臨床工学技士のつらいこと、大変なこと、苦労

自分で道を切り開く

臨床工学技士が現場に出て働くうえで大変なことのひとつとして、「認知度の低さ」が挙げられます。

就職した施設に先輩技士がいればまだ良いですが、臨床工学技士は比較的新しい職業であるため、初めての採用というケースもあります。

そうなると、部署の立ち上げから行っていく必要があります。

医局、看護部、薬剤部などたくさんの部署に自己紹介をしながら、自分のやれることを周囲に広め、仕事の幅を広げていく姿勢が求められます。

医療現場は「チーム医療」で動くため、他の部署との連携がとれないとスムーズに業務が流れていきません。

誰かが作った道をそのまま歩むのではなく、自ら道を切り開く勇気も求められるでしょう。そこに多大なパワーを使って疲れが溜まってしまうこともあります。

現場によって業務内容に差がある

医療の歴史の中で新しい資格である臨床工学技士は、必要とされる仕事はたくさんありながらも、現場によっては限られた業務しか任されないことがあります。

実際、同じ医療職のスタッフにも、「臨床工学技士は医療機器の点検だけを行う人」と勘違いされることがあります。

たとえば透析クリニックにおいて、本来、臨床工学技士の業務の一つである「穿刺(せんし)」をさせてもらえなかったり、患者さんとのやりとりは現場に長く勤める看護師が行い、工学技士は機器や水装置の点検だけを行うといったケースもあるようです。

せっかく専門的な勉強をして臨床工学技士になったにも関わらず、なかなか思うように働けないと悩む人は決して少なくありません。

臨床工学技士はまず、この壁を乗り越えていくことからはじめていかねばなりません。そのためにも、他部署との交流を密にして自分たちの仕事の幅を広げていくことが最初の苦労となります。

緊急の呼び出しがある

このほか、臨床工学技士が苦労する内容のひとつに、緊急の呼び出しがあることが挙げられます。急性期医療の施設で働く臨床工学技士には、あまり自由な時間がありません。

慢性期医療の施設の場合は緊急の呼び出しはさほど多くありませんが、一般的な病院においては、患者さんが救急車で運ばれてくれば、どのような状況でもすぐに対応しなければなりません。

そこでの臨床工学技士のおもな仕事は、医療機器の手配、準備、設置です。

仕事の初めと終わりがはっきりしないことから、あまり気を抜くことができないのもこの仕事の宿命です。

これは、医療関係で働く者であれば誰もが負うリスクですが、自分のミスが患者さんの命に関わる重大事故につながる起こる危険性もあるため、精神的なプレッシャーを抱え続けなくてはなりません。

体力だけでなく、精神力も要するところはこの仕事の大変な面です。