検事から転職する人はどんな仕事をする?
法曹資格を生かす
検事になるには司法試験の合格、司法修習の修了、二回試験の合格というステップを踏み、法曹資格を得たうえで検事採用試験を受けて合格する、という長い道のりを歩まなくてはなりません。
なお、法曹資格を得ていれば「弁護士」や「裁判官」になるための資格も得たことになります。
検事から裁判官に転職するケースはあまりありませんが、検事から弁護士になるのは比較的よくあるケースといえます。
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弁護士への転職
検事は弁護士になるための資格を有しているため、検事を辞めた後に弁護士になる人は比較的多いようです。
検事をやめた弁護士は通称「ヤメ検」と呼ばれており、テレビや雑誌などで元検事の弁護士が取り上げられることもあります。
ただし、検事と弁護士にはいくつかの大きな違いがあります。
検事にとって依頼者は存在せず、国家公務員という安定した地位もありましたが、弁護士になると依頼者ベースでの仕事となるうえに、依頼がなければ報酬も得られません。
また、依頼者を安心させるだけでなく、裁判などで相手方と交渉することも多いため、高いコミュニケーション力が求められます。
検事時代に取り扱うのは刑事事件がメインですが、弁護士になれば案件はさまざまです。
刑事法などだけでなく、民事系の法律にも精通することで仕事の幅も広がるため、あらためて勉強しなおす心意気が必要です。
検事から弁護士になる強み・メリット
検事から弁護士になる場合、すでに法律に関わる仕事を経験していることから、比較的スムーズに仕事を進められるでしょう。
加えて検事として経験が長いほど依頼者へのアピールになるとともに、仕事で得た知識やネットワークも活用できる強みがあります。
また、案件を選べる点も検事時代にはなかったメリットといえます。
検事は国家公務員ですから定年制度があり、定年は63歳(検事総長のみ65歳)と定められていますが、弁護士にはそれがありません。
そのため、検事を定年になってから弁護士となって活動することも可能です。
法律のプロとして知識を生かす
弁護士以外でも検事としての経験を生かす仕事はあり、たとえば大学や専門学校などの講師になるのもひとつの道です。
法律を扱う実務で培った経験や知識は学生にとって魅力的な教材といえますし、未来の検事を育てるやりがいもあるでしょう。
ほかには「公証人」という道もあります。
公証人は公証証書作成などを行う公務員で、高度な法律知識に加え法律を駆使した豊富な実務経験が必要なうえに、公正で中立でなければいけません。
そうした基準に鑑みると、元検事としての経験は十分役立てられるでしょう。