学芸員になるには

学芸員として働くためには、学芸員の資格を取得することが必要です。学芸員の資格を取得する方法は大きく4つに分かれます。ですが、学芸員の資格を取得している人のほとんどは、「1.大学で必要な科目を履修する」のルートです。

1.大学で必要な科目を履修する

下記のいずれかを満たすことで、学芸員の資格を取得することができます。
<博物館に関する科目を修得>
大学で文部科学省令の定める博物館に関する科目を修得した後、大学を卒業し、学士の学位を取得すると、学芸員の資格が授与されます。必要な科目を履修できる大学は、全国に297校(4年制大学288校、短期大学は9校)あります。
文部科学省 学芸員開講大学一覧

博物館に関する科目とは、生涯学習概論2単位、博物館概論2単位、博物館経営論2単位、博物館資料論2単位、博物館資料保存論2単位、博物館展示論2単位、博物館教育論2単位、博物館情報・メディア論2単位、博物館実習3単位です。

2.単位+学芸員補経験

大学に2年以上在学し、博物館に関する科目の単位を含めて62単位以上を修得したもので、3年以上学芸員補の職に就いた場合においても学芸員の資格が授与されます。

3.学芸員資格認定試験に合格する

下記のいずれかの条件を満たしていれば、学芸員資格認定試験を受験することができます。

1.学士の学位を有する者
2.大学に二年以上在学して六十二単位以上を修得した者で二年以上学芸員補の職にあった者
3.教育職員の普通免許状を有し、二年以上教育職員の職にあった者
4.四年以上学芸員補の職にあった者

試験は必修科目8科目と選択科目2科目の筆記試験です。平成23年度の合格率は62%でした。
学芸員資格認定の難易度、合格率

なお、学芸員試験認定に合格後、一年間「学芸員補」として働くことで、「学芸員」の資格を取得することができます。

4.学芸員資格認定審査に合格する

下記のいずれかの条件を満たしていれば、学芸員資格審査を受けることができます。審査内容は書類審査と面接です。

1.修士若しくは博士の学位又は専門職学位を有する者であって、二年以上学芸員補の職にあった者
2.大学において博物館に関する科目(生涯学習概論を除く。)に関し二年以上教授、准教授、助教又は講師の職にあった者であって、二年以上学芸員補の職にあった者
3.次のいずれかに該当する者であって都道府県の教育委員会の推薦する者
(1)学士の学位を有する者であって、四年以上学芸員補の職にあった者
(2)大学に二年以上在学し、六十二単位以上を修得した者であって、六年以上学芸員補の職にあった者
(3)大学に入学することのできる者であって、八年以上学芸員補の職にあった者
(4)その他十一年以上学芸員補の職にあった者
4.その他文部科学大臣が前各号に掲げる者と同等以上の資格を有すると認めた者

学芸員資格認定の難易度、合格率

採用は狭き門

学芸員として働くにあたって資格取得はあくまで前提条件であり、学芸員になるには通常の就職活動と同じく、採用試験に合格することが必要となります。

しかし、学芸員の資格取得者の数に対して、採用人数は非常に少ないため、学芸員の資格を取得していても就職することは容易ではありません。待遇が良いところや、人気の施設では倍率が100倍を超えることも珍しくありません。

どうしても働きたい施設があった場合には、学生時代からアルバイトをして職員と交流を深めたり、恩師の紹介、研究関係のツテをたどって、といったことも必要となってきます。

専門知識が求められる職であるため、大学院を卒業していることが望ましいでしょう。ただし、採用の方針として注意すべきなのは、専門の研究能力や資料管理能力だけが評価基準ではないというところです。

学芸員は研究チームを組んだり、雑務にも関係する割合が出てきます。対外的な交渉や来館者の応対案内などコミュニケーション能力も見られる傾向にあるそうです。

求人の探し方

学芸員の求人はそれなりに見られます。求人自体は探すのはそう難しくありません。公募やウェブ上の求人サイトやハローワーク、求人雑誌など通常の手段で探していけばある程度出てきます。

ただしその内容は学芸員と書いてあっても事実上、インストラクター、事務職員、庶務係といったこともあり、また雇用形態が契約社員、嘱託、派遣、雇用期間のある管理指導者、
といったものも多いです。

正社員の採用は少ないため、アルバイトとして学芸員の仕事をしながら、正社員の求人を探すということも必要になってきます。

学芸員補から学芸員になる

学芸員資格がないと博物館での採用は厳しいですが、学芸員補であれば採用されるというケースもあります。学芸員補になる資格は大学入学資格があればよいです。これは簡単に言えば高校を卒業していたり大検の合格者であれば良いわけです。

通常は学芸員補は正式の学芸員になる前の修行期間といった感じで、資格を持つ将来の学芸員が勤めることが多いです。ですが場合によっては学芸員補に採用されることで地道に経験と勉強を重ね、後に資格を認定されて学芸員になるというルートもあります。

学芸員に求められる能力

<知的好奇心>
研究職としての仕事になるため、特定の分野に強い関心があり、知的好奇心が強いタイプが向いていると言えます。分野によっては語学力が求められることもあります。

<柔軟性>
業務の幅が広いため、さまざまなことに対応できる柔軟性が必要です。独立して仕事をすることが多いこともあり、判断力や決断力も求められます。

学芸員の今後の見通し

各博物館において、学芸員の数が不足している状況ですが、景気の低迷の影響もあり、採用数が大幅に増える見込みは今のところありません。芸術や文化に対する関心は高まっており、欧米のキュレーターのように、学芸員の待遇や質の向上が望まれています。