家庭裁判所調査官の役割

家庭裁判所の理念

家庭裁判所の理念は「家庭に平和を、少年に希望を」であり、家庭内で起こる紛争や少年の犯した非行による事件などを扱っています。

家族内の紛争や少年の非行を、通常の訴訟手続きのように公開裁判による審理や刑罰を科すといった法律的解決で対処すると、その事件を引き起こすに至った感情的な対立が解消されないままで終わってしまいます。

それは家族や少年の将来にとって好ましい結果をもたらすとは限りません。

そのため、家庭裁判所では事件の背景にある複雑な人間関係や環境なども考慮し、より良い将来につながるような解決策が求められます。

家庭裁判所調査官の役割

家庭裁判所の理念に基づき、家庭裁判所調査官の役割としては、大きく2つあげられます。

ひとつは、裁判官が審判する上で決定材料となる事実調査、もうひとつは人間関係の調整や、教育的な働きかけといった調整や援助です。

家庭裁判所調査官は、事件の原因や背景といった事実関係の調査だけでなく、心理学や社会学などを活用しながらより事件の根底に潜む問題について丁寧に調査を行います。

調査は家庭裁判所の裁判官の命令によって始まり、当事者や関係者からの面接などを通して得られる多くの情報に基づいて、公平で中立、客観的な視点から調査をし、報告書を作成します。

また、家庭裁判所調査官は、事件の当事者である個々の家族や少年と向き合い、抱える問題について共に考えます。

その際には、どのような解決策が将来の家庭や子どもに利益をもたらすのかという観点から取り組みます。

ときには、離婚紛争中の家庭の子どもの気持ちを両親に伝えて家族関係の改善を促します。

また、非行を犯した少年とボランティア活動などに共に参加しながら内省を促し、少年の立ち直りを支援することもあります。

裁判官の補助役

家庭裁判所では、裁判官や裁判所書記官など他の職種とチームで事件に取り組みます。

裁判官は、家庭裁判所調査官の報告書に基づき審判を行い、調停や審判の場に同席し、意見を述べる権限ももつなど、家庭裁判所調査官の調査は非常に重要な役割を担います。