カスタマーサポート部門で働くには(学歴など)
大手企業では大卒者の採用が中心
カスタマーサポート部門は、メーカーやIT企業、保険会社など、お客さまに商品やサービスを提供するさまざまな種類の企業に置かれています。
したがって、じつに多様な企業がカスタマーサポート志望者の就職先の選択肢に挙がってくるでしょう。
また、メーカーなどではカスタマーサポート機能を外部委託(アウトソーシング)することもあるため、そうしたニーズに応えるコールセンター業務を手掛けている専門会社で働くことも可能です。
しかし、とくに新卒採用の場合、必ずしも「カスタマーサポート」という職種での採用が行われるとは限りません。
「総合職」などの形で採用され、会社の状況や個人の適性などに応じて、カスタマーサポート部門に配属となることも多いようです。
20代で正社員への就職・転職
転職者向けの求人も多くある
カスタマーサポートの採用活動は、中途入社の人材、つまり転職者を対象とするものも多く行われています。
たくさんの人材が必要とされる職種であることから、転職の求人を見つけることも難しくはないでしょう。
転職でカスタマーサポート部門で働こうとする場合、志望先企業の取扱商品やサービスの知識を持っていれば有利になるでしょう。
ただし、未経験者であっても働ける可能性は十分にあります。
とくに、営業職や接客業などお客さまと多く接するに就いていた人は、交渉力やコミュニケーション能力が評価されることもあるようです。
学歴は必要?
カスタマーサポートの仕事をするうえで、学歴はさほど問われません。
一部の大手企業の場合、「大卒」の学歴が求められることがありますが、それ以外の人でもカスタマーサポートとして活躍している人はいます。
また、正社員以外に、契約社員や派遣社員などの形で働いている人もいます。
商品・サービスの知識は入社後に覚えることができるため、学生時代に何を勉強していたかはそこまで気にしなくてもよいでしょう。
20代で正社員への就職・転職
カスタマーサポートの資格、スキル
特別な資格は求められないことも
カスタマーサポートの仕事に就くうえで、必ずしも特別な勉強をしていなければならなかったり、資格が求められたリということはありません。
就職後、研修を受けたり、現場に配置されてから仕事を覚えていくことも多いですが、カスタマーサポート業務に関連する民間資格も存在します。
そのうち、代表的な資格といえるのが「一般社団法人 日本コンタクトセンター教育検定協会」が実施する、「コン検」といわれる資格認定制度です。
この資格を持っていることで、お客さまサービスの知識を身につけ、それを実践するための一定レベルのスキルを身につけていることを証明しやすくなります。
「コン検」の資格の種類
コン検は、「オペレーションレベル」と「プロフェッショナルレベル」の2つのレベルに分かれ、各レベルに複数の資格が存在します。
オペレーションレベル
・エントリー資格(EN)
電話等を中心とした非対面のコミュニケーションに必要な知識・スキル、ビジネスマナーの習得を認定
・オペレーター資格(OP)
専門性の高い顧客応対業務や、新人の指導を担当できる人材として必要な知識・スキルの習得を認定
・スーパーバイザー資格(SV)
管理者として必要なマネジメントにおける知識・スキルの習得を認定
プロフェッショナルレベル
・オペレーションマネジメント資格(OMP)
顧客対応部門の運営とパフォーマンス管理に必要な知識・スキルの習得を認定
・コンタクトセンターアーキテクチャ資格(CAP)
コンタクトセンターの新規構築や新システム導入時における業務設計に必要な知識・スキルの習得を認定
業務で求められるスキルは?
カスタマーサポートの業務では、電話等を中心とした非対面のコミュニケーションを行います。
そうした状況で求められるお客さま対応やコミュニケーションの基礎をはじめ、カスタマーサポート部門でのオペレーションやマネジメント・管理についてまで、経験やスキルレベルに応じて段階的に見につけていく必要があります。
先に挙げてきた資格は業務上必須とされることはあまり多くありませんが、取得にむかって勉強することで、カスタマーサポートに必要な基礎知識やスキルが着実に身につくでしょう。
カスタマーサポートのキャリアパス
製品やサービスを熟知した人材へ
カスタマーサポートは、顧客からのさまざまな問い合わせを受ける立場になるため、自社で取り扱う製品やサービスのことを誰よりも熟知している必要があります。
日頃から製品・サービスの知識を蓄えておき、つねに顧客に適切な情報を提供できるように努めることはもちろんですが、もうひとつこの仕事で重要な役目となるのが、顧客から集めたクレームや意見などの情報を社内の設計・開発部門などにフィードバックすることです。
カスタマーサポートは顧客の生の声を聞ける貴重な立場であり、実際に顧客からの声が、新製品の開発や既存サービスの改良に結びつくこともあります。
したがって、カスタマーサポートとしてキャリアを積んだ人が、製品・サービス企画部門などの仕事に携わることになるケースもあるようです。
社内で昇進していく
おもにコールセンターでは、カスタマーサポートとして実力をつけていくと「スーパーバイザー(SV)」という役職にステップアップする人が多いようです。
スーパーバイザーは、オペレータースタッフの管理・監督を行う立場であり、チームをまとめたり、マネジメントしていく力が必要になってきます。
また、会社によってマネージャーや部門長、リーダーといった役割を任せられることもありますし、さらに、限られた人になりますが、現場たたき上げの役員を目指すなど社内でキャリアアップしていくことができます。
転職をしてスキルアップを目指す
もうひとつ、転職をしてより幅広い業務に携わったり、スキルを磨いていく道も考えられます。
カスタマーサポートは転職者向けの求人も多く出ており、この仕事の経験がある人は、別の企業のカスタマーサポート部門でも歓迎されやすいでしょう。
また、外資系企業でもカスタマーサポートは不可欠な存在となっています。
日本企業でのカスタマーサポート実務経験に加え、英語力を生かして外資系企業へ転職する人もいます。
カスタマーサポートの志望動機・面接
代表的な志望動機は?
カスタマーサポートの志望動機として最も多いものは、「人とコミュニケーションをとることが好き」といった内容です。
カスタマーサポートの業務は、その大半が電話などを使った顧客(ユーザー・消費者)対応となります。
顧客からの問い合わせに答えたり、サービスや商品の説明を行ったりと、1日の多くの時間を顧客と話すことに費やすことになります。
そのため、人と会話をしたり、コミュニケーションをとったりすることが大好きという人が、この仕事を目指すことが多いようです。
志望動機の考え方
カスタマーサポートの志望動機を考えるうえでは、この仕事では何が求められていくのかをよく理解しておくことが大切です。
顧客からの問い合わせに対応するインバウンドの場合、相手が何を伝えたいのか、何に困っているのか、何に不満を抱えているのかといった、相手のニーズを的確に把握し、適切な対応をすることが必要になります。
志望動機では、ただ人と話すことが好きというだけでなく、「お客さまの困りごとを解決して、喜んでもらいたい」といった気持ちも示すようにするとよいでしょう。
面接のポイント
カスタマーサポートは会社の窓口であり、会社の顔となって働く職種であるため、何よりも「人柄」が問われてきます。
人の話をきちんと聞くことができ、丁寧で感じのよい対応ができる人は、面接でも高評価となるでしょう。
逆に、どれだけ優秀で専門的な知識を持っていても、対人関係を築く力が弱いと判断されれば不採用になってしまうこともあるようです。
また、顧客とは基本的に顔の見えないコミュニケーションとなるため、「電話越しでも相手を不快にさせない対応ができるか」「聞き取りやすい声で話せるか」といった点も見られると考えておいたほうがよいでしょう。
未経験者であっても、人柄がよいと判断されれば採用される可能性は十分にあるといえます。
カスタマーサポートへの転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう
未経験や中途でカスタマーサポートを目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。
カスタマーサポートの仕事に詳しい転職アドバイザーから話を聞くことができたり、カスタマーサポートの「非公開求人」の情報を得ることができます。
まだ転職するか迷っている、そもそもカスタマーサポートが自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げることができます。
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