理学療法士の働き方の種類と雇用形態

理学療法士の雇用形態

理学療法士の雇用形態は、大きく「常勤」と「非常勤」の2種類に分けられます。

常勤は、一般企業の正社員と同じように、病院や介護施設の正規職員としてフルタイムで働く形であり、非常勤は、アルバイトやパートなど、日数や時間を限定して働く形です。

理学療法士の仕事は専門性が高く、また資格を取得するまでに長い時間と相応の費用がかかりますので、そのほとんどは常勤で働いています。

しかし、なかには非常勤で働く人もおり、病院を例に取ると、非常勤の理学療法士の割合は全体の2%前後です。

非常勤で働く理由はさまざまですが、結婚や出産、育児、介護といった家庭生活と仕事を両立させるためにアルバイト・パートという雇用形態を選んでいる人が目立ちます。

また、かつては常勤で働いていたものの、家庭生活を優先させるために離職した人が、子育てなどが落ち着いたので職場復帰するという際、ブランクを勘案し、仕事に慣れるため非常勤で働くケースもあります。

以下では、常勤・非常勤の特徴や待遇面の違いなどについて、両者を比較しながらご紹介します。

常勤の理学療法士

常勤の特徴

常勤の理学療法士は、それぞれの施設においてリハビリを主導する存在です。

理学療法士ごとに患者を担当し、治療にあたったりリハビリ計画を策定したりしますが、数年のキャリアを積んだ後には役職者となり、非常勤を含めてスタッフ全体を統括するポジションになります。

非常に責任ある立場といえますが、医師看護師といったほかの医療職とは違って夜勤などで働くことはありませんし、施設によって多少事情は異なりますが、長時間の残業が求められるケースもまれです。

非常勤ほどではないものの、勤務時間・勤務体系が安定している点が、常勤の理学療法士の特徴といえます。

常勤の待遇

厚生労働省の統計によれば、理学療法士の平均年収は400万円前後となっており、フルタイムで働く日本の給与所得者全体の平均を下回る水準です。

少なくない費用と期間をかけて国家資格を取った割には報われないといえますが、これは理学療法士の平均年齢がかなり若手に偏っていることが挙げられます。

正規職員として長年ひとつの施設に勤め続ければ、「理学療法士課長」「リハビリ部長」「施設長」などの役職者に昇進し、平均以上の年収を得ることも十分に可能です。

ただ、役職が付くと、新人の教育や他施設との連携など、現場作業以外の仕事が増えますので、理学療法士としての仕事を優先させるために昇進を断る人もいるようです。

非常勤の理学療法士

非常勤の特徴

非常勤の最大の特徴は、常勤よりも時間の使い方が自由になるということです。

働く時間を減らして、上述のように家庭生活との両立を図ることもできますし、反対に、勤務時間の限られている正規雇用よりも長時間働いて、より大きく稼ぐこともできます。

また、理学療法士の活躍の場は複数ありますので、さまざまな経験を積むために、あるいは人脈を広げるために、いくつもの職場をかけもちして働く人もいるようです。

非常勤、非正規というとネガティブな印象をもつ人も少なくないかもしれませんが、アルバイトとして実際の現場をみておけば、正規職員としての職場を選ぶ際にも非常に役に立つでしょう。

ただし、アルバイトやパートの職員は、施設側の事情によって契約を打ち切られることも珍しくなく、雇用形態として常勤より不安定であることは間違いありません。

非常勤の待遇

理学療法士は、国家資格が必要になる専門職であるため、一般的なアルバイトやパートと比べると、時給はかなり高めです。

病院やクリニック、老人ホームなどでの時給は1800円~2300円前後であり、スキル次第ではより高時給を得ることも可能です。

また、近年需要が大きく伸びており、人手不足の状況にある訪問リハビリ事業所などでは、1件3000円~5000円(1件の時間単位40分~60分)と、病院などよりもさらに高単価のところが目立ちます。

仮に月曜日~土曜日まで1週間6日、1日あたり7件の訪問をこなすとすれば、月収に換算して50万円~80万円ほどになり、年収は常勤の職員を大きく上回ります。

日曜日も働けば、年収1000万円に達することも計算上は可能であり、実際にそれだけの高収入を得ている人も存在しますが、体力的にはきわめてハードです。

独立開業する理学療法士

リハビリは、必ず医師からの指示に基づいて行わなければならないため、理学療法士が独立開業して、単独で保険請求することはできません。

しかし、一般企業と同じように、あくまで個人として起業することは可能ですので、デイサービスセンターや訪問介護ステーションなどを開設する理学療法士も近年増えつつあります。

理学療法士がそういった施設を運営すれば、ほかの施設と同じく介護サービスを行うだけではなく、近隣の病院やクリニックと連携することで、物理療法や運動療法といったリハビリサービスも提供できます。

上述したような非常勤形態でのハードワークを一定期間こなし、必要な開業資金を貯めて、自身の思い描くサービスを行える施設を開業する理学療法士もいるようです。

ただし、独立開業には、資金の確保はもちろん、建物や人材の管理、集客のための営業、経理・税務処理など、数多くのタスクをこなすことが求められます。

失敗する危険性もありますので、細部までビジネスプランを練り、計画的に起業することが重要です。