データベースエンジニアの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「データベースエンジニア」とは

データベースエンジニアの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

IT関連企業で、データベースの設計、開発、運用、管理を担当するエンジニア。

データベースエンジニアとは、「データベース」の開発・設計、運用・管理などを専門とするIT技術者です。

データベースとは、大量のデータを保存するデジタル上の保管庫のようなもので、ITがあらゆる場で活用されている現代社会では、データベースを適切に扱うことも非常に重要です。

データベースエンジニアは「SIer」と呼ばれるIT関連企業のほか、Web系企業や他業界の一般企業での勤務、あるいはフリーランスとして活躍する人もいます。

特別な資格がなくても目指せる職業ですが、専門学校や大学などで情報学・ITについて学んでから就職すると、よりスムーズに実務に携われるでしょう。

最近ではデータベースだけでなく、サーバーやネットワークなど、インフラ周りの知識・スキルまで備えた人材が求められることも増えています。

「データベースエンジニア」の仕事紹介

データベースエンジニアの仕事内容

「データベース」の開発・設計、管理・運用などに携わる

データベースエンジニアとは、デジタル上の保管庫のような「データベース」を専門に扱うIT技術者です。

顧客情報や販売情報、アクセス履歴など、いまや多くの企業が膨大なデータを扱いながらビジネスを展開しています。

データベースエンジニアは、そうした情報を扱うシステムの根幹を支えるデータベースの開発・設計、運用・管理などを専門的に手掛けます。

データベースエンジニアがより高品質なデータベースを作り上げ、管理することによって、デジタル上のデータを安全に正しく利用することができるようになります。

データベースエンジニアの仕事の流れ

データベースエンジニアは、顧客先の企業から依頼を受け、顧客先に出向いて社外で仕事をする人もいれば、外には出ずに自社のデータベースの構築や管理業務などに携わる人もいます。

プロジェクトの規模もさまざまで、長いものだと数ヵ月以上、場合によっては年単位にもおよぶことがあります。

いずれのプロジェクトも、まずは「どのようなデータベースを作るのか」という設計作業からスタートし、要件が固まったら構築作業を進めます。

いったんデータベースを作り上げてからも、常に最適な状態で稼働させ続けるための管理やメンテナンス業務を継続し、もし不具合や障害が発生した場合には、速やかに対処します。

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データベースエンジニアになるには

学校でITの勉強をしてから就職する道が一般的

データベースエンジニアになるための決まった道のりはありません。

特別な学歴・資格が求められる職業ではないため、どのような人でもデータベースエンジニアになれるチャンスがあります。

ただ、データベースエンジニアはIT技術者ですから、学生時代にITに関する基礎的な知識・スキルを学んでおくことは有用です。

これから進路を考える中学生や高校生であれば、高専や専門学校、大学などで、情報学やIT分野を専門に学ぶことを第一に考えるとよいでしょう。

文系出身者、他のIT系職種からデータベースエンジニアなる人も

現場で活躍するデータベースエンジニアの学歴やキャリアはさまざまです。

文系出身者、あるいは未経験でIT業界に入り、先輩に教わったり社内研修を受けたりしながら、一からデータベースエンジニアとして成長していく人もいます。

また、IT技術者のなかでも、もともと「プログラマー」や「システムエンジニア」として活躍していた人が、データベース分野を専門にしていくケースもあります。

データベースエンジニアの就職先はさまざまで、多様なキャリアパスが考えられるため、まずはどのような企業で、どのような働き方をしたいのかをよく考えておくことが大切です。

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データベースエンジニアの学校・学費

IT系の専門学校や大学がおすすめ

データベースエンジニアとなるために必須の学位はありません。

ただし、専門学校や大学などでIT・情報関連について学んでおけば、いざ就職した際に仕事の理解も早く、実務になじみやすいでしょう。

また、大手IT系企業への就職を希望する場合には、学歴は高いほうが有利になる傾向です。

「大卒以上」でなければ社員採用試験に応募できないこともあるため、大手志向が強い人は、大学進学を検討するとよいでしょう。

なお、データベースエンジニアにも役立つプログラミングの知識・スキルは、民間のプログラミングスクールでも学べます。

最近ではデータベースを専門としたコースを用意する講座も増えているため、手軽に学びたい人は、スクールを検討してみるのもおすすめです。

データベースエンジニアの資格・試験の難易度

スキルアップのために積極的に資格に挑戦する人が多い

データベースエンジニアになるために必須の資格はありません。

ただし、IT業界には、自身の知識・技術レベルを証明するための多種多様な資格制度が用意されています。

勤務先によっては、積極的な資格取得が推奨されることもありますし、自主的に学んで資格取得を目指す人も多いです。

データベースエンジニアに関連する資格として代表的なものの一例が「情報処理技術者試験」と「オラクルマスター」です。

「情報処理技術者試験」は経済産業省が認定する国家試験で、レベル別に複数資格に分かれています。

そのうち最高難易度とされる「データベーススペシャリスト試験」は、データベースの専門家であることを証明できる資格で、ぜひ将来的にチャレンジしたいところです。

「オラクルマスター」は民間資格ですが、IT業界内では認知度が高く、とくにデータベースエンジニアとは関係が深い内容です。

データベースエンジニアの給料・年収

IT技術者のなかでもやや高水準

データベースエンジニアの平均年収は、さまざまな調査データを見ていくと、おおよそ450万円~600万円程度と考えられます。

一般的な「プログラマー」などのITエンジニアに比べると、やや高めの水準となっています。

なかでも豊富な実務経験を積み、高度な知識・技術を身につけた場合には、さらなる高収入が期待できます。

たとえば、ある特定のデータベース製品のスペシャリストとして、さまざまな現場に関わることで、年収800万円以上を実現する技術者もいます。

専門性を高めれば収入アップが期待できる

データベースエンジニアは他のITエンジニアと同じように、個々の実力で評価されやすく、スキルアップするほどに収入アップが望めます。

難易度の高いデータベース系資格を取得したり、プロジェクトのリーダーとして活躍できるようになることなどでも、評価は高まるでしょう。

昨今では、一般的なデータベースの知識に加え、「ビッグデータ」の取り扱いができ、データ抽出や抽出ができる人材ニーズが増しています。

キャリアアップのために転職を繰り返し、そのタイミングで収入を少しずつ上げていく人や、独立して高報酬を得ている人もいます。

データベースエンジニアの現状と将来性・今後の見通し

幅広くインフラ部分まで兼任するエンジニアのニーズが増加

最近はデータベースの「クラウド化」が普及したことで、データベースを一から設計・構築するニーズが徐々に減少傾向にあります。

また、技術の発展によりデータベースの構築が容易になってきていることもあり、データベース専任のエンジニアのニーズはやや減少しています。

現在のデータベースエンジニアは、サーバー周りやネットワーク周りなど、他の「インフラ」部分を兼任するケースが増えているため、より幅広いスキルの習得が不可欠といえるでしょう。

データベースエンジニアの将来性は?

上記のような変化はあるものの、データベースはアプリの開発やインフラ構築にも必須であるため、データベースの知識が豊富にあることは大きな強みになります。

また、データベースエンジニアをはじめとするIT技術者は、日本全体で、まだまだ人材不足の状況が続いています。

今後、ITはさらに発展していくことは間違いなく、これからデータベースエンジニアを目指す人にとっても、チャンスは十分にあるといえるでしょう。

「ビッグデータ」など最先端のIT分野を扱える人材になれば、より市場価値の高いエンジニアとして評価されると考えられます。

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データベースエンジニアの就職先・活躍の場

IT系企業を中心に、大手企業やWeb系企業などでも活躍

データベースエンジニアの代表的な活躍の場は、IT系企業です。

とくに「SIer(システムインテグレータ」と呼ばれる企業で活躍する人が多くいます。

SIerのエンジニアは、外部(顧客)のさまざまなプロジェクトに参画します。

SIerは規模の大きな企業が多く、政府系システムのデータベース構築や大手企業のITシステムのデータベース管理運用など、比較的規模の大きなプロジェクトに参加する機会が多くなります。

IT業界以外でも、大手企業(メーカー、銀行、航空会社など)では自社内にIT部門やデータ部門を置き、そこのエンジニアとして働いている人もいます。

最近ではWebやゲーム系の企業でも、社内専属のデータベースエンジニアとして活躍する例があります。

このほか、データベースの構築を請負う専門業者や、IT系スクールや専門学校の講師を務める人などもおり、活躍の場はさまざまです。

データベースエンジニアの1日

担当業務によって勤務スケジュールが異なる場合も

データベースエンジニアの1日の流れは、担当業務によっても変わってきます。

「設計」や「管理」を担当する場合はオフィスワークが中心で、日勤中心の規則正しい勤務形態になることが多いです。

スケジュールに遅延がなければ、仕事の進め方も自分の裁量である程度調整することができます。

一方、「構築」や「運用」を担当するデータベースエンジニアの場合は、夜間作業や緊急対応などで不規則な勤務体系となる場合があります。

以下では、「設計」チームに所属するデータベースエンジニアの1日を紹介します。

9:00 出勤
9:30 朝のチームミーティング
10:00 データベース設計作業
12:00 休憩
13:00 設計作業の続き
15:00 プロジェクト関連の打ち合わせ
16:00 議事録作成
17:00 設計書のチーム内レビュー
18:00 残業(設計作業を進める)
20:00 退勤

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データベースエンジニアのやりがい、楽しさ

先端IT技術にも触れながらスキルアップできる

データベースエンジニアは、企業のITシステムで用いられているような巨大なデータベースを触れる機会に恵まれます。

昨今では「クラウド」「ビッグデータ」「IoT」などの先端IT分野のテクノロジーにも触れることができ、IT技術者として新しい知識・スキルを習得していきたい人にはやりがいを感じやすいでしょう。

また、データベースエンジニアは、ときに政府系の機密情報を保管するデータベースや、銀行や証券会社が扱う重要な金融データを保管するデータベースなど、社会を支える重要なプロジェクトにも関わります。

大規模プロジェクトはかかる時間も長く、苦労も多いですが、無事に終了したときには達成感があります。

多様なプロジェクト経験を積み、スキルを磨いていくことで高く評価され、収入アップにもつなげやすいのもデータベースエンジニアのやりがいです。

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データベースエンジニアのつらいこと、大変なこと

自分の思い通りにスケジュールが組めないことも

データベースエンジニアが関わるプロジェクトでは、お客さまの要望や予算、スケジュールなどの制限のなかで、折り合いを付けながら合理的に仕事を進める必要があります。

大規模プロジェクトになればなるほど関わる人の数も多く、自分の思い通りに進まない場面が多々発生します。

途中でお客さまから仕様変更を求められると、作業が一からやり直しとなるなど、ハードな日々が続くこともあります。

常にプロフェッショナルとしてスキルを磨き続けること

データベースは、さまざまなシステムを正しく動かすために欠かせないものです。

もし構築したデータベースや日々の運用にミスがあれば、その企業のビジネスに大きな損害を与えてしまう可能性もあります。

プロフェッショナルとしての高い意識と専門性が求められる点において、簡単な仕事ではありません。

また、現在のインフラエンジニアはサーバーやネットワーク周りを担当することも増え、幅広いITの専門的知識が求められます。

日々の仕事に淡々と取り組むだけでなく、常に向上心を持ち、勉強を継続して自分を磨き続けなくてはならないのも大変な一面といえるでしょう。

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データベースエンジニアに向いている人・適性

物事を正確に進めるのが得意で、冷静な判断ができる人

データベースはシステムの根幹を支える部分であり、それを専門に扱うデータベースエンジニアの仕事では、他のエンジニア以上に「正確性」が求められます。

不具合を起こさないために、確実に、きちんと物事を進めていける人が、データベースエンジニアに向いています。

しかし、どれだけ自分が気をつけていても、現場では突発的な「トラブル」もつきものです。

もし問題が起こった場合には、自身の知識やスキルを発揮して、冷静に対処していくことが大切です。

臨機応変な行動が苦手でないことも、データベースエンジニアの大切なスキルのひとつといえるでしょう。

また、ITの分野は技術進歩が目覚ましく、常に新しい情報や技術が出てきます。

現状に満足せず、常に向上心を持ち続けてスキルアップしたいと思えることも、データベースエンジニアとして成長するためには大切な要素です。

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データベースエンジニア志望動機・目指すきっかけ

データベース分野の専門性を磨きたい

データベースエンジニアになる人は、最初からデータベース領域を強く志望していたというよりも、ITエンジニアとしてキャリアを築くなかで、この領域を専門にするケースが多いです。

たとえば「システムエンジニア」として採用された人が、プロジェクトの都合で偶然データベースを扱うようになり、その楽しさを感じてデータベースの勉強をしていくといった例もあります。

ITの目に見える部分よりも、システムを動かす裏側の仕組みに興味がある人が、この仕事に興味をもつケースが比較的多いです。

また、近年は「ビッグデータ」と呼ばれる膨大なデータを分析し、得た知見をビジネスに生かしていく流れに注目が集まっています。

ビッグデータもデータベースと深い関わりがあるため、身につけた知識を生かせる仕事をすべく、データベースエンジニアを目指すこともあります。

データベースエンジニアの雇用形態・働き方

正社員を中心に、派遣やフリーランスとして活躍する人も

SIerのほか、IT業界以外の大手企業に勤める生え抜きのデータベースエンジニアは、正社員として雇用されるケースが多いです。

新卒で就職し、そのまま社内でキャリアアップし、リーダーやマネージャー、管理職になっていくエンジニアが多いです。

ただし、業界全体で見れば、派遣社員やパート・アルバイトなど非正規の働き方をする人も決して少なくありません。

派遣のデータベースエンジニアは、各プロジェクトで正社員の指示の下、データベースの構築や運用作業、カスタマイズなどに携わり、データベースを直に触れる仕事が比較的多めです。

経験を積んだデータベースエンジニアは、独立してフリーランスとして活動する人もいます。

派遣やフリーランスであっても、経験豊富でスキルが高い人は評価されやすく、高収入を得ているケースがあります。

データベースエンジニアの勤務時間・休日・生活

担当業務によって勤務体系が異なることが多い

データベースエンジニアの勤務時間は、担当業務によっても変わってきます。

「設計」や「管理」を担当するの場合は、オフィス内でのデスクワークが中心となり、日勤中心で勤務します。

休日は土日を中心に固定されており、比較的規則正しい働き方ができるでしょう。

一方、「構築」や「運用」を担当する場合には、夜間作業などが発生し、夜勤を含めた不規則勤務となることがあります。

週によっては土日に出勤し、その代わりに平日に休みをとる場合があります。

なお、IT業界全体として残業時間はやや多めの傾向です。

とくにデータベースの障害発生時や納期間近には、遅くまで残って仕事を終わらせなければならないこともあります。

データベースエンジニアの求人・就職状況・需要

SIerを中心に新卒採用を行う企業も多い

データベースエンジニアの求人は、SIerのほか、IT業界以外の大手企業やWeb系企業など、さまざまな企業で出されています。

SIerの新卒採用の場合、「ITエンジニア職」や「システムエンジニア職」といったエンジニアの「総合職」として採用され、能力や適性に応じてデータベース部門に配属されることも多いです。

大手企業であれば、未経験からでもエンジニアとして入社し、社内研修や実務経験を積みながら専門知識・スキルを身につけやすい環境があります。

一方、規模が小さな企業になるほど即戦力になれる人材が求められやすく、新卒採用は行わない企業も目立ちます。

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データベースエンジニアの転職状況・未経験採用

ITエンジニアとしての経験や専門性が問われる

データベースエンジニアは、IT業界に身を置く技術者のなかでも、やや専門性の高い職種に分類されます。

したがって、転職者向けの求人が出る際には、すでに経験のある人材を求めるケースが多いです。

データベースエンジニアそのものとしての経験がなくても、ITの他分野での経験があれば、採用される可能性はゼロではありません。

ただし「なぜデータベースを志望するのか」を明確にしておくことが重要です。

IT業界では、年齢が上がるほど豊富な実務経験や専門性の高さが要求されやすいため、もし別分野からの転職を目指す場合にはできるだけ早くに挑戦することをおすすめします。

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データベースエンジニアとデータエンジニアの違い

データそのものを扱うか、データベースを専門にするか

「データベースエンジニア」と「データエンジニア」は、名称が非常に似通っているため、その違いを想像するのは難しいかもしれません。

どちらもITに関連する「エンジニア」であることも共通していますが、両者には役割の違いがあります。

データエンジニアの場合、膨大なデータを分析しやすいように、データそのものの整理や管理を行うことが大きな役割です。

データを整えることによって、データ分析の専門家である「データサイエンティスト」といわれる人たちが、データ分析に専念できるような状態をつくりあげます。

一方、データベースエンジニアは、デジタル上の保管庫のような「データベース」に関する専門知識をもって、データベースの設計や構築、管理、運用などの業務に従事します。

データベースエンジニアは、データエンジニアのように「データそのもの」を扱うわけではないことが、最もわかりやすい違いといえるかもしれません。