生産技術と製造技術の違い

生産技術と製造技術の仕事内容の違い

生産と製造の違い

前提として、言葉の意味において「生産」と「製造」には次のような違いがあります。

<生産と製造の言葉の違い>
・生産:生活に必要な物資全般をつくること
・製造:原料に手を加えてつくること(製造は生産の一部に含まれる)

たとえば、自動車、スマホ、テレビなどを作ることは、生産に必要な物資をつくることにあたりますので「生産」となります。

鉱石や化石燃料などの原料をつかって、自動車や電化製品に使われる鉄やプラスチックなどの素材をつくることは、「製造」となります。

生産技術と製造技術の違い

「生産技術」とは、生活に必要な物資をつくる上で、いかにして品質高く、作りやすく、効率的に生産するかという方法を工程として設計する仕事です。

もっとシンプルにいえば、生産を効率化するための方法を技術的に考えていく仕事です。

「製造技術」については、明確な定義というのはありませんが、さらに深い部分、「原料をより綺麗に削るにはどうしたらよいか」、「どうすればよりスピーディに素材を成型できるだろうか」など、より原料と近い部分をいかに効率化できるかを目指すことになるケースが多いでしょう。

同じように扱われることもある

「製造」というのは大きくみれば「生産」の一部でもあるため、製造技術の仕事も生産技術の仕事に含まれるともいえます。

一般的には、原料により近い、深く狭い部分を効率化するのが製造技術、工場の生産ラインを広くみて、生産全体の効率化を目指すのが生産技術と扱われることが多いものの、絶対にそう決っているわけではありません。

会社によって生産技術が行うような仕事を製造技術として募集されていたり、その逆パターンもあります。

生産技術、製造技術という職種名よりも、求人に掲載されている仕事内容のほうに注目しなければなりません。

生産技術と製造技術のなる方法・資格の違い

生産技術も製造技術も、主な就職先はメーカーであり、各社が実施する採用試験を受けることになります。

中小メーカーでは、「生産技術職採用」、「製造技術職採用」といった職種個別で採用しているケースが目立ちます。

大手メーカーの新卒採用では、職種個別ではなく「技術系総合職」という大きなくくりで採用されています。

技術系総合職として採用されると、製品開発部門、生産技術・製造技術部門、品質管理部門、生産部門などさまざまな技術系部門の中から、適性や希望をみて配属となります。

そのため、かならずしも生産技術や製造技術の仕事につけるとは限らないことを理解しておきましょう。

生産技術と製造技術の資格・必要なスキルの違い

必要な資格

生産技術、製造技術どちらの職においても、就職するにあたり絶対に必要になる資格や免許はありません。

仕事柄、資格よりも実務で身に付けるスキルや技術のほうが重要になるため、採用にあたっては職務経験のほうが重視されます。

ただし、資格というのは一定の基礎知識を身に付けていること、また意欲があることの証ともなるため、特に学生や未経験者の場合は採用においてプラス評価を得ることもあります。

なかでも次のような資格は、生産技術、製造技術を目指す学生や未経験者におすすめの資格です。

<学生や未経験者が取得しておくとよい資格の代表例>
・CAD利用技術者試験:民間資格
・基本情報技術者試験:国家資格
・TOIEC:民間資格
・MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト):民間資格

必要なスキル

生産技術、製造技術どちらも、必要なスキルというのは似ています。

働く上では、主に次のようなスキルが求められます。

<生産技術、製造技術に必要なスキル>
・基礎となる理系知識(機械工学電子工学、素材加工など、メーカーや生産する製品によっても異なる)
・CADでの設計スキル
・語学力
・コミュニケーション力
・マネジメント力、リーダーシップ

生産設備などの技術的な設計を行うためには、基礎となる理系知識、またCAD (Computer-Aided-Design)での設計スキルが必要です。

また、海外生産にシフトするメーカーも増える中、海外工場ではたらくケースも増えているため、「語学力」もスキルとして重要になりつつあります。

ただし、これらのスキルは必ずしも入社時に求められるとは限りません。

実際に、人手不足も進む中、文系出身者や未経験者などまったく関連スキルをもたない人を採用する会社もあります。

生産技術と製造技術の学校・学費の違い

進学する学校

生産技術と製造技術は、どちらも理系向けの仕事となり、採用条件として「理系出身者のみ」、「理系の〇〇学部で学んだ人のみ」などが掲げられている会社も多いです。

そのため現役学生の場合は、理系の大学・高専・専門学校・工業高校などに進学するのが一般的です。

なかでも、「機械工学系」「電気工学系」「土木・建築系」「化学系」「情報技術」などの学部・学科は就職で有利になりやすいです(ただしメーカーや生産している製品によっても求められる学部は異なります)。

また、大手メーカーには「大卒以上」の学歴条件を設けているメーカーも多いため、大手志望の人は4年制大学の理系学部へ進学しておくのが確実です。

学費

それぞれの学校に進学した場合の学費目安は次のようになります。

<学費目安>
・国立大学:年間約53万円
・私立大学(文系):年間約100万円
・私立大学(理系):年間約150万円
・専門学校:年間約100万円

私立大学の場合、理系学部は文系学部より学費がひとまわり高くなることが多く、年間約150万円の学費となることが多いです。

生産技術と製造技術の給料・待遇の違い

給料においても、生産技術と製造技術に大きな差はなく、平均年収は約450万円前後が目安となります。

高収入な仕事というわけではないものの、年功序列の会社が多く、波のない安定した収入を得やすいのが魅力です。

主な就職先となる「メーカー」は、福利厚生の待遇も充実している企業が多いため、ボーナス、退職金、家賃補助、持株会など給料以外にもさまざまな恩恵を受けられます。

もっといえば、生産技術か製造技術かというよりも、勤める会社の規模によって給料や待遇の事情は変わります。

一般的には、規模の大きい大手メーカーのほうが給料水準は高くなりやすく、一部上場の有名メーカーなどであれば、生産技術や製造技術の社員でも年収1000万円を越えることもあります。

生産技術と製造技術はどっちがおすすめ?

生産技術に向いている人は、製品の受注~生産~出荷まで、生産活動を広く見渡し、生産全体の効率化に取り組みたいタイプの人です。

製造技術に向いている人は、「原料を上手く研磨する生産機材を設計したい」など、原材料のゼロの状態からモノを生み出す工程における効率化にたずさわりたい人です。

ただし生産技術と製造技術の境界線は曖昧な部分も多く、会社によっては同じものとして扱っていることもあります。

就職におけるミスマッチを避けるためにも、入社前にどのような仕事なのかをよく確認し、就職先の会社が生産技術、製造技術に求めている役割と、自分の求める仕事像が一致しているかを照らし合わせることが大切です。