生産技術の年収はいくら? 給料についてくわしく解説

生産技術の平均年収・給料の統計データ

生産技術の平均年収は、約450万円前後がおおよその目安といわれています。

一般的なサラリーマンの平均年収より若干高めになり、年功序列で波の少ない安定した収入を得やすいのが特徴的です。

休日出勤や海外転勤の機会も多く、それらの手当で収入が底上げされることもあります。

会社規模によっても収入事情は異なり、大手メーカーの生産技術職では年収1000万円以上を得ている社員もいます。

生産技術の平均年収・月収・ボーナス

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
生産技術担当者
(Indeed)
576万円
生産技術
(求人ボックス)
449万円 月給: 37万円
初任給: 21万円
全体の給与幅 :316〜792万円
派遣社員:平均時給1,604円
アルバイト・パート:平均時給898円
生産技術
(転職会議)
457万円 20代前半:平均 350 万円
20代後半:平均 426 万円
30代:平均 509 万円
40代以上:平均 615 万円
生産技術・プロセス開発
(マイナビエージェント)
473万円 20代の給料:419万円
30代の給料:545万円
生産技術/機械設計
(DODA)
479万円 生涯賃金: 2億5,348万円
20代:404万円
30代: 526万円
40代: 601万円
50代~ 678万円

これら各社のデータが示すように、生産技術の収入は、平均年収450万円~470万円程度が一般的な目安であることが伺えます。

また生産技術に似た仕事として、文系向けの「生産管理」という職種がありますが、マイナビエージェントやDODAのランキングによれば、生産技術のほうが生産管理よりもやや平均年収が高い傾向となっています。

生産技術の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

30代前半、月収28万円の生産技術社員をモデルケースにします。

・月28万円
・ボーナス112万円(夏冬1回ずつ、計4か月分)
・月収にボーナスを足すと年収448万円

各種社会保険料や所得税など差し引いた「手取り額」は、約23万円です。

生産技術の初任給はどれくらい?

生産技術の初任給は、大手メーカーであっても約21万円~22万円が目安になります(大卒の場合)。

また生産技術は理系職種でもあるため、大学院の修士課程、博士課程の学歴も優遇されやすく、大卒よりもさらに数万円程度、初任給を上乗せしている会社も少なくはありません。

例として、以下は大手自動車メーカー「本田技研工業」の2020年度新卒採用の初任給となります。

<本田技研工業 技術系総合職 初任給(2020年度)>
学部/高専専攻科卒:218,700円
修士了:245,000円
(2019年度実績)

生産技術の福利厚生の特徴は?

生産技術の主な就職先は「メーカー」となり、メーカーというのはある程度の規模や歴史をもつ、地盤の整った会社が多いです。

そのため福利厚生面も充実しており、各種社会保険、財形貯蓄、退職金制度、持株会、独身寮、保養所など、豊富な待遇制度を用意しているメーカーが目立ちます。

ただし地方の中小メーカーなどでは、最低限度の福利厚生しか用意していない会社もあります。

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生産技術の給料・年収の特徴

年功序列が多い

生産技術には、勤続年数や年齢で基本給が決まる「年功序列」を採用している会社が多いです。

そのため、長く働き続けることで給料は着実に上がっていき、とくに30代以降になると基本給の上昇率も加速していくのが一般的です。

さらに、管理職にまで昇進すると「役職手当」によって、さらなる給料の底上げをはかることもできます。

休日出勤や海外転勤で給料が増えることも

生産技術の担当者は、工場が稼働していない土日祝日に出勤して生産ラインの構築や点検などを行うことも多く、職業柄、休日出勤は切り離せないものとなります。

その分、「休日出勤手当」を得られるメリットもあり、土日祝日出勤の多い月であれば、休日出勤手当分で給料が大きく増えることもあります。

また、昨今は生産拠点を海外にシフトするメーカーも多く、海外工場への長期赴任となると「海外勤務手当」なども多額に支給されます。

景気の影響を受けやすい

業界にもよりますが、メーカーというのは景気変動の影響を受けることが多いです。

特に自動車や電化製品のような贅沢品は、景気が悪くなると消費が落ちやすいため、それらを製造しているメーカーも打撃を受けやすくなり、生産技術部門においても給料が下がったり、ボーナスがカットされたりすることもあります。

一方で食品メーカーのような生活必需品をつくるメーカーであれば、景気に左右されないことが多く、不景気時にも安定した収入を得やすいのが特徴的です。

生産技術の勤務先別の給料・年収

大手メーカーと中小メーカー

一般的に、会社規模が大きいほど平均年収は高くなりやすいです。

東証一部に上場しているような大手メーカーの生産技術部門勤務であれば、40代50代になると年収1000万円を越える人もいます。

大手の場合は、ボーナス、退職金、家賃手当などの各種手当も充実しており、月々の給料以外の恩恵も大きくなります。

一方、地方の中小メーカーなどであれば、大手の半分程度の給料額やボーナスとなることも珍しくはありません。

ただし一概にいえない部分もあり、中小でも業績のよいメーカーなどであれば大手に匹敵する待遇を用意している会社もあります。

業界による違い

どの業界の生産技術であるかによっても、給料水準は変わってきます。

一般的に、半導体メーカー、自動車メーカー、電化製品メーカーなどの生産技術は、比較的給料水準が高いとされています。

一方、食品メーカー、日用品メーカー、アパレルメーカーなどでは、同じ生産技術でも給料水準がやや低めの傾向です。

ただしこちらもあくまで目安となり、一概にはいえない部分もあります。

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生産技術が所属する代表的な企業の年収

会社名 平均年収 平均年齢
トヨタ自動車 851万円 39.4歳
SONY 1057万円 42.4歳
日清食品ホールディングス 790万円 40.1歳

出典:2019年現在(各社有価証券報告書より)

トヨタ自動車の平均年収

「トヨタ」は国内最大手の自動車メーカーであり、ファミリーカーから高級車、スポーツモデルまでさまざまな車種の生産を行っています。

「トヨタ生産方式」を国内に普及させた生産技術の先駆者でもあります。

平均年収は865円と高く、ボーナスや退職金などの待遇もトップクラスです。

「ウェルチョイス」と呼ばれる選択型福利厚生制度を用意していることも特徴的です。

SONYの平均年収

「SONY」は、国内の大手電機メーカーであり、平均年収の時点で1000万円オーバーと高額なのが特徴的です。

初任給の額も高く、大卒の初任給は25万円、大学院の修士卒では28万円スタートとなります。

さらにAI分野などの先端分野において優秀な経歴を持つ学生は、初年度から最大730万円の年収を与える方針を立てているようです。

日清食品ホールディングスの平均年収

「日清食品ホールディングス」は、カップヌードルを始めとしたさまざまな食品の生産を行っており、世界各国でもグローバルにビジネスを展開する食品メーカーです。

平均年収は786万円となり、給料が低めといわれている食品メーカーの中では高い水準を維持しています。

管理職となると年収1000万円を越える社員も少なくないようです。

生産技術の正社員以外の給料・年収

派遣社員

派遣社員として生産技術で働く場合、時給は1700円以上のものが多くなり、プロフェッショナル向けの求人であれば時給3000円に近いものもあります。

ただし職種柄、派遣社員であっても「生産技術としての職務経験あり」などスキルが問われるものが多く、未経験者向けの求人であれば時給水準は1500円未満になることがあります。

アルバイト

生産技術職は職種柄、フルタイム向けの仕事内容となるため、アルバイトやパートを生産技術職として採用する企業というのは少なめです。

また、仮に採用されても機材操作や点検など雑用作業がメインとなり、設計や品質管理など、生産技術としての深い部分の仕事は担当できないことが多いです。

なお、雑用作業スタッフとしての募集の場合、時給は1000円前後となります。

生産技術が収入を上げるためには?

前述もしたように生産技術は「年功序列」となることが多いため、長く同じ会社に勤め、基本給を上げることが、収入を上げる最もポピュラーな手段となります。

また、係長、課長、部長と「管理職」のキャリアを歩むことで役職手当により収入を大きく上げることができますが、全員に席が用意されているわけではないため、管理職に選ばれるように技術スキルやマネジメントスキルを積み、社内での評価を上げていく必要もあります。

中小メーカーなどであれば、生産技術出身者が工場長、経営陣、社長まで上りつめるケースも珍しくはなく、会社によっては努力次第で高みを目指すことも可能です。

技術や経験がものをいう職種でもあるため、生産技術としての濃い経験を積み、より待遇のよい別メーカーに転職するというのも一つの給料アップ方法となります。