裁判官の現状と将来性

裁判官の人数と負担

2016年4月現在、簡易裁判所を除いた全国の裁判所で、2,944人もの裁判官が働いています。その一方で、平成23年度は、349万4,001件の訴訟が新たに裁判所に係属しています。

訴訟は取り下げられないかぎり、一定の結論を出さなければなりませんし、何年にもわたってようやく審理が終結する場合も少なくありません。この数字だけ見ても、裁判官1人当たりの負担がいかに大きいかが分かるでしょう。

近年の司法制度改革により、法曹人口が着実に増えてきているものの、裁判官の質を担保する必要がありますので、これから先も、裁判官の人数が急に増えるわけではありません。

高度に専門的な仕事であるということ内容に加え、膨大な件数を裁かなくてはならないというプレッシャーを感じつつ、日々の業務に当たっている裁判官も多いようです。

裁判員裁判における裁判官への期待

刑事裁判においては、平成21年5月21日より裁判員裁判が開始されました。国民の感覚を裁判へ反映させることを目的として始まったこの制度により、裁判の進行は大きく転換しつつあります。

たとえば、審理の中ではできる限り法律の専門用語を用いずに、かみ砕いたわかりやすい言葉に言い換えたり、取り調べる証拠も裁判員の心情に配慮した工夫がされたりするようになりました。

こうした変化により、裁判官は裁判員にも分かりやすい進行となっているか、検察官・弁護人の主張を十分にくみ取れているかを配慮しつつ、訴訟を進行していくという難しい役割をも担うこととなりました。

これからの日本の刑事裁判がより国民に分かりやすいものとなるには、裁判官の訴訟指揮にかかっているといってもよいでしょう。このような意味で、裁判官への国民の期待は高まっています。