棋士の需要・現状と将来性

棋士の現状

棋士は厳しい勝負の世界で、知力・体力をかけて戦っているため、スポーツ選手と同様に多くの人から尊敬される存在です。

天才ゆえに常人離れした独特の魅力を放つキャラクターから、加藤一二三九段ことひふみんや、元棋士の株主優待名人の桐谷さんなど、テレビで活躍しお茶の間から愛されている棋士たちもいます。

ただし将棋業界を見てみると、競技人口は減りつつあるのが現状です。

レジャー白書の調査によれば、将棋人口は2010年に1,200万人でしたが、2015年には530万人まで落ち込んでいます。

その後藤井聡太棋士の人気を受けて170万人も増加え、2017年には700万人に増加しましたが、一時期に比べると減少しているのです。

参考:日本レジャー白書

お父さんくらいの世代では、子ども時代に将棋をして遊んだという人も多いでしょうが、昨今はテレビゲームやインターネットなどの新たな文化の誕生で将棋をする人も少なくなりました。

そのためこれからはいかに将棋を存続させ、盛り上げていくのか将棋界の課題になっています。

棋士の将来性を語るには、将棋の普及が絶対条件です。

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棋士の需要

棋士は日本将棋連盟に所属していますが、その収入源はタイトル戦を主催するスポンサー企業からの契約金で成り立っています。

しかし現在は、スポンサーからの資金も確保しにくくなっている現状が課題です。

将棋会のスポンサーの多くは新聞社ですが、これまでに新聞の片隅に将棋の棋譜や図解を見たことがある人もいるでしょう。

その昔、将棋は多くの人の関心ごとであり、新聞社がタイトル戦を開催し、その棋譜や解説を掲載することにより新聞が売れることがありました。

しかし今では、新聞を読む人の中にも棋譜に関心がない人も多くなってきたことから、そのあり方を見直す新聞社もあるようです。

また新聞社の経営も厳しくなってきているので、安定したスポンサーを獲得することは難しくなりつつあります。

棋士の将来性

敷居を低くし多くの人へ

棋士の将来性、および将棋界の存続のために、日本将棋連盟もさまざまな策を打っているのが現状です。

たとえばインターネットを活用をして無料動画サイトで対局の様子を配信するなど、将棋の魅力を多くの人に伝えようとしています。

また将棋連盟も女流棋士の立場を確立することにより、女性の意見を取り入れるようになりました。

今まで男性社会で敷居が高いイメージがあった将棋をよりわかりやすく、多くの人に伝えるために、女性やファミリー層との交流会なども多く企画されています。

AI技術を活用

また最近では、AI技術を活用する棋士も多いです。

プロ棋士と最強コンピュータが対決する「将棋電王戦」は注目度が高く、ニュースなどで目にしたことがある人もいるでしょう。

圧倒的に強いソフトが誕生した場合、棋士の将来性を不安視する声もありますが、勝負にかける喜怒哀楽の感情や対局で見られる人間臭いドラマは、AIには真似することができません。

そのため、棋士という職業がなくなることはないといわれています。

むしろさまざまな局面を想定してソフトを使って練習している棋士も多く、技術変化を柔軟に取り入れ、活用する力も必要でしょう。

最近の将棋愛好家の中には、スマホやタブレットを使って、ネット上で将棋を楽しむ人も増えています。

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棋士の今後の活躍の場

棋士の活動の場は、どのようにも広げていくことができるでしょう。

対局がない時間はどの棋士も自由に使うことができるので、地域の将棋教室で指導したり、講演会を行ったり、イベントを主催するなど将棋の普及活動を行っている棋士もいます。

また有名棋士になるとテレビ、CMなどに出演し副収入を得るほか、お茶の間から愛されれば引っ張りだことなり、タレントのように活動することも可能です。

さらに将棋の知識を生かしてゲーム開発会社とコラボするなど、異業種と大きな仕事を成し遂げている棋士もいます。

将棋人気は世界に広がりを見せており、国際大会も開かれているため、今後は日本人棋士の海外での活躍も期待できるかもしれません。

棋士としての才能や人間性を生かして、自由に活躍のチャンスを作ることができる仕事です。