家庭裁判所調査官の年収はいくら? 年齢別の給料もくわしく解説

家庭裁判所調査官は、家庭内のトラブルや紛争を解決し、家族の幸福を支える重要な役割を果たす職業です。

公平さと法の下での正義を実現するために不可欠な仕事であり、その専門性や責任に見合った給与が支給されます。

ここでは家庭裁判所調査官の一般的な給与水準や年収について詳しく解説していきます。

家庭裁判所調査官の平均年収・給料の統計データ

家庭裁判所調査官の平均年収・月収・ボーナス

2018年の人事院の国家公務員給与等実態調査によると、家庭裁判所調査官に適用される「行政職俸給表(一)」の国家公務員の平均給与額は以下のとおりです。

職業・出典 平均年収 年収詳細
行政職俸給表(ー)
(人事院)
- 院卒月給 31.4万円
大卒月給 40.3万円

参考:人事院 平成30年国家公務員等給与実態調査の結果
データを見ると院卒者の平均月収が31.4万円、大卒の平均月収が40.3万円と、一般的なサラリーマンに比べて高額であることがわかります。

家庭裁判所調査官のボーナスは、期末・勤勉手当として月額の約4.5ヶ月分が支給されるので、単純に16.5ヶ月分の年収を算出すると院卒は518円程度、大卒は665万円程度です。

ちなみに院卒の方が平均月収が低いのは、52歳以上のデータがないためで、年齢別平均給与額を見ると院卒者区分の方が高給となっています。

年齢 院卒平均給与 大学卒平均給与
24歳以上28歳未満 月額 28.2万円 月額 23.9万円
32歳以上36歳未満 月額 38.7万円 月額 34.1万円
40歳以上44歳未満 月額 52万円 月額 42万円
52歳以上56歳未満 - 月額 52.7万円

参考:人事院 行政職俸給表(一)の年齢階層別、給与決定上の学歴別人員及び平均給与月額

同年代で比べると、院卒者の平均月収の方が高く、40代になると月額10万円ほどの開きが出てくるのが特徴です。

月額42万円〜52万円の場合、年収は693万円〜858万円となっています。

家庭裁判所調査官の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

院卒者の場合、平均月収は約25.1万円、ボーナスは年間113万円程度、年収は約414万円程度です。

一方、大卒者の場合は、平均月収が約32.2万円、ボーナスは年間145万円程度、平均年収は約513万円程度となります。

この収入水準は、現在の日本の平均年収と比較して、同程度もしくは若干高い水準です。

家庭裁判所調査官の職種は、高い専門性が求められ、それに見合った給与水準が維持されていることがわかります。

経済的に安定したキャリアの選択肢の一つといえるでしょう。

参考:国税庁 平成30年分民間給与実態統計調査結果について

家庭裁判所調査官の初任給は22~25万円程度

家庭裁判所調査官の初任給は、2020年4月1日現在で東京都特別区内に勤務する場合、以下の額が支給されます。

総合職試験(院卒者区分)255,600円(行政職俸給表(一)2級11号俸)
総合職試験(大卒程度区分)224,040円(行政職俸給表(一)2級1号俸)

家庭裁判所調査官の給与に適用される「行政職俸給表(一)」は、職務内容の難易度によって1級〜10級が設定されていますが、初任給が適用されるのは2級です。

院卒者区分は、一般的な初任給よりも若干高めの水準となっています。

職務内容の難易度に応じて級が上がることにより、給与がステップアップしていきます。

参考:人事院 国家公務員総合職採用試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内

家庭裁判所調査官の福利厚生は手厚い

家庭裁判所調査官は、福利厚生が充実しているのが特徴です。

具体的には、以下のような福利厚生が適用されます。

  • 住居手当:最高28,000円
  • 扶養手当:配偶者月額6,500円
  • 有給休暇
  • 結婚休暇(5日)
  • 産前産後休暇
  • ボランティア休暇
  • 病気休暇
  • 介護休暇
  • 育児休業

また、裁判所共済組合や国家公務員共済組合連合会が運営する福祉事業を利用することができ、宿泊施設や医療機関などを優待利用することができます。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

家庭裁判所調査官の給料・年収の特徴

国家公務員と同じ制度が適用

家庭裁判所調査官になるには、裁判所職員の独自の採用試験である「裁判所職員採用総合職試験(家庭裁判所調査官補)」に合格しなくてはなりません。

しかし給与面では、国家公務員採用試験の採用者と同様に人事院規則の俸給表に基づいて支給されます。

国家公務員と同等の待遇と給与を受けることができるのは、大きなメリットといえます。

裁判所は成績主義・能力主義

裁判所での仕事は、成績や能力に基づいて昇進するシステムがあります。

そのため、専門職として経験を積み重ね、キャリアを築くことで収入も増える可能性があります。

また、家庭裁判所調査官として国家公務員として働くことで、安定したキャリアを築くことができます。

景気が悪くなっても、仕事を続けることができ、年齢や経験に応じて給与も増えるので、やりがいを感じながら働くことができるでしょう。

家庭裁判所調査官の勤務先別の給料・年収

家庭裁判所調査官としての仕事は、異動や転勤が避けられない一面があります。

採用試験に合格して家庭裁判所調査官補として任官された場合、日本全国の高等裁判所所在地にある家庭裁判所に配属される可能性があります。

また、約2年間の研修を終えた後も約3年おきに中小規模の異動や転勤が行われます。

自身の希望が通るのは通常、約9~10年目以降とされていますが、その時々の人事異動や昇格の状況によって希望通りに異動や転勤ができるかどうかは保証されていません。

一方で、勤務地による給与や年収の差はありません。

基本的にはどの勤務地でも年齢や経験に応じて給与が上昇する仕組みであり、長く勤務しキャリアを積むほど高い年収が期待できます。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

家庭裁判所調査官が収入を上げるためにはキャリアを積む

家庭裁判所調査官が収入を増やすためには、長期間にわたって仕事を続け、キャリアを積み重ねることが重要です。

この職種は年功序列制度が適用されており、年齢を重ねることで収入が増える傾向があります。

家庭裁判所調査官は、実績を積んで役職が与えられ、キャリアアップを図ります。

昇進の際には、人事管理による仕事の評価や選考が行われます。

最高の役職である「主席家庭裁判所調査官」になると、給与水準が行政庁の事務次官と同等になるといわれており、年収1,000万円以上を超えることが期待されます。

ただし、人事院の調査によれば、最も収入の高い層である56歳以上60歳未満の平均給与月額は約53.3万円です。

年間ボーナスを含めて年収を計算すると、平均年収は約880万円程度となります。

そのため、年収が1,000万円以上になるのは役職につき順調に出世しなければ難しいと考えておいた方がよいでしょう。

家庭裁判所調査官の年収のまとめ

家庭裁判所調査官の給与や年収は、基本的に年功序列制度に従っており、国家公務員としての待遇により、安定した収入を維持することができます。

また、福利厚生や休暇制度が充実しているため、女性が多く働く魅力的な職場とも言えます。

年収を増やすためには、仕事で実績を上げ、上司や同僚からの評価を得て、上位の職位に昇進することが重要です。