映像制作会社の現状と将来性
映像制作会社社員の現状
ひと昔前までは、お茶の間におけるテレビの存在感は非常に大きく、テレビ局の経営はどこも好調でした。
しかし、時代の変化とともにインターネットなどの他のメディアが急増し、視聴者のテレビ離れが加速しています。
こうした流れのなか、厳しい状況に陥ったテレビ局が、映像コンテンツの制作を番組制作会社や映像制作会社に委託するケースが増えています。
外部に委託することでテレビ局社員の人件費を削ることができますし、予算を抑えて高いクオリティの番組を作ることもできるからです。
また、広告代理店からのテレビコマーシャルの依頼は、テレビオンエア用、Web用(長尺)、SNS用(短尺)と何パターンも制作をすることが増えています。
全体的に見ると映像制作会社の業務自体は増えているといってもよいでしょう。
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映像制作会社社員の需要
先述のように映像制作会社の仕事はどんどん増えています。
それと同時に、仕事のハードさや不規則な生活に耐えかねて、短期で辞めてしまう人も増えているのも事実です。
慢性的な人手不足に悩まされている企業も多く、映像制作会社への就職を目指す人にとっては引く手あまたの状況です。
しかし、採用されやすい状況の中で安易に就職を決めてしまうことには、高いリスクが伴います。
テレビ局の経費削減の影響を受けてタイトな制作スケジュールと安い委託費で業務を引き受けていることも多いのです。
下請けの映像制作会社社員にとっては厳しい待遇で働かざるを得ないことも珍しくありません。
就職の際には、業務内容はもちろんのこと、給料、労働時間、残業の有無、休日の日数についてよく確認しておいたほうがよいでしょう。
映像制作会社社員の将来性
映像制作会社は、企業によって引き受けている業務内容が大きく異なります。
そのため、将来性に関してもそれぞれの企業によって異なります。
たとえば最近は、アミューズメントパークや商業施設の大型スクリーンで流す映像を制作する仕事が増えています。
結婚式や葬式で流す個人のプロフィールビデオを制作する仕事も好調です。
テレビではなく、企業のHPで流すための動画やコマーシャルなども人気があります。
さまざまなコンテンツの需要が高まっているので、まさに仕事の裾野がどんどん広がっているのです。
景気のよい業界からの依頼を受けている場合は、余裕のある制作スケジュールや潤沢な制作費を確保できていることもあるようです。
将来性のある業界や企業から仕事を引き受けている映像制作会社は、これからますます業績が伸びることでしょう。
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映像制作会社社員の今後の活躍の場
映像制作会社は、今までは「テレビ局の下請け」「広告代理店の下請け」という立ち位置になることが多い企業だといわれていました。
しかし、多種多様な映像コンテンツが人気を集める現代社会においては、今まで以上に活躍の場や可能性が広がっています。
クライアントもマスコミだけではなく、一般企業、教育機関、地方自治体、観光業界、結婚式場など多種多様。
今後はさらに、さまざまな業界からのオファーがあると考えられます。
ニッチなニーズを掴み、クライアントの求める内容を映像化できるクリエイターの需要は、ますます増えていくでしょう。
また、テレワークの進む現代社会では、機器や通信環境さえ整えることができれば、在宅で仕事をすることも可能になります。
映像制作の世界は、「自分の可能性を試してみたい」人にとって、大きなやりがいのある職場だといえるでしょう。