日本語教師は日本人代表になる仕事

投稿者プロフィール

日本語教師(オーストラリア) C.Dさん

30代前半(就労時) 女性経験:5年0ヶ月

退職済み / 契約社員

投稿者の仕事満足度

総合満足度
4.00
仕事内容
4.50
やりがい
5.00
働きやすさ
3.50
給料・年収
3.00
休日・待遇
4.00
成長・将来性
4.00
メッセージ

日本語をこれから学びたいと思っている人は世界中にいます。

その目的は仕事だったり、趣味だったり、旅行目的だったりと様々です。

日本語学校で教えるのは言語の「日本語」ではありますが、教科書通りのものだけではなく、「生きた(活きた)日本語」で日本の文化・習慣・生活・マナーなどを教える事が大事だと思います。

私がオーストラリアの語学学校で勤めていた時は、やる気に満ち溢れた生徒さんばかりで、反復練習も自分なりにアレンジして面白くして文章を作る人が多かったです。

そして、その反復練習の中から私が学ぶことも多々ありました。

これから日本語教師を目指す方には、ぜひ、ただ日本語を教えるだけではなく、日本の文化や習慣、歴史などと共に日本語を使った生活についてもぜひ伝えていってほしいです。

仕事内容

オーストラリアにある日本語語学学校に勤務していました。

オーストラリアでも、日本語教育能力検定試験合格者、または日本語教師養成講座420時間を修了していることを求人条件にしていることが多いです。

私は日本語教育養成講座420時間を修了し渡豪を決断しましたが、日本と同様オーストラリアでも、国内の定めた教員免許を持っていないと公立の学校では働けないので、民間の語学学校で教えていました。

アドミン(事務)から学期ごと(基本的には1年間は同じクラスを担当しました)に担当のクラスを割り振られ、与えられるコマ数は生徒の人数によって左右されます。

オーストラリアには、各都市にいくつかの日本語語学学校がありますが、各学校の規模としては日本に比べたら小さいのでクラスも小さめです。

プライベートレッスンとグループレッスンがあり、私が勤務していた学校のグループレッスンは最大で8名までで、日本の学校とは大分人数が少ないと感じました。

日本にある学校の場合、既に日本滞在可能なビザが下り、日本で生活をし始めている外国の方々ばかりなので、各学校の生徒数は比較的多いですが、オーストラリアの生徒数は流動的です。

他の先生と一緒に同じクラスを掛け持ちする場合は、スケジュールに沿って指導が終わるよう常に心がけていました。

また、先生によって教え方が違うなどがないように、お互いに声を掛け合って仕事をすることも重要です。

その他に、新しく学校に通うことを検討している方で既に日本語を勉強したことのある人には面接とカウンセリングを行い、レベルチェックなども行なっていました。

なるには

日本で日本語教師養成講座420時間を受講、修了しました。

養成学校に通っていた頃は平日は仕事があり、週末・祝日の仕事のない日、仕事帰りに講座受講していたので、勉強する楽しさを感じつつも、休みがなかったのはとても大変でした。

講座修了後、海外での日本語教師の仕事を紹介するサイトを利用し、希望した英語圏の職場へ派遣されました。

プログラム終了後、一旦日本へ帰ったものの、また同じ都市に戻り、求人募集を見つけ応募し、面接・模擬授業を経て就職しました。

やりがい

一番のやりがいは、全く日本語を知らなかった生徒さん達がどんどん成長して、日本語だけで会話ができることようになった時はとても嬉しく思いました。

また、日本語能力検定試験対策クラスを受講していた生徒さんからの合格連絡をもらったり、最初のひらがなから、ずっと長く教えていた生徒さんが日本へ留学したり、日本企業に就職が決まったりした人もいたので、そのお手伝いができたことは私にとっても自信へと繋がりました。

日頃のレッスンでも、生徒さんの顔や反応を見て「今日の授業はとても上手に伝えられた」と実感することもありましたし、また逆に反復練習をしていても、使い方が少しおかしかったりすると自分の教え方が悪かったんだと気付かされるので、私も日々学ぶことが多かったと思います。

つらいこと

日本語を教えることが好きなので、仕事に関してつらいと感じたことはあまりありませんでした。

強いて言えば、クラスで生徒間でレベル差があり、どちらかに合わせるとクラスの進行が上手くいかなくなったり、他の生徒さんの満足度が下がってしまうのでバランスを取るのが大変なこともありました。

他には日本語教師の専任枠は少ないので、非常勤で授業数、つまり収入が安定しないのが常ですので、その点に関してはどこで働くにしても覚悟が必要だと思います。

向いてる人

授業をしている時、生徒さんの反応を見て、教え方を変えたり、例えを変えたりする必要があります。

その為、教えるのが好きなことはもちろん、話すことが好きで相手の気持ちを察することができる人が向いていると思います。

また、ただ教えるだけではなく、どうやったら理解しやすくなるか、面白い授業になるかなどを積極的に考え、活きた日本語と生活習慣などを教える「日本人代表」として、常に新しいことにも敏感になれるようアンテナを張っている必要があります。

志望理由

中学高校生の頃から何となく国際的な仕事に就きたいと思うようになり、気付くと日本語教師という職業に憧れを感じていました。

大学3年生で就職活動をする時期になってから、日本語教師として就職するという選択肢も考え、実際に日本語学校見学へ行きました。

そして、当時働かれていた先生に話を聞く機会をいただき、その際に言われた言葉が今でも良いアドバイスとして心に残っています。

それは、「日本語教師は日本語を教えるだけが仕事じゃない。実際には日本の文化や生活、習慣など日本語の次にあるものを教える仕事なので、社会人経験を積んでから日本語教師になっても遅くない。むしろ、経験をしてからの方が言語を教える上で説得力が生まれてくる。」というものでした。

私も実際に日本語教師という仕事をしてみて、これからこの仕事に就きたいと考えている方には同じ言葉をかけたいと思っています。

働きやすさ

職場の雰囲気は学校、先生によるかと思いますが、一般的には女性が多い職場だと感じます。

経験が浅い場合は非常勤からスタートし、専任になれるのも一握りです。

授業数(コマ数)は生徒数によって流動的なので、安定を求める方には抵抗があるかもしれません。

給料・年収

オーストラリア国内の物価高騰により、10年前と今では最低賃金も変わったと思いますが、私が働いていた頃は16〜18ドル/時間程(当時で時給1500円前後)でした。

語学学校は民間企業になるので、学校によってお給料や待遇も変わってくると思いますが、私が働いていた学校はお給料が少ない方だったように感じます。

生徒数は流動的で、生徒が多い時は与えられるコマ数(授業数)が多くお給料も増えます。

しかし、生徒さんが長期休暇を取ったり、何らかの理由で辞められた場合は、フルタイム(専任)の先生に優先的にコマ数を与えられてしまうので、その他のパート(非常勤)のスタッフ分のコマ数が減り、お給料は安定しませんでした。

私が働いていた学校は有給休暇はありましたが、病欠などの場合はお給料が出ず、授業準備は家でしていましたが、もちろんこれもお給料には反映されませんでした。

休日・待遇

語学学校なので、基本的に生徒さんの「仕事または学校終了後、または仕事や学校のない週末」が勤務時間となります。

また、仕事がない日も学習プランを立てたり、準備をしたりしますが、その時間は勤務時間には入りません。

さらに、私が働いていた学校は有給休暇はありましたが、その他の福利厚生はありませんでした。

語学学校勤務の場合、家族との生活バランスを取るのが大変になるかもしれません。

私は勤務時間が遅い時間になり、家族との時間が少なくなってしまったので、学校勤務は辞め、フリーランスで働くことにしました。

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