生産管理に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

生産管理に向いている性格・適性

物事を広い視野で考えられる人

生産管理は、自社製品の「製造プロセスすべて」にたずさわる職種です。

原材料を調達するところから始まって、完成品を出荷するまで、製造の全工程を把握し、コントロールすることが求められます。

いつ何時も、常に生産ライン全体を中立的な目線で見ていなければなりません。

こうした仕事に向いているのは、物事の全体を客観的にとらえることのできる人です。

広い視野があれば、不良品が発生するなどのトラブルが起きた際にも、製造プロセスのどの段階でどんな問題が生じているのか、すぐに原因を突き止めることができます。

日常生活や学生生活のなかで、ひとつのことに没頭すると周囲が見えなくなってしまうタイプの人は、あまり生産管理向きとはいえません。

反対に、勉強やスポーツなどに熱中しつつも、周りのクラスメイトやチームメイトを冷静に見る余裕のある人は、生産管理の適性があるでしょう。

なお、物事に没頭できる人は集中力が高いという意味では優れているので、周囲を見ることを忘れなければ問題ないでしょう。

人に指示を出すのが得意な人

生産管理は、ものづくりにおける重要な職種であるものの、実際に製造作業を手掛けるのではなく、生産工程全体を管理監督することがおもな仕事です。

目まぐるしく移り変わっていく状況を見つめながら、さまざまな部署のスタッフに対して、細かく的確に指示を出していきます。

生産管理の役割を端的に表すなら、「司令塔」や「かじ取り役」という言葉がピッタリあてはまるでしょう。

したがって、生産管理には、ほかの人に指示を出すことが得意なタイプの人が向いています。

学級委員長や部活動のキャプテンなどを務めた経験があれば、生産管理の仕事に生かせるかもしれません。

ただ、「人を動かす」ということは想像するよりもかなり難しい仕事です。

視野の広さなどの能力も必要ですし、「この人の指示になら従ってもいい」と思ってもらえるだけの人望や信頼など、人格的な素養が非常に重要になります。

数字に強い人

生産管理は、さまざまな種類の膨大な数字を扱う職種です。

需要予測から製品ごとの受注量を割り出し、そこからどれだけ原材料を調達すればいいか計算して、確保すべき設備や従業員数、工程ごとの必要時間などを計画に落とし込まなければなりません。

納期を厳守したうえで、できる限りコストダウンを図ることも求められます。

このため、生産管理には、計算能力や数字を暗記する能力、数字だけで実物をイメージする能力などの高い人、ひとことでいえば「数字に強い」タイプの人が向いているでしょう。

学生生活において算数や数学の成績がよく、「その数字や計算結果が何を意味しているのか」を理解できるという人は、生産管理としての資質が高いといえます。

生産管理部門で働くには

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

生産管理に必要なスキル・能力

論理的思考力

生産管理には、問題が発生したときに原因を究明して、すばやく解決策を講じるための論理的思考力が重要になります。

トラブルが起こった際、どこに問題が生じているか発見できたとしても、その問題を取り除くことができなければ、生産管理の役割を果たしたことにはなりません。

ひとつのトラブルが工程全体のどの部分に影響を及ぼし、どんな結果を招いているのか、理詰めで物事を考える思考力が求められます。

こうした能力も、算数や数学を勉強することによって養うことができるでしょう。

計画力

生産管理の仕事のひとつに、どの商品をいつ、どれくらいつくるかという「生産計画」を立案するという作業があります。

マーケティング担当者と協力しながらはじき出した需要予測に基づいて、市場に商品を投入するべきタイミングを決定し、そこから逆算して製造スケジュールを組み立てます。

このため、生産管理担当者には、できる限り緻密に段取りする「計画力」が求められます。

こうした計画性を身につけるには、日ごろから意識することが大切になります。

たとえば学校で課題が出された際、まずやらなければならない作業を何段階かに分け、提出日から段階ごとの締切を設定するなどして、自分なりの「工程表」をつくってみるとよいでしょう。

生産管理に向いていないのはどんな人?

ピンチに弱い人

生産管理の仕事は、製造工程の全体を管理するので、頻繁にトラブルに見舞われやすい職種です。

原料の納品が遅れた、機械が故障した、人が足りない、不良品発生率が想定以上に高い、急に需要が増えた・減ったなど、トラブルの種類も非常に豊富です。

そうした不測の事態は生産管理にとってはいわば「日常茶飯事」です。

ピンチになると平静でいられない、ついついテンパってしまうというタイプの人は、あまり生産管理には向きません。

ただ、初めはトラブルに慌ててしまっても、経験によって徐々に慣れてくる人もいます。

人よりも精神的にもろいという自覚のある人は、平常心を保つためのメンタルトレーニングに取り組んでみるとよいかもしれません。

口下手な人

生産管理は、ものづくりにたずさわる仕事のなかではやや特殊で、モノよりもヒトと関わる機会のほうが多い職種です。

社内の営業部門や企画部門、調達部門、経理部門など、さまざまな部署と打ち合わせを重ね、製品をスムーズに生産できる体制を構築していくことが、生産管理に課せられています。

このため、生産管理には、社交性や協調性などのコミュニケーション能力も重要であり、口下手な人には向きません。

ものづくりは好きだけれども、人と喋るより黙々と作業していたい、誰かと関わるのがあまり得意ではない、技術を追求したいという人は、製造スタッフや研究職、職人など、別の職業を目指したほうがよいでしょう。