マーケティング部門で働くには
マーケターになるまでの道のり
マーケティング職に就くために、特別な学歴や資格は求められないことが多いです。
しかし、仕事をしていく上で役立つ知識や学問の分野、スキルはあります。
マーケティング部門は、市場調査・分析を行い、その結果から市場のニーズや顧客の心理を考えます。
そのため、統計学や行動経済学、心理学といった知識があると役立つことも多いでしょう。
マーケティングは企業活動において重要な仕事に携わるため、経営学部、商学部、経済学部などで学び、マーケティングについての授業も履修しておくと、この分野への理解が深まります。
また、上記のような学部では、演習でマーケティングにチャレンジする機会もあるため、学生時代からマーケティングに触れる絶好の機会です。
この他には、プログラミングやIT・インターネットの知識なども役立ちます。
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マーケターの資格・難易度
マーケターになるために資格は不要ですが、業務に関連する資格の学習は、マーケターとしての基礎力を高めるために効果的です。
たとえば「マーケティング・ビジネス実務検定」は、業種・業界を問わない普遍的なマーケティング全般の実務知識・事例を問う試験です。
合格率は公表されていませんが、難易度はそれほど高くないといわれています。
また「ネットマーケティング検定」は、Webマーケティングの基礎知識を問う資格試験です。
Webサイトの仕組みや検索エンジン対策、マーケティングへの応用などについて出題されます。
合格率は70%ほどで、しっかり勉強していれば学生でも取得可能です。
マーケターになるための学校の種類
マーケターを目指すなら、最も適切といえる大学の学部は「経営学部」や「商学部」です。
そこでは企業経営や商業に関する基礎科目はもちろん、マーケティングに特化したゼミや授業もたくさん用意されています。
また、外部の企業と協力して実際の商品開発を行ったり、マーケティングに参加したりする機会も与えられることも多く、マーケティングとは何かを肌で感じられるでしょう。
一方、ビジネス系専門学校でもマーケティングを学べます。
この場合はマーケティングの基本的な理論や、パソコンでの資料作成や統計処理などの実務的なことを中心に身につけていきます。
専門学校の場合、資格取得のための勉強にも力を入れていることが特徴です。
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マーケターに向いている人・配属されやすい人
分析力がある人
マーケターは事実やデータをもとに仮説を立てたり効果の検証を行ったりすることが多いです。
そのため、日頃から物事や数字を分析し、そこから何かの考察を行うのが好きな人はマーケターに向いているといえるでしょう。
コミュニケーション能力が高い人
マーケターは社内外のさまざまな関係者とコミュニケーションを取りながら業務を行っていく必要があります。
そのため、コミュニケーション能力が高い人が選ばれやすい傾向があります。
ただ話すことが得意なだけではなく、聞くことも上手で、交渉しながら物事を好ましい方向に導けるタイプの人が求められます。
トレンドに敏感
その時その時の流行に敏感な人もマーケター向きです。
本人に時代をとらえるセンスがあることは大きな武器ですし、それを統計などで論理的に示せれば鬼に金棒です。
仕事上、流行を追いかけることも多いため、流行についていくことを苦にしないタイプが理想です。
マーケターのキャリアプラン・キャリアパス
就職後、マーケティング部門に配属された新入社員は、まず先輩社員のアシスタントやアンケート調査などの業務からスタートすることが多いです。
その後、集めたデータの分析や資料作成を任されるようになり、提案なども行うようになります。
企業の経営戦略や製品を理解した上で、マーケティングのためのプランを提出できるようになれば一人前で、この頃には社内を駆け回って必要な調整ができるようになります。
その後は経験を積んでマーケティング部門の管理者や、事業全体のマーケティング戦略を考えるCMOなどのポジションを目指すことができ、全社への影響力も大きくなっていくでしょう。
マーケターのキャリア
日本ではマーケティング職におけるキャリアは企業によってさまざまで、一概にまとめることはできません。
企業によってマーケティング部門に任される業務範囲が異なることや、組織規模、人員構成などが違うからです。
一般的には、マネージャー職を経て、CMOや会社役員などの経営に関わるポジションに就くことが多くなっています。
また、マーケティング支援を専門とする企業や経営コンサルティング会社に転職したり、独立して会社を作ったりと活躍の場を外に求める人も多いです。
20代で就職した新人マーケターは、さまざまな業務経験を積んで30代からマネージャー職に就き、早い人なら40代でCMOや会社役員などのポジションに就くようになるでしょう。
規模の小さい企業やWebマーケティングに特化した企業などでは、より早いうちに昇進や独立を果たすことも少なくありません。
主なマーケターのキャリアパス
ブランドマネージャー
ブランドマネージャーは、特定の商品のマーケティングを統括する人です。
新商品の場合、商品の企画から携わっているマーケターがブランドマネージャーになることも多いです。
老舗商品の場合、マーケターとしての能力や実績を買われて抜擢されることもあります。
自身の手がけた商品がヒットすれば嬉しいですし、その後のキャリアへの道も大きく開きます。
マーケティングマネージャー
マーケティングマネージャーは、ブランドマネージャーと違い、企業の商品全体のマーケティングを統括します。
企業内の各ブランドを把握し、どのような方向でマーケティングを進めていくかを検討・判断します。
商品数が多い場合には、商品群ごとにマーケティングマネージャーを置く企業も多いです。
マーケティングマネージャーの位置づけはマーケティングにおける部長のようなもので、この頃になるとマネジメント能力を買われて他部署のマネージャーとなる人も多く出てきます。
CMO
CMOはチーフ・マーケティング・オフィサーの略で、企業におけるマーケティングの最高責任者です。
役員クラスの役職で、企業の経営者とともに企業におけるマーケティング案の策定や実行を統括する責任を負います。
CMOはその影響力を行使し、マーケティングに必要な組織作りや社員の意識改革などを行うことも大事な仕事です。
メディアに出て自ら発言したり外部に寄稿したりと、企業のブランディングや商品のマーケティングのために幅広い活動が求められます。
マーケターがキャリアアップするには?
マーケティングのスキルを磨く
マーケターはマーケティングの常にスキルを高めていくことが非常に重要です。
効率良く情報収集を行ったり、的確な分析を行ったりする能力はもちろん、事業に直結する情報を拾い上げる洞察力や提案力、各種のツールを使いこなす力も求められます。
マーケティングの手法が多様化する中では、限られた納期と予算の中で複数の手法を組み合わせてマーケティング効果を最大化させることが大切です。
そのため、複数の手法を使いこなすことができ、それを顧客や市場のニーズ、トレンドに合わせて組み合わせるスキルも求められます。
自分の専門分野に磨きをかける
マーケティングを専門にしている企業では、業界や手法に特化した企業が多いことが特徴です。
その理由は、マーケティングはターゲットの業界や行う手法が変われば、その効果も大きく違ってくるからです。
逆に言えば、ある分野において特化した能力があれば、その分野においては社内外で活躍できる可能性が高まります。
特定の業界に強い、商品開発に強い、AIを使ったデータ分析ができるなど、自身の強みを作り、その強みを育てていくことがマーケターとしての自分の位置を確固としたものにしていくでしょう。
経営知識・ビジネススキルを修得する
マーケティング部署は企業内で花形の部署となることも多く、将来的には経営陣に加わる人も少なくありません。
役員にならないとしても、マーケティング部署での実績を買われて営業部署などのマネージャー職に抜擢されるケースもあります。
マーケティングを行う中でも、上位のマネージャー職に就くためには、製品だけでなく、企業経営全体を考えた上で各商品の位置づけやマーケティング方法を考えていかなければなりません。
そのため、財務や法務などの経営知識や、コミュニケーション、マネジメントといったビジネススキルを高めていくことも、マーケティング職のキャリアアップのためには重要となる要素です。
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