診療情報管理士の現状と将来性

診療情報管理士の現状

診療情報管理士経験のある人からよく聞かれる現状のひとつに、診療情報管理業務に対する周囲の理解が進んでいない、という意見があります。

周囲がデータ管理・活用業務の重要性を理解していないため、一般医療事務業務のかたわら診療情報管理業務も申し訳程度に行っている、という有資格者も多いようです。

こういった勤務環境にいる診療情報管理士は、せっかく専門的な勉強をして難関試験に合格したのに、資格が浮かばれない、という思いを抱いています。

診療情報管理士を置くことで、患者一人当たりにつき診療報酬点数が付くようになったのが2000年からと比較的最近のことです。

この診療報酬改定により診療情報管理士を置く医療機関は増えましたが、その業務の重要性を理解して運営に最大限活用している組織はまだ少ないというのが、背景にある理由のようです。

また、民間病院では少しでも経営にプラスになるようにと、診療情報管理士を採用し、診療報酬点数を稼ごうとします。

しかし実際は診療情報管理よりも、より目に見えるニーズのある医師事務作業補助業務を任される、という現状もあるそうです。

診療情報管理士の将来性

有資格者がフラストレーションを感じやすい現状ですが、将来的に認知度が高まり、医療産業内での重要性が増すことはあるのでしょうか。

近年、急性期(初期対応)医療機関ではDPC(包括医療費支払い制度方式)の導入を勧めることで収入増加を目指しています。

DPCの使用には疾病ごとに定められたICD10(国際疾病分類第10版)が必要で、ICDコーディングの専門知識を持った診療情報管理士を活用することがキーポイントになるからです。

また、医療訴訟の増加にともない、カルテ開示の際のカルテ点検にも、診療情報管理士の能力が活かされます。

このように、医療機関内でのIT化や制度改変が進むことで、診療情報管理士の重要性は増していく可能性が高いといえます。