ITエンジニアの年収はいくら? 給料についてくわしく解説

ITエンジニアの平均年収・給料の統計データ

ITエンジニアの平均年収・月収・ボーナス

民間の求人サービスのデータからは、ITエンジニアの平均年収は約450万円と考えられ、この場合は月給にして28万1250円、ボーナスは56万2500円がモデルケースです。

年齢が上がるにつれて年収が伸びる傾向があるほか、残業量、企業規模、仕事内容によって収入が大きく変わります。

年収の変動要因が多いため、実際の年収は平均値から大きく上下することも多いです。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
ITエンジニア
(Indeed)
438万円 時給 2,274円
月給 23.9万円
ITエンジニア
(求人ボックス)
500万円 月給 42万円

ITエンジニアの年収は450万円前後となりますが、どの求人サービス会社も、勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があると評価しています。

また、ITエンジニアの年収は、残業時間をどの程度見積もって算入するかによっても違いがあります。

ITエンジニアの手取りの平均月収・年収・ボーナスは

ITエンジニアの平均年収を450万円とし、夏・冬にボーナスが2カ月ずつ支給される場合(年収は月給の16ヶ月分)で考えてみます。
「手取り額=支給額-社会保険料-源泉徴収額(所得税)」となりますので、額面支給額と実際の手取額は以下のようになります。

額面 手取り
平均月収 281,250円 234,758円
ボーナス(2ヶ月分) 562,500円 462,476円
年収 4,500,000円 3,742,024円

手取りは家族構成や前年度の所得状況など、個人のさまざまな状況によって変わるため、あくまで参考程度に考えてください。

ITエンジニアの初任給はどれくらい?

民間の就職サイトや、新卒情報サイトのデータからは、ITエンジニアの初任給は20~22万円程度が相場になっています。

こちらも勤務地や仕事内容などによって数字には多少の幅が見られます。

大学院卒の場合は給料の水準が多少上がるケースが多く、AI(人工知能)やVR(仮想現実)などの先進技術について博士課程で研究していた人なら、年収600万円以上で就職できる場合もあります。

ITエンジニアの年齢別・男女別の年収

ITエンジニアは蓄積された知識とスキルが仕事に直結するため、年齢が高くなるほど収入は高くなります。

役職による収入増を差し引いても、20代と30代のITエンジニアの間に100~200万円ほど年収差がある場合も多いです。

男女の年収の差はほとんどありませんが、結婚や出産などで職場を離れることが少ないために、男性の方が平均年齢が高く、統計上は年収が高く出る傾向があります。

ITエンジニアの勤務先の規模別の年収

ITエンジニアは勤務先の規模によって年収が変わることが多いです。

先進技術に特化した企業など一部の例外を除けば、規模が大きい企業ほど平均年収は高くなります。

大きな企業は顧客から大きな案件を請け負い、業務量や難易度に応じて下請けに出したり、協力を求めるといった業界構造があります。

下請けに出す場合、下請けの企業は、元請け企業の利益分を差し引いた金額で受注しなくてはならず、同じ仕事でも売上が小さくなり、それが従業員の給与に反映されます。

こういった特徴上、どうしても下請けの企業に勤める人ほど、収入が小さくなりがちです。

年収を評価する際には、勤務先の規模と、どのような仕事をどこから受注しているかが大切です。

ITエンジニアの福利厚生の特徴は?

ITエンジニアの福利厚生は、基本的な社会保険が完備されているほか、スキルアップ研修や資格取得などの支援が充実しているのが大きな特徴です。

また、都心や遠隔地の研究施設などでは、社員寮や住宅手当が出る企業もあります。

特別な機器やインフラ系のエンジニアでなければ、テレワークを許可している企業も増えてきており、必要に応じて仕事用の携帯電話やモバイルWiFiルータなどが提供されるケースもあります。

エンジニアの確保のため、福利厚生は手厚くなっている傾向が見られます。

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ITエンジニアの給料・年収の特徴

スキルが収入に与える影響が大きい

ITエンジニアの年収は、個人のスキルによる違いが大きいです。

スキルが高くなることで、仕事が効率的にできることや難易度の高い仕事ができるだけでなく、他分野のIT技術との連携によって新たな価値を生み出すことができます。

そのため、スキルアップや複数の得意分野を作ることを大事にしているエンジニアや企業が多いです。

仕事内容が収入に与える影響が大きい

ITエンジニアの年収は、その仕事内容によっても大きく変わります。

プログラマーなどの下流工程の仕事は20代の若い人や未経験者が就くことが多く、年収は200~300万円台の場合も多いですが、上流工程を担当するエンジニアやプロジェクトの管理者になれば500~600万円以上を得られるようになります。

また、運用や管理に携わるITエンジニアは繰り返し業務が多くマニュアル化が進んでいるため、開発業務に携わるエンジニアよりも給料が低水準になる傾向があります。

先進技術では平均を大きく上回る年収の人が多い

ニーズが高まっている先進技術分野では、平均年収を大きく上回っているITエンジニアが多く、希少価値が高いため、求人でも高めの報酬が設定されています。

AIやVR、IoT、セキュリティ、ビッグデータ、クラウドなどの分野では特に人材が不足しているため、これらに関して見識が高いエンジニアは好待遇の職場も多いです。

大学院でこれらの分野を専門的に研究してきた人であれば、初任給から企業のマネージャー並の給料で就職できる場合もあります。

ITエンジニアの勤務先別の給料・年収

SIer

SIerは、顧客の課題解決のためのシステムを提案・構築し、必要なソフトの開発などを行う場合もあります。

また、顧客に提供したシステムの運営のためにエンジニアを常駐させて運用業務を行う場合もあります。

SIerには大手の企業や、大企業に関連のある中小企業が多く、正社員の割合も高めです。

年収はITエンジニアの平均値よりもやや高めの水準になりますが、二次請け、三次請けの企業の場合は平均値を下回ることもあります。

ソフトウェア開発会社

ソフトウェア開発会社は、おもにシステム上で動作する単体のアプリケーションの開発を行っている企業です。

得意分野に特化した企業が多く、中小規模の企業も少なくありません。

企業のもっている技術力や商品力が年収に与える影響が大きく、給与水準は企業ごとの差異が大きいです。

企業によって求められるスキルやプログラミング言語なども違い、高い専門性と企業との相性が求められます。

Webサービス開発会社

オンラインで提供されるさまざまなサービスの開発や運用を行う企業です。

Web系のシステムが増える中で受注は多いですが、機器の調達や販売に伴う利益が発生しないため案件ごとの単価は安くなります。

そのため、企業の売上や年収は企業の商品や販売力に左右されやすく、年収もそれに従って設定されています。

Webサービスは24時間365日ずっと動いているため、それに伴って従業員にも夜勤や夜間・早朝のメンテナンス作業が発生するため、手当などは多くなる傾向があります。

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ITエンジニアが所属する代表的な企業の年収

会社名 平均年収 平均年齢 富士通 804万円 42.2歳 日立製作所 903万円 42.3歳 楽天 755万円 34.4歳

出典:2020年現在(各社有価証券報告書より)

富士通新聞社の平均年収

富士通はSIerとしてサーバーなどのインフラ提供からシステム開発などを行っています。

官公庁などからの受注を含めた大型案件も多く、年収も高水準です。

従業員の平均年齢も高く、社内にノウハウが蓄積される環境があることや、高スキルの従業員を多数抱えていることがうかがえます。

日立製作所の平均年収

日立製作所も国内SIerとしてインフラ提供からシステム開発などを行っています。

官公庁案件や海外への技術移転、スーパーコンピュータの開発・運用など大規模かつ高度な技術を要求される案件も数多く受注しています。

求められるスキル・能力も高いですが、それに見合った報酬が設定されており、従業員の平均年齢も高めです。

楽天の平均年収

国内EC事業者として有名な樂天は、Web系のIT技術を中心にさまざまな分野のサービスを提供しています。

事業拡大に伴ってさまざまなスキルをもったエンジニアの募集が行われているため、従業員の平均年齢や給与水準はやや抑えられています。

通信事業の拡大や海外展開など多角化が進められていますが、今後の事業の成熟化とともに年収や平均年齢の向上が見込まれます。

ITエンジニアの正社員以外の給料・年収

派遣社員

求人ボックスの統計では、派遣のITエンジニアの場合、平均時給は2049円となっており、これは月160時間(1日8時間で20日)の稼働なら月給は32万8740円です。

派遣社員の場合、派遣される現場や求められる給与水準、仕事内容によって給料は大きく変わります。

中には高いスキルによって、正社員以上の収入を得る人もいます。

正社員を目指す人や、残業が少なく、責任の軽い仕事でスキルを発揮したい人が自ら派遣社員を選ぶ傾向があります。

アルバイト

求人ボックスの統計では、アルバイトのITエンジニアの平均時給は1201円です。

月120時間(1日6時間で20日)の稼働を想定すると、月給では14万4120円になります。

ITエンジニアのアルバイトでは、簡単な作業やテスターとしての役割を求められることが多く、それほど高い技術は必要としません。

業務が固定されているため、収入を上げるのが難しい面があります。

フリーランス

フリーランスのITエンジニアについては統計がありませんが、独立・開業の場合はスキルやビジネスモデルによっては1000万円以上の年収を獲得することも可能です。

顧客先に常駐してシステムの開発や運用を助けるSESを行う場合は、正社員のエンジニアと同程度の収入が期待できるでしょう。

副業でITエンジニアを行う場合、週末をメインに活動し、年間に100~200万円ほど稼ぐという人もいます。

しかし、案件を継続して獲得することは簡単ではないため、スキルに加えて営業力も求められます。

ITエンジニアの働き方の種類・雇用形態

ITエンジニアが収入を上げるためには?

専門のITスキルを磨く

ITエンジニアはスキルが年収に与える影響が大きな仕事です。

IT分野は、常に技術の流行りすたりがあるため、現在主流になっている技術だとしても、いつの間にか使われなくなってしまうこともあります。

そのため、常に先を見越して新しい分野のスキルを身につけておくことが大切です。

その分野の第一人者になれれば、就職先にも困らず、高い報酬を得ながら腕を振るうことができるでしょう。

マネジメント能力を磨く

ITシステムの開発規模の拡大や、開発速度の向上に連れ、複数人でチームを組んで作業を行うことが必須となっています。

チームで開発を行う場合、それを管理し動かすマネージャーが必要になりますが、ITスキルだけでなくマネジメントの能力のある人は現場で重宝されます。

プロジェクトマネージャとしての実績を積んだ人は引く手あまたで、非常に高い年収を得ることが可能です。

良い環境を求めて転職する

ITエンジニアは、自分のスキル次第で国内外のどこででも活躍することができる職種です。

しかし、企業が行う事業は限られており、エンジニアの技術がすべて発揮できるとは限りません。

高度な先端技術を身につけても、企業で仕事がなければ発揮することができず、評価や報酬にもつながることはありません。

そのため、いつも自分のスキルに合った企業への転職を考えることも大切です。

仕事内容だけでなく求める待遇を得るためにも、スキルや転職ノウハウを磨いていくことがITエンジニアにとって大切です。