繊維メーカー社員の現状と将来性

相次ぐM&Aで生き残りをかける

日本のなかでも歴史ある産業の一つである繊維業界。国内には高感度で大規模なファッション消費市場があるとともに、糸作りから製品まで一貫した生産体制が構築されていることが強みといわれてきました。

しかし、近年は国内市場が成熟するとともに衣料品が伸び悩んでいること、そして中国や東南アジアから安価な繊維が大量に輸入できるようになったことなどから、業界規模は縮小傾向にあります。

こうしたことから、各社は繊維事業で培ってきたノウハウを生かせる別事業へ手を広げたり、M&Aを活発に行って事業規模を拡大させたりしながら生き残りをかけようとしています。

ここ最近でも、帝人、旭化成、東レ、日清紡ホールディングスといった国内の大手繊維メーカーが、こぞってM&Aに乗り出しています。

また、衣料品繊維以外に航空機の内装やゴルフクラブのシャフトなどに使用されている炭素繊維のように、先端機能材料として注目されている商品や、世界的な需要や競争力のある商品の研究開発に積極的に取り組む繊維メーカーも増えてきているといわれます。

繊維メーカーの将来性は?

国内では衣料用繊維の需要は縮小しているものの、産業用繊維の需要は増加傾向にあるとされています。

とくに開発に高度な技術力を要する日本の高機能繊維は世界市場でも強い競争力があり、世界からも高く評価されています。

日本の繊維業界では、すでにグローバル化を推し進める傾向が強くなっているものの、今後は人口減少によってますます国内市場が縮小することが見込まれ、さらなるグローバル戦略によって海外で新規市場を開拓し、事業を拡大させようとしていく企業が増加するでしょう。

また、樹脂や光学フィルムといったような繊維業界のノウハウを生かした非繊維事業にシフトし、素材メーカーとして新たなビジネスに挑戦する企業も増えていくことが考えられます。