バレーボール選手の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「バレーボール選手」とは
Vリーグに所属する企業チームやクラブチームと契約を結び、公式戦や各種大会に出場する。
日本のバレーボール選手とは、「Vリーグ(日本バレーボールリーグ機構)」に参加する企業チームやクラブチームに在籍する選手のことです。
バレーボール選手の仕事の中心は、Vリーグの公式戦や各種大会にチームの一員として出場することです。
バレーボールは日本で人気スポーツの1つですが、所属チームとプロ契約を結ぶ選手はごく一部です。
ほとんどの選手が企業の社員か、1年ごとに嘱託契約を結ぶ契約選手で、収入は同年代のサラリーマンやOLと同じくらいです。
クラブチームにはプロ契約を結ぶ選手もいますが、年俸はやはり同年代の会社員と同じくらいです。
2部のクラブチームには、アルバイトをしながらバレーボールを続けている選手もいます。
その一方で、日本のトップ選手には欧州のクラブチームと高額のプロ契約を結んでプレーしている人もいます。
「バレーボール選手」の仕事紹介
バレーボール選手の仕事内容
バレーボールの技術を発揮して試合で活躍する
日本におけるバレーボール選手とは、「Vリーグ(日本バレーボールリーグ機構)」に参加する企業チームやクラブチームに在籍する選手のことです。
その仕事内容は、Vリーグの公式戦や各種大会にチームの一員として出場することです。
シーズン中(Vリーグは男女とも11月から翌年3月から4月まで)は、チームの一員としてVリーグの公式戦や各種大会に出場することが仕事の中心になります。
シーズンオフは、4月から5月にかけて約1ヵ月で、その間には疲れた体を休め、故障やケガを治したりしてリフレッシュします。
プロ選手や嘱託選手は、契約更改も行います。
企業チームに属する選手の場合、会社でデスクワークなどの仕事とバレーを両立することが多く、必ずしもバレーボールだけをして生活するわけではありません。
関連記事バレーボール選手の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
バレーボール選手になるには
高校・大学のうちから大会の活躍を目指す
Vリーグのバレーボール選手になるには、まず、高校や大学の大きな大会で活躍することです。
プレーが評価され、Vリーグのチーム関係者の目に止まれば勧誘され、卒業後チームに入れる可能性が高くなります。
ただし、バレーボールの場合、高校や大学で全国大会に出場する学校はほぼ固定されています。
そうした現状を考えれば、全国大会の常連校である高校や大学へ進学する方が有利になります。
また、Vリーグに参戦する企業チームは、基本的に新人勧誘のためのトライアウトを行っていません。
しかし、大阪市堺市をホームタウンに男子プレミアリーグへ参戦するクラブチーム「堺ブレイザーズ」は、毎年、新入団選手のためのトライアウトを実施しています。
高校・大学で活躍したとしても、Vリーグのどのチームからも勧誘されず、こうしたトライアウトを受ける選手は少なくありません。
関連記事バレーボール選手になるための道のり・チーム入団時の募集資格とは?
バレーボール選手の給料・年収
同年代の一般的な会社員と同じくらいの収入を得る人が多い
バレーボールは、日本で人気スポーツの1つですが、所属チームとプロ契約を結ぶ選手はごく一部です。
ほとんどの選手が企業の社員か、1年ごとに嘱託契約を結ぶ契約選手で、収入は同年代の会社員と同じくらいです。
多少の手当てがプラスされたとしても、主力選手で手取りが月額20万から40万円台といわれています。
嘱託契約を結ぶケースは、契約は1年ごとで現役引退後の保障もないため、身分的にはアルバイトと同程度で、年収は200万から700万円といわれています。
関連記事バレーボール選手の年収はいくら? Vリーグのプロ選手の年俸を詳しく解説
バレーボール選手の現状と将来性・今後の見通し
バレーボール人気の復活が望まれる
1980年代から世界的にバレーボールが普及すると全日本の成績が低迷し、国内のバレーボール人気も衰えました。
その一方、Vリーグには、「クラブチーム」という新たなチーム形態が現れ、企業チームに比べ、クラブチームには謙虚な態度でひたむきにバレーボールに取り組む選手が目立つと人気を集め始めました。
これからは大企業に頼るのではなく、地元の協賛企業とサポーターによって支えられるクラブチームが増え、よりVリーグを活性化させていくことが、日本のバレーボール復活のカギといわれています。
バレーボール選手の就職先・活躍の場
企業チームやクラブチームの所属が一般的
バレーボール選手が所属するのは、Vリーグ(日本バレーボールリーグ機構)」に参加する企業チームやクラブチームです。
バレーボールの場合は基本的に土日に試合が行われ、チームの一員としてチームのスケジュールに従って行動します。
試合はJリーグやプロ野球のようにホームやアウェイという方式ではないため、全国各地の試合会場を転々とします。
シーズンオフは、スポンサーとの契約によってイベントや講演会、バレーボール教室に参加したり、テレビやラジオなどに出演したりすることもあります。
バレーボール選手の1日
土曜日・日曜日の試合に備えてチーム練習をする
バレーボール選手の1日のおもな過ごし方は、週末に行われるリーグ戦の試合に向けてチーム練習を行うことです。
企業チームの社員選手は午前中は出勤して社業を行い、午後からチーム練習に参加します。
企業チームの嘱託選手やプロ選手、クラブチームの選手は社業はなく、平日はチーム練習と個人トレーニングのみを行います。
土曜日と日曜日にリーグ戦の試合があり、試合会場がホームタウンから遠い場所であれば金曜日に開催都市に移動しておきます。
<試合日のバレーボール選手の1日>
<練習日のバレーボール選手の1日>
関連記事バレーボール選手の1日・生活スタイルは? オフシーズンの過ごし方も紹介
バレーボール選手のやりがい、楽しさ
チームの勝利に貢献すること
バレーボールはチームスポーツなので、自分のプレーによってチームに貢献し、試合に勝つことが大きなやりがいになります。
また、高校や大学からVリーグのチームに入っても、レギュラーとして出場できる選手はほんの一握りのため、プレーが評価され自分の地位が一つずつ上がっていくことも大きなやりがいになります。
さらに、チームの主力選手として活躍できるようになれば、全日本のメンバーに選ばれオリンピックや世界バレーなどでプレーするチャンスもあります。
バレーボール選手のつらいこと、大変なこと
トップ選手として活躍する難しさ
Vリーグは、最上位のプレミアリーグの男女8チーム、チャレンジリーグの男子11チーム、女子10チームで成り立っていて、各チームに所属する選手の数は、平均で20人ほどです。
1チームの選手がとても少ないため、まず選手になること自体が狭き門です。
また30歳前後で現役引退というケースが多く、よほどのスター選手でなければ、現役生活を長く続けることは難しいです。
企業の社員選手なら、現役引退後も会社員として残ることはできますが、バレーボールからは離れた生活をしなくてはなりません。
バレーボール選手に向いている人・適性
バレーボールが好きで日々地道な努力を継続できる人
最近、日本のバレーボール界ではクラブチームが注目され始めました。
スポンサー集めから自分たちで行う厳しい環境に身を置き、人間としてひと回りも、ふた回りも成長することで、世界の荒海でも通用する選手を育てていこうというバレーボール関係者が増えているからです。
そんなチームでは、バレーボールのスキルや知識はもちろんですが、バレーボールを続けるために努力ができることが必要とされます。
努力を努力と思わず、日々地道に頑張ることのできるプロ中のプロが求められています。
関連記事バレーボール選手に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
バレーボール選手の雇用形態・働き方
企業と契約して選手になる形が一般的
Vリーグの選手の多くは、企業チームの社員選手か、嘱託契約選手です。
社員選手は、一般的な会社員と同様に会社の部署に配属されています。
嘱託契約の選手は、会社の仕事をする必要がありません。
給料をもらってバレーボールに専念すればよいため、欧米などではプロ選手とみなされています。
プロ契約選手は、チームとの契約に加え、スポーツメーカーや協賛企業など複数の契約を結んでいる選手が多く、トップ選手には欧州のクラブチームと高額のプロ契約を結んでプレーしている人もいます。
バレーボール選手の勤務時間・休日・生活
企業の選手は仕事をしながらバレーボールをする
企業と契約しているバレーボール選手は、会社員として働きながら、バレーボール選手として活躍します。
シーズン中はバレーボール漬けの生活を送りますが、オフシーズン中は午前中に出社して午後から練習など、会社内の仕事もこなさなくてはなりません。
ほとんどは内勤や事務作業などの簡単な仕事のようですが、顔が売れているため、営業などを任されることも多いようです。
仕事とバレーボールを両立させる大変な生活ではありますが、引退後もその企業に残り仕事をする道が与えられます。
バレーボール選手の求人・就職状況・需要
求人数が少なく厳しい道のり
バレーボール選手は求人数が非常に少なくなっています。
もともとチームの数の少ない上、増員も「有力選手がいた場合」「欠員が出た場合」など非常に限られています。
また、バレーボールのみならず、不況のため企業もスポーツに予算を割くことができず、規模を縮小したりチームを廃止したりするところも少なくありません。
こうした状況の中、バレーボール選手になるのは非常に狭き門となり、高校・大学在学中によいプレーを出して一定の評価を受けられる成績を残しておくことが必須です。