カスタマーサポートの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「カスタマーサポート」とは
メーカーなどの企業において、顧客からの商品や企業に対する問い合わせに応じる仕事。
カスタマーサポートは、メーカーやIT企業、保険会社などさまざまな企業において、電話やメール、チャットなどを用いて、顧客からの問い合わせに対応する仕事です。
企業の「窓口」であると同時に、企業の「顔」として活躍します。
問い合わせ内容は商品やサービスの使用方法から、クレームや苦情、また会社そのものに対する意見・提案などもあります。
学歴はさほど問われず、未経験からスタートする人も多いとされています。
平均年収は300万円~400万円程度がボリュームゾーンとされていますが、「スーパーバイザー(SV)」などマネジメントを担う役職者になると、平均年収も上がる傾向にあります。
顧客を支える、昔から変わらず需要のある仕事ですが、AI(人工知能)の登場によって、今後は人間にしかできないサービスを提供するために、専門知識や高いコミュニケーション能力を持つ人材が必要とされる機会がより増えるかもしれません。
「カスタマーサポート」の仕事紹介
カスタマーサポートの仕事内容
顧客からの問合せ対応が主な仕事
カスタマーサポートの主な仕事内容は、顧客からの問い合わせ対応です。
問合せの対応手段は電話やメール、チャットなど様々ですが、基本的にはマニュアルに沿った返答を行います。
サービスや商品に関する問合せだけでなく、クレームや苦情の対応も業務内容に含まれます。
顧客対応の内容は記録に残す必要があり、事業所によっては電話だけでなくメールやチャットへの返信も業務内容に含まれます。
またカスタマーサポートの仕事は、インバウンドとして電話を受けることが基本でが、折り返し対応や、販売促進の業務が発生した際は電話を発信するアウトバウンドを行うこともあります。
カスタマーサポートの対応品質は顧客が企業を評価する基準の一つでもあるため、サービスや商品に対する正確な理解と丁寧な言葉使いを身につけることが求められます。
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カスタマーサポートになるには
コミュニケーションスキルは欠かせない
カスタマーサポートになるために特別な資格や学歴は必須ではありません。
また未経験でも募集されることが少なくないため、特に職務経験がない場合でも転職することができます。
しかしカスタマーサポートは電話対応がメインの業務となるため、コミュニケーションスキルは必要となります。
またカスタマーサポートは会話ログの入力などパソコン操作が業務に含まれるため、なるためにはブラインドタッチなどのパソコン操作スキルも欠かせません。
カスタマーサポートの学校・学費
学歴よりもスキルが大切
カスタマーサポートの求人は学歴不問で募集されることが少なくありません。
そのため専門的な分野を大学で学んでいることは必須ではありませんが、正社員としての転職であれば四大卒以上もしくは高卒以上が応募条件となっていることもあります。
契約社員やアルバイト、派遣社員としての転職であれば重視されるのは学歴よりもコミュニケーションやパソコンの操作スキルです。
カスタマーサポートを目指すなら学歴よりもスキルを身につけることを重視すべきだといえるでしょう。
カスタマーサポートの資格・試験の難易度
コン検を取得していると転職活動で評価される
カスタマーサポートは資格がなくても働ける職種です。
しかしカスタマーサポートに関連する資格を取得していると、転職活動が有利になり、転職後も評価される可能性があります。
カスタマーサポートの資格としては、日本コンタクトセンター教育検定協会が実施する「コン検」があります。
「コン検」は大きく分けてオペレーションレベルとプロフェッショナルレベルの二つのカテゴリがあります。
それぞれのカテゴリでオペレーター、スーパーバイザー、コンタクトセンターアーキテクチャなど様々な種類の資格があります。
資格の難易度としてオペレーターなど下位の資格は比較的取りやすいですが、コンタクトセンターアーキテクチャなど上位の資格になるほど難易度は上がります。
カスタマーサポートの給料・年収
役職がつけば給料は大きく上がることも
カスタマーサポートの年収は雇用形態によって大きく変化するところもありますが、正社員であれば平均年収は300万円~400万円程度がボリュームゾーンです。
昇給制度を取り入れている会社で働いていると、勤続年数に応じた昇給を期待することができます。
またASV(アシスタントスーパーバイザー)やSV(スーパーバイザー)などの役職がつくと給料は大きく上がることも珍しくありません。
SVからさらにコールセンターのセンター長まで昇進することができれば年収は1,000万円を越えるケースもあります。
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カスタマーサポートの現状と将来性・今後の見通し
専門性を身につけることで長期的に活躍できる
カスタマーサポートは今後も必要とされる職種ではありますが、AIの導入による自動化が進んでいる職種でもあります。
AIが今後急速に普及していけば、現場で必要とされるカスタマーサポートの人数は少なくなっていく可能性があります。
またWEBセルフサービスにおける問題解決が今後より高い品質となり普及すれば、電話対応の必要性は減少する可能性もあるといえるでしょう。
しかし顧客対応の現場ではクレーム対応やイレギュラーな問合せなど、AIだけでは処理できない問合せも発生します。
そのためクレーム対応に強くなる、もしくはIT分野に強くなるなどの専門性を身につけることでカスタマーサポートとしては長期的に活躍できる可能性があります。
カスタマーサポートの就職先・活躍の場
コールセンターで活躍できる
カスタマーサポートの主な活躍の場はコールセンターです。
小規模な事業所だとカスタマーサポートが3~4人で対応しているケースもありますが、大規模なコールセンターであれば100人以上のカスタマーサポートが常駐しているケースもあります。
活躍できる業界としてはネット通販、金融、保険、製造、IT業界などがあります。
コールセンターは個人向けのサービスや商品だけでなく、法人向けのサービスでも必要とされるため、カスタマーサポートになれば幅広い業界で活躍することができます。
カスタマーサポートの1日
カスタマーサポートの1日の業務の流れ
カスタマーサポートの1日は、電話対応を中心となります。
8:30 出社
まずは1日のスケジュールを確認します。
8:45 朝礼
全体の朝礼の後、チームごとに分かれて簡単なミーティングを行います。
9:00 業務開始
電話対応を開始します。
10:30 小休憩
集中力を要するため、他のカスタマーサポートと交代で10分程度の小休憩を取りながら仕事をします。
11:00 メール対応
メールで届いている問合せや注文への返信を行います。
12:00 昼休憩
昼食は、社員食堂で食べることが多くなります。
13:00 午後の業務開始
電話対応やメール対応を行います。
14:00 リーダーに相談
対応が難しいクレームなどがあればリーダーや管理者へ相談し、指示を仰ぎます。
18:00 業務終了
電話対応の終了時間までに必要な入力作業を終わらせて、基本的に定時で退社します。
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カスタマーサポートのやりがい、楽しさ
感謝や喜びの声をかけられることもある
カスタマーサポートの仕事はクレーム対応など、大変なイメージもあるかもしれませんが、業務の割合としては一般的な問合せの対応の方が多くなります。
そのためクレームやトラブルが発生しなければ、基本的には大きなストレスを感じることなく一日を過ごすことができます。
そして長く働くと、知識が増えて対応品質も上がってくるため自分の成長を実感しやすい職種でもあります。
またカスタマーサポートとして長く働いていると、顧客から感謝や喜びの声をかけられる日もあります。
顧客から直接感謝される機会があることも、カスタマーサポートの魅力の一つです。
カスタマーサポートのつらいこと、大変なこと
不規則な勤務体系がストレスになることも
コールセンターによっては24時間365日営業していることが珍しくありません。
そういった夜勤が含まれるコールセンターでカスタマーサポートとして就業すると、不規則な勤務体系で働くことになります。
日勤だけの勤務よりも体調は崩しやすくなってしまうため、不規則な勤務体系がストレスになる可能性があります。
また電話対応をしていると純粋なサービスや商品に対するクレームだけではなく、クレーマーと呼ばれる、クレームをつけることが目的で電話をかけてくる顧客もいます。
こういった顧客の対応にはストレスを感じることもあります。
カスタマーサポートに向いている人・適性
人の話をしっかりと聞くことができるかどうか
カスタマーサポートは、人の話をしっかりと聞くことができる人が向いています。
その理由は、カスタマーサポートの仕事は顧客の電話の意図がどこにあるのか、探ることが最も重要な仕事になるからです。
顧客はカスタマーサポートに連絡してくる際は、何が問題なのかも分からずに混乱しながら電話してくることが少なくありません。
そのため人の話を聞くことができなければ務まらない仕事でもあります。
また相手に問題の解決策を理解してもらうためには、分かりやすく説明する力も必要です。
人と話すことが楽しめる人には向いている仕事でもあります。
関連記事カスタマーサポートに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
カスタマーサポート志望動機・目指すきっかけ
志望動機は自分の言葉で伝えよう
カスタマーサポートの志望動機として「人とコミュニケーションをとることが好き」という内容を主張する人は少なくありません。
このような一般的に使われる志望動機でも問題はありませんが、なぜコミュニケーションが好きなのか、その理由を伝えることができなければ採用担当者に良い印象を残すことができます。
そのため志望動機をまとめる際はできるだけ具体的に自分の言葉で内容をまとめることが大切です。
また「お客様に喜んでもらいたい」、「人の役に立ちたい」など人と話すことが好きであることが伝わる内容であれば、志望動機として評価される可能性があります。
カスタマーサポートの雇用形態・働き方
フルタイムだけではなく柔軟に働ける
カスタマーサポートの仕事はフルタイムで募集されることが一般的ですが、アウトバウンドや通販会社などのカスタマーサポートはパートタイムで募集されることが珍しくありません。
そのためしっかり稼ぎたい場合はフルタイムで働くだけでなく、家庭生活と仕事を両立させるためにパートタイムで働くという選択肢もあります。
会社によっては結婚を機に短時間勤務を選択できるように労働環境を整えている場合もあります。
カスタマーサポートは比較的柔軟な働き方が選択できる職種だといえるでしょう。
カスタマーサポートの勤務時間・休日・生活
シフト勤務なら平日に休みが取得できる
カスタマーサポートはシフト勤務で働いた場合、休みは平日に取得することができます。
シフトで休日が設定される場合、事前に休みたい希望日を提出することもできるため、プライベートは比較的充実させながら働くことができます。
また法人向けのサービスを提供している企業にカスタマーサポートとして転職した場合、休日は土日が基本です。
トラブル対応などがなければ定時で帰宅できる場合が多いため、法人向けのコールセンターならほとんどの場合、規則正しい生活を過ごすことができます。
カスタマーサポートの求人・就職状況・需要
雇用形態を限定しなければ選択肢は多い
カスタマーサポートは都市部に近いエリアであれば、比較的求人は充実しています。
また雇用形態は正社員だけでなく契約社員や派遣、アルバイトなど様々あるため、雇用形態を限定しなければ、求人の選択肢は決して少なくありません。
製品やサービスを販売・提供する際に、カスタマーサポートは欠かせない部門となるため、需要は今後も期待できるといえるでしょう。
しかしカスタマーサポートが活躍するコールセンターではAIの導入など自動化の流れもあるのが実際のところです。
今後はITなど専門性を持っていることがカスタマーサポートの強みになることが予想できます。
カスタマーサポートの転職状況・未経験採用
未経験でも転職できる
カスタマーサポートは未経験でも転職を目指すことができます。
実際に「未経験者募集」の文言を掲げている求人案件は少なくありません。
また現場によっては、日本人だけでなく外国人労働者を採用しているケースもあります。
顧客対応ができるレベルの日本語によるコミュニケーション能力とパソコン操作の基本スキルがあれば、未経験者でも転職できる可能性は充分にあります。
しかし人手不足の現場の場合。短い研修期間で現場に投入されることもあるため未経験の場合は自主的に学ぶ姿勢も大切です。