ネイリストの働き方の種類とその特徴
独立し、フリーランスとして自由に活動したり、自分のサロンを出店したりする人もいます。
ここでは、ネイリストの働き方の種類とその特徴について解説していきます。
目次
ネイリストの雇用形態
ネイリストは確かな技術を身につければ、キャリアアップしながら長く働き続けることが可能です。
さらに雇用形態・働き方の選択肢が多いため、自分の理想の働き方に合うスタイルを選択できます。
たとえば、正社員としてフルタイムで勤務する以外にも、派遣、パート・アルバイトなどで週に2日、1日4時間だけというような雇用形態で働く人も多いです。
また、勤務先に縛られたくないのであれば、フリーランスになり、サロンと個人として契約を結び、より自由度を高めて働くこともできます。
少ない元手で自宅の1室を施術スペースとした「お家サロン」を開業することも可能ですし、在宅でネイルチップ制作、販売などを副業として行う人もいます。
このように、ネイリストには多様な働き方があります。
ここでは、代表的な雇用形態の種類と、その特徴について解説していきます。
正社員のネイリスト
ネイリストとして、できるだけ安定した形で働きたいのであれば、正社員としてネイルサロンに就職するのがよいでしょう。
正社員は、基本的に長期的に働く人材として雇用されるため、長く腰を据えてキャリアアップを目指したい人にも適しています。
正社員の平均年収は300万円程度ですが、経験や技術を積むことで昇給したり、歩合給が多くなったりして年収アップが可能です。
仕事内容としては、開店前の準備から始まり、営業時間内は施術に集中、閉店後は勤務時間内で終わらなかったチップ制作、DM作成、在庫発注などの雑務を片付けます。
他の雇用スタイルに比較して職場にいる時間は長くなりますが、営業時間の長いサロンでは「早番・遅番」などのシフト制を組んで働くことが多いです。
長く働いていくと、店長やエリアマネージャーなど管理職的な立場に就くこともあります。
その場合、新人や経験の浅いネイリストの技術指導、顧客管理、人材採用などが仕事内容に加わってきます。
他の雇用形態に比べ、社会保険・福利厚生が充実している点もメリットでしょう。
一方、正社員で働くデメリットとしては、責任が重くなるために休みをとりにくいことや、チェーン店では異動・転勤を命じられる可能性があることです。
多くのネイリストは正社員としてスタートしますが、技術・経験を積むと、より自由度の高いフリーランスや独立・開業などの働き方に切り替える人が多いです。
パート・アルバイトのネイリスト
ネイルサロンでは、パートやアルバイトのネイリストの求人が出ることもあります。
パート・アルバイトのメリットとしては、勤務時間や曜日の融通がきくことです。
育児や家事との両立でフルタイム勤務が難しい場合でも、ライフスタイルに合わせて勤務することが可能です。
正社員に比べると、パート・アルバイトの求人は数が多く、未経験で働けるサロンもあります。
パート・アルバイトの給料は時給900円~1,200円が相場で、実力アップに応じて昇給する場合もあります。
デメリットとしては、正社員に比べると、やはり労働条件が不安定なことです。
予約が入らず客足が鈍い日は早上がりや勤務日を減らされることもあり、思うように稼げない場合もあります。
できるだけ高収入を望む場合は、正社員になるか、実力をつけてから独立、フリーランスとしての道を模索するほうがよいでしょう。
派遣のネイリスト
美容関連の派遣会社、あるいはネイリストを対象とする派遣会社に登録をしておくことで、派遣ネイリストとして働くことが可能になります。
派遣として働きたいネイリストは、まず自分のスキルや資格、実績、経験を派遣会社に伝えます。
その後、派遣会社は派遣のネイリストを求めるネイルサロンのなかから、条件に合う仕事をマッチングしてくれます。
結婚式シーズンや年末年始といった繁忙期などには、多くの人手を必要とするネイルサロンが派遣の求人を出すことも多いです。
派遣社員のネイリストには、派遣先のやり方、施術方針、雰囲気に臨機応変に合わせることが求められます。
派遣のメリットとしては、パート等と同じく、自分のライフスタイルに合わせて週2日など柔軟に勤務時間を調整できる点です。
経験・技術があるネイリストなら、パート・アルバイトより高収入を得られる場合も多いです。
デメリットとしては、正社員に比べて、どうしても不安定な働き方になりがちな点です。
案件が紹介してもらえなければ仕事ができませんし、契約打ち切りになると、また新しい仕事を探す必要があります。
フリーランスのネイリスト
フリーランスのネイリストの働き方としては、「面貸し」のケースと「自分のサロンをもつ」ケースが考えられます。
面貸し
ネイリストの「面貸し」とは、ネイルサロンの一部分を間借りして働くスタイルです。
ネイリストは、自分の売上の一部を、サロン側に「場所代」として支払います。
この働き方のメリットは、独立した存在としてサロンと対等な関係で交渉できるほか、勤務時間や曜日は自分で決めることができる点です。
施術料金も自分で決められるため、顧客をある程度もち、技術のあるネイリストであれば効率的に稼ぐことが可能です。
デメリットとしては、集客を自分で行う必要があるため、客足が伸び悩んだ時は、従業員の立場でネイリストとして働く場合より実収入が減るリスクがあることです。
将来的に自分のサロン開業を考えるネイリストが、準備段階として選ぶことも多い働き方です。
自分のサロンをもつ
ネイルサロンは比較的少ない元手で開業可能なため、独立開業のハードルは低いです。
テナントや路面店に店舗を構えることもありますが、より初期投資額を抑えるために、自宅の一部をサロンにする自宅兼店舗型も多いです。
自分のサロンをもった場合のメリットは、サロンの雰囲気などを自分の理想通りに仕上げることができる点です。
さらに自宅兼店舗型の場合、自分のライフスタイルにあわせ、お客さまの予約をコントロールできるため、プライベートとの両立がしやすいでしょう。
年収はサロン経営がうまくいった場合、600万円~1,000万円を稼ぐことも可能です。
デメリットとしては、集客がうまくいかない場合は、収入が想定より低くなったり、経営が成り立たず廃業に追い込まれたりすることもあります。
また、正社員やパート・アルバイトの時には必要なかった経営者感覚が求められるほか、税金などの事務手続きを煩わしく感じる人もいます。
在宅・副業のネイリスト
在宅のネイリスト
在宅でネイリストとしての知識・技術を生かす働き方もあります。
自宅兼店舗として自宅の一部をサロンに開業する人もいれば、ネイルチップ制作を内職的に行う人もいます。
この働き方のメリットは、移動時間が必要なく、自分の好きな時間に作業することができる点です。
また、人間関係の煩わしさがないため、ネイルサロン特有の女性の人間関係が苦手な人には嬉しいでしょう。
デメリットとしては、生活環境と仕事スペースが近いため、薬品などの臭いが気になるほか、公私の区別がつきにくいことが挙げられます。
さらに自宅をサロンにする場合、防犯面から住所を公開しにくく集客が難しかったり、自宅スペースにお客さまを招くことに抵抗を感じたりするかもしれません。
副業のネイリスト
本業を別にもち、夕方以降や週末などに副業としてネイリストの仕事をする人もいます。
もともと専業のネイリストだった人が、別の仕事に転職後、ムリのない範囲で過去の経験・技術を生かし、副業ネイリストを続けることもあります。
また、独立の資金を確保するために本業をもち、資金がたまるまでは副業ネイリストとしてスキルアップを図る人など、副業で働く理由はさまざまです。
副業が認められるケースも増えていますが、本業の就業規則によっては副業NGとされる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
副業としての働き方は、フリーランスとして面貸しで働いたり、出張ネイリストとしてお客さまのもとを訪ねて施術するなど、さまざまです。
在宅でネイルチップを作成し、インターネットで販売する副業ネイリストもいます。