女性の臨床工学技士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の臨床工学技士の現状

臨床工学技士の全体数における女性技士の割合は、おおよそ25%~30%程度といわれ、まだまだ男性技士のほうが多い職種です。

その理由として、臨床工学技士が学ぶ工学系の分野に興味のある人には、男性のほうが多いといったことが挙げられるでしょう。

しかし臨床工学技士の存在意義が広く知られるにつれ、女性技士の割合は年々増加傾向にあります。

臨床工学技士の職場では、手術時間の延長や救急の患者さんの対応などにより残業が長引いたり、24時間体制への移行による夜勤の増加など、出産・育児に不利な状況も時として見られます。

そんななか、女性の臨床工学技士も働きやすいような配慮がなされている医療機関も増えてきているようです。

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女性の臨床工学技士の強み・弱み

女性の臨床工学技士は全体ではまだ少数ですが、女性ならではの強みを発揮することもできます。

女性ならではの細やかさにより、医療機関で大きな医療機器を前にして不安になってしまう患者さんの気持ちをいち早くくみ取り、声掛けや丁寧な解説をしたりして不安を取り除くことができます。

こういったことは女性でなければできないことではありませんが、男性よりも女性のスタッフが対応することで安心できるという人は一定数おり、女性技士のニーズがうかがえます。

とくに患者さんがまだ子どもの場合は、女性スタッフによるやさしい説明や寄り添いがあると、落ち着いて治療を受けやすい傾向があるようです。

一方で、女性技士ならではの苦労する点もあります。

前述のように、臨床工学技士は突然の残業が発生しやすかったり、オンコール勤務や深夜勤務など、職場によっては子どもがいるとフルタイムで働くことが難しい場合があります。

また男性よりも力が弱い人が多いため、重量のある医療機器の準備や片付けの際は、場合によっては男性スタッフの手を借りなければならないこともあるでしょう。

男女スタッフそれぞれが良さを生かし、協力して業務に当たることで、より良い職場環境を築いていくという意識が大切であるといえます。

臨床工学技士の結婚後の働き方・雇用形態

女性の社会進出にともない、臨床工学技士の勤務する医療機関などでも、女性にとってより働きやすい環境作りをしようという動きが広まっています。

たとえば、通常勤務時だけでなく深夜勤務時にも利用できる保育施設を併設したり、職場外の保育施設を利用している人には補助金を支給してくれる職場もあるようです。

また産休や育休の取得実績があったり、時短勤務に対応する職場も年々増えてきています。

結婚後のことを考えるなら、あらかじめそのような職場を探して就職し、正職員として勤務を続けるのもよいでしょう。

それ以外にも、子どもが生まれてしばらくはパート職員として昼間のみ働きながら実績を積み、子どもがある程度手を離れたら再び正職員として勤務するという方法もあります。

日進月歩で進化を続ける医療・機材の変化についていくためには、どのような勤務形態でもよいので臨床に立ち続けることが重要です。

さらに近年では、臨床専門工学技士の認定制度も一般化しつつあります。

より専門的な分野での実力を担保するため、臨床経験に加え研修や試験を受けて、専門工学技士の認定を受けておくのも再就職の一助となるでしょう。

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臨床工学技士は子育てしながら働ける?

臨床工学技士が子育てしながら働けるかどうかは、職場の勤務体制や福利厚生、子どもの年齢や預け先の状況によります。

とくに、残業が多く発生する、深夜・当直勤務が発生するなど、一般の保育施設でカバーできない場合には勤務を続けるのが難しくなります。

院内に臨床工学技士も利用できる保育施設が併設されている場合、出勤から退勤まで子どもを預けられるので、正職員としてずっと働きたい場合はそのような施設のある職場を選ぶのも手です。

産休や育休制度は、最近は正職員であれば認められている職場が多いですが、認められていない場合は退職は免れません。

その代わり、臨床工学技士は正職員の他にアルバイトやパート職員の募集も多くあるため、子どもを預けられる昼間の時間帯や、深夜勤務のみを担当するパート職員として働く方法もあります。

出産・育児を考えている場合は、産休育休の取得実績や保育施設の有無なども考慮に入れて職場選びをするとよいでしょう。

臨床工学技士は女性が一生働ける仕事?

医療の発展にともなって、臨床工学技士の扱う医療機器も常に発展し続けており、ゆくゆくはAIを搭載した医療機器も世に出るかもしれません。

しかし、医療機器が病気を持つ患者さんに対して扱うものである以上、有事に備えて監視をしたりメンテナンスをする人材はいつの時代でも求められるでしょう。

その点、医療機器のプロフェッショナルである臨床工学技士の職務は、子細にわたっては形を変えながらも、常に必要とされるものであるといえます。

また出産や育児に関しても、今後女性がさらに社会進出することで女性経営者も増え、より女性に優しい職場環境の病院も増える可能性があります。

常に進歩する医療や機材に対応できる向学心を持ち続けること、人生のステージに合った働き方を柔軟に選ぶことが、女性の臨床工学技士が一生第一線で働き続けるために必須の事項といえます。