょう。

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