バリスタになるには

バリスタになるには

バリスタは、コーヒーに対する深い知識と技術を持つばかりでなく、質の高いサービスを提供するプロフェッショナルでもあります。

そんなバリスタになるために、特別な資格や学歴は問われません。

バリスタとして働く方法はいくつか考えられますが、ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。

1.専門学校やスクールに通う
2.さまざまな店舗で働きながら経験を積む
3.海外で修業する

どの方法でも努力次第でバリスタにはなれますが、自分が目指すバリスタのスタイルに合わせた方法を考えていくことが、一流のバリスタになる近道になるでしょう。

それでは、それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

1.専門学校やスクールに通う

バリスタの勉強を未経験からスタートする場合は、まず専門学校やスクールに通う人が多いようです。

このような学校・スクールでは、コーヒーやエスプレッソの基礎をはじめ、バリスタとしてあるべき姿などまで学べます。

また、カフェ経営に必要なスキルを学べるところもあります。

専門学校の場合は2年制の学校が多く、週に5日間フルで通うカリキュラムが基本となっていますが、なかには夜間制の学校や、週に3日程度の通学でOKな学校など、選択肢はさまざまあります。

民間のスクールでもバリスタの講座はいろいろと開講されています。

学校・スクールによっては、所定の講座を修了して試験を受けることで、バリスタの民間資格が取得できることがあります。

このような学校・スクールを卒業すると、カフェなどでバリスタとして経験を積むか、独立・開業を目指していく人が多いようです。

2.さまざまな店舗で働きながら経験を積む

雇ってくれる店さえ見つかれば、最初から現場で働くことも可能です。

たいていはバールやカフェの「バリスタ見習い」として働きながら、スキルアップを目指します。

一流のバリスタを目指すのであれば、それなりにコーヒーに力を入れている店や、技術力のあるバリスタがいる店を選ぶほうが望ましいでしょう。

なかには「バリスタ募集」と掲げていても、ただマニュアル通りにドリンクを作るだけの仕事ということもあるため、注意が必要です。

また、最終的に独立・開業を目指すのであれば、チェーン店・個人店問わず、独立につながる知識や技術を学べる職場を選ぶように意識するとよいでしょう。

3.海外で修業する

現在、日本で一流のバリスタとして独立して成功をおさめている人の一部は、海外のコーヒーショップやバールなどで修業した経歴を持っています。

海外の有名店で修業し、そこで手に入れた知識や技術を持ち帰って日本で独立・開業するケースもあります。

ただし、何もわからない状態で現地に飛び込むよりも、スクールや独学である程度の知識を得てから海外へ行くほうがベターとされています。

バリスタになるまでのルート

バリスタの海外留学

留学するメリット

バリスタを目指す方法はいくつも考えられますが、日本国内の専門学校やスクールで学ぶほか、なかには海外留学をして現地の学校で知識や技術を身につける道を選択する人もいます。

バリスタやエスプレッソはそもそも海外が発祥であることから、留学して学ぶことで、本場の技術を掴み取りやすいといったメリットがあるでしょう。

バリスタそのものとしてのスキルアップだけではなく、自分の努力次第で語学力を高めたり、人脈を広げたりすることも可能です。

何よりも、日本にいてはわからない海外各地の文化に触れながら、人間性を豊かに深めていくことができるのは、バリスタとしても大きな財産になるはずです。

代表的な留学先

世界には、カフェやコーヒー文化が深く根付いている国がいくつもあります。

たとえば、バリスタの本場といえるのがイタリアです。

ミラノを中心に、エスプレッソを提供するバールは人々の暮らしに欠かせないものとなっており、一流のバリスタが数多く働いています。

そんなイタリアは、最も代表的な留学先のひとつといえるでしょう。このほか、ドイツ、イギリスといったヨーロッパの他国にもバリスタの学校があります。

次に、アメリカのシアトルも留学先として選ぶ人が多いです。

シアトルでは、「シアトル系」といわれるコーヒー文化が発展しており、イタリアとはまた異なるバリスタのスタイルを追求することができるでしょう。

このほか、カナダやオーストラリア、ニュージーランドもカフェ文化が強いといわれており、バリスタになるためのスキルを専門的に学べる学校があるようです。

留学後の進路

海外留学をしてバリスタのスキルを磨いた人は、帰国後、日本のカフェなどに勤めるケースが多いようですが、なかにはそのまま海外の店舗で修行を重ねたり、就職をしたりといった人もいるようです。

また、現地でしっかりと技術を身につけて日本で自分の店を出す人もいます。

意識しておきたいのは、留学をしたからといって、必ずバリスタとして思い通りに活躍できるとは限らないという点です。

留学経験をどのように生かしていくは自分次第となるため、しっかりと将来の目標を見据えてから留学を検討することをオススメします。

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バリスタになるための学校の種類

バリスタになるために、必ず通わなくてはならない学校はありません。

ただし、もし仕事をする前にバリスタの基礎的な知識やスキルを身につけたいと考えた場合には、バリスタの専門学校やスクールに通う方法があります。

そこでは、コーヒーに関する知識やエスプレッソを淹れる技術をイチから学べます。

コーヒー豆は奥深いものであり、たとえ同じ豆でも焙煎方法の違いはもちろん、その日の気温や湿度によっても味が変わるといわれています。

こうした繊細な豆を正しく扱うためには、しっかりと時間をかけて豆の特徴などについて勉強し、知識を自分のモノにする必要があるといえます。

また、学校・スクールではでは豆の挽き方や水の量、圧縮時間といったことを意識するエスプレッソの抽出技術を身につけ、「最高の一杯」を安定して提供できるだけの技術を磨くことで、バリスタとして働くための土台づくりをしていきます。

バリスタになるためにはどんな学校に行けばいい?(専門学校・スクール)

バリスタを目指す人におすすめの資格

バリスタにおすすめの資格は?

バリスタに資格は必要?

バリスタには国家資格がなく、何か特別な資格を持っていなければ働けないという職業ではありません。

民間の団体が認定する資格がいくつかありますが、バリスタになるために絶対に持っておかなければならないとされるものは存在しません。

バリスタを目指す人は、未経験からバリスタの学校・スクールに通って働くうえで必要とされる知識・技術を身につけるか、国内外のバールやカフェなどで修業をして、バリスタの道を極めていくケースが多くなっています。

しかし、もともと海外発祥の「バリスタ」は、近年、日本でも職業として定着しつつあります。

こうした背景のなか、第一線で活躍するバリスタたちは自らのスキルを客観的に把握するため、あるいはスキルアップを目的として、バリスタに関わる資格取得を目指す人もいます。

また、資格を持っていることで、お客さまから「このバリスタは、これだけの腕があるんだ」と信頼してもらいやすくなる面もあるでしょう。

バリスタの資格の種類は?

バリスタに関連する民間資格は、以下の2種類が有名です。

・JBAバリスタライセンス(一般社団法人 日本バリスタ協会)
・コーヒーマイスター(一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会)

どちらも民間の団体が認定する資格となりますが、誰でも受験できるわけではありません。

各団体が定める講座を受講し、カリキュラムを修了して認定試験に合格することで、それぞれの資格が取得できます。

ここからは、これらの資格について詳しく見ていきましょう。

JBAバリスタライセンス

日本におけるバリスタ文化の振興やバリスタの育成などを目的に設立された組織「一般社団法人 日本バリスタ協会(JBA)」が認めるバリスタの資格です。

JBA認定校でバリスタとして必要な知識・技術を学ぶ講座を修了し、ライセンス試験を受けて合格すると、ライセンスが取得できます。

最初は難易度が最も低い「レベル1」からスタートします。

本ライセンスの取得者は、「JBAバリスタとしての基本的な知識や技術を身に付け、JBAが定める一定基準のエスプレッソコーヒーを抽出ができること」を認められたことになります。

その後、「レベル2」「レベル3」とステップアップするにつれて、JBAのバリスタとしてより専門的な知識を有していることや、高い技術力を持つことが認定されます。

日本バリスタ協会 JBAバリスタライセンス

コーヒーマイスター

「一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)」が認めるバリスタの資格です。

SCAJが主催する「コーヒーマイスター養成講座」を修了し、実技講習会を受けて認定試験に合格すると、コーヒーマイスターとして認定されます。

養成講座に関しては、テキストを使って自宅で学習できます。

本資格を持つ人は、「コーヒーに対するより深い知識と基本技術の習得をベースとして、お客さまへ豊かなコーヒー生活が提案できるプロのコーヒーマン(サービスマン)」として認められます。

2003年に資格認定がスタートし、5,101名(2018年12月現在)の有資格者がいます。

また、2012年には基礎的な「コーヒーマイスター」資格からよりステップアップを目指す「コーヒーマイスター中級資格(SCAJアドバンスド・コーヒーマイスター)」も誕生しました。

日本スペシャリティコーヒー協会 コーヒーマイスターとは

なお、同協会はバリスタの競技会「ジャパン バリスタチャンピオンシップ(JBC)」も主催しており、バリスタ界では名が知れています。

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バリスタに向いている人

バリスタの道をとことん突き詰めたい人

一流バリスタには、独特のオーラがあります。

コーヒーに対する情熱を内に秘め、「他の人には負けない」といった自信も背負っています。

こういったプロ意識は、個の力が求められるバリスタにとって欠かせないものだといえます。

しかし、ここで気を付けたいのは、自分の世界を追求するあまり「自己満足」になってしまうことです。

あくまでも「お客さまを喜ばせること」がバリスタの役割です。

技術を磨くのも、知識を得るのも、お客さまためなのだということを忘れてはなりません。

向上心と探求心があること

トップバリスタは、挑戦することを惜しみません。

競技大会などにも積極的に出場し、世界で活躍するバリスタたちと肩を並べられるように日々鍛錬しています。

もちろん、そこで入賞を果たせば実力が認められたことになりますし、その後のバリスタ人生に大きな影響を与えるでしょう。

しかし、最も大切なのは実績や肩書以上に、いまよりも上を目指そうという「向上心」と、コーヒーのことをもっと学び、バリスタ道をきわめたいという「探究心」です。

コーヒーのクオリティと、バリスタの人間性や技術の両方があいまってこそ、本当に素晴らしい一杯が生まれます。

自分の考え方次第で限界なく成長できる仕事だからこそ、「現状不満足」の精神で仕事に向き合う姿勢が大切です。

バリスタに向いている人・適性・必要なスキル

バリスタのキャリアプラン・キャリアパス

バリスタは職人的な要素がある仕事のため、この職業に就いた人は、ずっとバリスタとして知識・技術を磨き続けるのが一般的なキャリアプランとなります。

バリスタとして身につけたサービス力やホスピタリティ精神を生かし、飲食店でのサービスの仕事に転身することも可能ではありますが、多くの人はバリスタとしてキャリアアップを目指しています。

ある程度の大きな店舗に就職して働く場合には、その店舗で昇進して、「チーフバリスタ」のような肩書をつけて働くこともあります。

ただし、個人経営の店舗では役職などはない場合のほうが一般的でしょう。

バリスタは、ずっと同じ店舗で働く人もいますが、いくつかの店舗で修業をして独立・開業を目指す人も少なくありません。

バリスタを目指せる年齢は?

バリスタを目指すのに、年齢は関係ないと考えておいてよいでしょう。

店舗によっては、店の雰囲気・コンセプトに合うかどうか、長期的に働けるかどうかといった観点から、20代などの若い人を積極的に採用しているところもあります。

しかし、バリスタとしての経験を持っている人であれば、年齢はあまり問わずに働ける店もありますし、熱意次第では社会人のバリスタ未経験者でも雇ってもらえることもあります。

独立・開業する場合には、さらに年齢は関係なくなってきます。

自分がオーナー兼バリスタとなり、お客さまを迎えることをライフワークとして生涯にわたって働き続けるような人もいます。

一流のバリスタになるのは簡単ではありませんが、決して「もう歳だから……」といってあきらめる必要はありません。

バリスタの働き方の種類とその特徴

バリスタの雇用形態

バリスタのおもな活躍の場としてカフェやバール、レストランが挙げられますが、こうした場では、大きく分けて「正社員」「派遣」「アルバイト・パート」の3種類の形で働く人がいます。

なかでも正社員として働く場合は、給与面や待遇面では最も充実しているといえるでしょう。

お客さまの前では「バリスタ」として仕事をしますが、一般的な会社員と同じように、勤めているお店を運営する会社から毎月決まった給料がもらえ、福利厚生なども適用されます。

一方、フルタイムで働くのは難しい場合など、あえて正社員以外の雇用形態で働く人もいます。

また、店舗によっては見習い中はアルバイトとして働き、実力が認められると正社員へステップアップできるしくみを設けているところもあります。

ここからは、それぞれの雇用形態について詳しく紹介します。

正社員のバリスタ

正社員のバリスタの働き方

正社員のバリスタとして働く場合、だいたいは1日8時間程度の勤務となります。

休日は週に1日~2日程度となるケースが多く、休暇制度としては有給休暇のほか、夏季休暇、冬季休暇、慶弔休暇などが一般的ですが、勤務先によって異なります。

店舗によっては、アルバイト・パートスタッフの人手が足りない場合には、正社員が休みを削って働かなくてはならないこともあるようです。

なお、正社員のバリスタであれば、店長やマネージャークラスの役職者を目指していくこともできるでしょう。

給料に関しては、アルバイト・パートは時給、契約社員は日給の形となりますが、正社員の場合は月給となり、さらに賞与(ボーナス)が出ることもあります。

他の雇用形態に比べると、生活を安定させやすいでしょう。

未経験からでも正社員として働ける?

店舗によっては、未経験者でも正社員のバリスタ見習いとして採用され、現場で仕事を覚えていけますが、なかには「正社員採用は経験者のみ」となっている場合もあります。

とくに一流のバリスタが在籍するような有名店では、経験の浅い人がいきなり正社員として採用されるのは難しいことが多いようです。

その場合、まずはアルバイトなどで経験を積み、ある程度の知識・技術を身につけて正社員としての就職を目指す人もいます。

派遣のバリスタ

派遣のバリスタの働き方

バリスタとしての知識や技術を持つ人のなかには、「派遣」のスタイルで働いている人もいるようです。

ただし、派遣のバリスタの場合、一般的なオフィスワークの派遣社員の働き方とは多少異なると考えておいたほうがよさそうです。

よくあるのは、企業などが自社のイベントや展示会などで1日あるいは数日間にわたって来場者にエスプレッソを振る舞おうとする際に、その会場に赴き、バリスタとして仕事をするというケースです。

しかし、雇われバリスタの多くは、たいてい正社員やアルバイト・パートのスタイルで働き、勤務先となる店舗のスタッフとして、短期間あるいは長期にわたって仕事をします。

したがって、先述したようなバリスタの派遣の求人はさほど多くないと考えておいたほうがよいでしょう。

派遣のバリスタとして働くには

派遣のバリスタは、企業などが各種パーティーやイベントなどを開催する際に、来場されたお客さまに対して、エスプレッソやラテアートなどのサービスを提供することが多いようです。

数は多くありませんが、こうしたバリスタの派遣サービスを提供する会社が存在しています。

そうした会社に登録することで、派遣のバリスタとして活躍できるでしょう。

案件によっては、日本全国へ出張して仕事をすることもあります。

派遣のバリスタは1回の仕事ごとに報酬をもらうことが多いようですが、個々の技量によってその額は異なり、大会入賞経験があると一般的なバリスタよりも高額な報酬がもらえるようです。

派遣の場合、正社員のように、同じ店舗で腰を据えてキャリアを築いていくことは難しいと思われますが、さまざまな現場でバリスタとしての腕を発揮したいと考える人には、やりがいを感じられる働き方といえそうです。

ただし未経験では難しい働き方となるため、ある程度のスキルを持つ人が派遣として働くことが一般的です。

アルバイト・パートのバリスタ

未経験からでもスタートしやすい

有名店の場合、バリスタ経験者しか採用を行わない店舗もありますが、なかには熱意のある未経験者を採用してくれるところもあります。

その場合は一般的に「見習い」としてアルバイト・パートからのスタートとなります。

アルバイト・パートは、社員に比べれば給料や待遇は良くないのが通例ですが、自分の努力次第では昇給も可能ですし、社員へのステップアップも望めます。

しかし、もし本気でバリスタを目指していくのあれば、厳しい下積み期間に耐えなければなりません。

自分の気持ちが本物かどうかを見極めるためにも、まずはアルバイト・パートからスタートしてみるのもよいでしょう。

アルバイトであれば「1日4~6時間程度」など短時間だけ働くことも可能ですから、バリスタの学校と同時並行で仕事をすることもできます。

勤務先はどうやって探せばいい?

大手コーヒーチェーンの場合、基本的に1から10までマニュアルが存在し、そのマニュアルに従って動くことになります。

また、コーヒーやドリンクの種類が限られており、複雑な知識を要求されないため、本格的なバリスタを目指す人にはあまり適していないといえそうです。

ただし「接客の基礎を身につける」「飲食店の雰囲気を味わう」ということであれば、チェーン店でも学べることは多々あるでしょう。

もし、本格派のバリスタを目指すためにしっかりと修業を積みたいのであれば、バールやコーヒー専門店など、バリスタの存在をウリにする店を探すとよいでしょう。

コンクール受賞実績があるバリスタがいるような店舗であれば、非常に多くのことが学べるはずです。

しかし、その分、アルバイト・パートであっても採用基準が厳しめであったり、仕事はハードになることも考えられます。