男子バレーと女子バレーの違い

ネットの高さと最高到達点の違い

男子バレーと女子バレーの大きな違いは「高さ」です。

全日本メンバーの平均身長を見ると男子の平均は約190cm、女子の平均は170cm台の後半となっており、10cm以上の差があります。

身長だけでなく跳躍力にも差があるため、ジャンプしたときに地面から上げた腕の指先までを計測する「最高到達点」はさらに大きな差が生まれます。

そのため男子バレーと女子バレーでは、ネットの高さに約20cmの差があります。

高校生以上の男子のネットは2m43cm、高校生以上の女子のネットは2m24cmです。

バレーボール選手の最高到達点は、Vリーグの女子選手の平均が約2m90〜2m95cm、男子選手の平均が約3m30cmといわれています。

それぞれにネットの高さと最高到達点から計算すると、スパイクを打つときに女子選手はネットの約70cm上、男子選手は約80cm上からボールが打ち込まれることになります。

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最大の違いはラリーが続くかどうか

男子バレーと女子バレーのそれぞれの試合を見ていると、ラリーが長く続くかどうかという差があることがわかります。

男子の試合ではスパイクがネットの上80cm前後から打たれ、そのスピードは時速150km以上といわれます。

非常に高い打点からスピードのあるスパイクが打ち込まれるため、男子の試合においてはスパイクが決まる確率は70%以上です。

高さ、パワー、スピードに優れた男子選手のスパイクは高い確率で決まるため、容易にレシーブすることはできず、ラリーの応酬になることは少ない傾向です。

一方で女子選手のスパイクは、時速が130km前後といわれます。

全日本女子チームの選手でもスパイクの威力は男子高校生の全国大会出場クラス程度で、男子のVリーグクラスと比べるとスピードやパワーはずいぶん劣ります。

そのため、スパイクの半分くらいはレシーブされ、ボールは相手コートに返っていきます。

レシーブのいいリベロがいれば、ラリーの応酬になることも少なくありません。

女子ならではの戦術「ハイブリッド6」

2012年のロンドン五輪で銅メダルを獲得した全日本女子チームは、さらに高いレベルのバレーボールを求めて「ハイブリッド6」と名付けられた新戦術を生み出しました。

ハイブリッド6とはひと言でいえば、ポジションの概念を取り払って選手それぞれが複数のポジションをこなす戦術です。

バレーボールは通常、固定されたポジションがあり、それぞれに担っている役割があります。

しかし、全日本女子の眞鍋政義監督はそのポジションを固定させず、多彩な攻撃から誰でも得点できる戦術を考案しました。

ハイブリッド6においては、セッターの選手がトスを上げる瞬間に、リベロの選手を除いた4人の選手が後方からいっせいにスパイクを打ちにかかるのが、典型的な攻撃パターンです。

実際に、全日本女子チームはこの戦術を用いて2014年のワールドグランプリに臨み、2位という好成績で同大会初のメダル獲得に成功しました。

ハイブリッド6は、スパイクを一発で決めるスーパーエースがいて、高い打点やバックアタックをバンバンと打ち込んでくる男子バレーでは考えられないものです。