日本語教師の苦労、つらかったこと

初めての授業

私の日本語教師としての初めてのキャリアは、タイでした。

一番心配だったのは、日本語教師としての指導方法です。日本語教師の実習以外は全く初めてのことでしたので、最初は教壇に上がって学生の顔を見るだけで緊張していました。

幸い、タイ人の日本語教師の親切な方に、授業の相談をいろいろとすることができました。ベテランの教師で、学生からの人気があり、私はこの教師の授業の見学をお願いしました。

そして、私のお願いを快く承諾してくださり、約2週間の見学をしました。教師としての話し方、学生への助言の仕方、そして流暢な日本語での直接法の指導方法など、学ぶことはたくさんありました。

しかし、自分がいざこの先生のように自分の授業をしようと思ってもなかなかうまくいきません。

学生の大騒ぎは止められないし、説明をしても学生の反応がつかみきれない、まして、自分は日本人なのに日本語をタイ人の先生のように説明できない。私は自分の能力やスキルのなさに肩を落としました。

ある時、そのタイ人教師から、人それぞれ教え方はあるものだから自分の授業のスタイルを作るといいとアドバイスを頂き、改めてもっと日本語の教え方を勉強しなくてはと思うようになりました。

価値観の違いからくる苦労

苦労や嫌に思うことはいろいろありました。もともと住みたかった国なので、気候や食べ物には抵抗はありませんでしたが、タイの人の考え方に慣れるまでには苦労しました。

タイでは物事が予定通りに進みません。時間を守るということは珍しいぐらいですし、約束を交わしても守るという感覚がないのです。

学校でも、学生たちは授業時間に平気で遅れてきます。1人や2人の学生ではなく、大半の学生が遅れてきます。学生ばかりではなく、タイ人の日本語教師と待ち合わせをしても、約束通りに来ることはありません。

初めのうちは、タイ人を信じられなくなることがありました。しかし、これは私がタイの習慣や価値観を知らなかったからにすぎません。

タイの社会にはこの国で築き上げられた価値観があります。日本人的な発想でタイ人とお付き合いすると、小さなトラブルは簡単に起こります。

文化の違いによるちょっとしたすれ違いが、日本語教師として苦労することの一つです。

仕事体験談