物流企業は残業が多い? 勤務時間や休日も解説
物流企業社員の勤務時間
総合職の勤務時間
「総合職」では営業・企画・物流管理・総務・人事などさまざま職種をジョブローテションで担当します。
いずれも本部などでのオフィスワークが主体となり、物流会社の多くは勤務時間は8:30~17:30頃に設定しています。
このような職種は、毎日、朝出社して夕方以降に退社する、規則正しい生活を送りやすいでしょう。
12時~13時頃は昼休憩となり、一日の実働時間は7.5時間~8時間程度となります。
また、総合職では「フレックスタイム」や「在宅ワーク」などが利用できる職場も多く、ライフスタイルに合わせて勤務スタイルを変えることもできます。
ただし、営業職などの場合は、お客さまの都合に合せる必要もあるため、休憩時間や退社時間などを毎日同じにはできないこともあります。
倉庫スタッフの勤務時間
物流企業では、各地に倉庫や配送センターを設置しており、そこでは仕分けやピッキング、荷積みなどの倉庫業務が行われています。
24時間稼働している倉庫が多いため、倉庫スタッフは朝番・昼番・遅番の「3交代制」のシフト勤務となることが多いです。
<3交代制の勤務時間例>
- 朝番:6:00~14:00
- 昼番:14:00~22:00
- 遅番:22:00~6:00
※例であり、会社によって設定は異なります。
また、職場によっては、つねに朝番や遅番に固定することはできません。
担当時間が途中で変わることもあるため、生活リズムを整えつらいのが大変な面です。
おもにアルバイトやパートの従業員が3交代制となることが多いですが、正社員や総合職の社員であっても倉庫部門に配属された場合は3交代制となることもあります。
ドライバー職の勤務時間
「ルート配送ドライバー」や「宅配ドライバー」は、毎日8:30~17:30頃の定時で勤務できることもあります。
ただし、たとえばコンビニの配送ドライバーのように夜間も配送を行う業者の場合は、夜勤が発生することもあります。
全国各地に大型トラックで輸送を行う「長距離ドライバー」の場合は、一度に片道何百キロもの走行が必要な時もあるため、勤務時間は不規則になりやすいです。
ただし厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」にて、トラックドライバーの1日の拘束時間の基準は13時間(上限は最大で16時間)と設定されています。
その他、長距離ドライバーの健康や事故防止のため、休憩時間や休日数にも基準が細かく定められています。
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物流企業社員の休日
総合職の休日
総合職の社員の場合は、完全週休二日制となり、土日祝はカレンダー通り休みとなるのが基本です。
年間休日数は125日前後としている会社が多く、またゴールデンウイーク、夏季、年末年始には7日前後のまとまった連休がとれることが多いです。
ただし総合職であっても、配属部署や職場の状況によって、カレンダー通り休めないこともあります。
倉庫スタッフやドライバーの休日
倉庫スタッフやドライバー職の場合、土日祝日であっても物流機能を止めるわけにはいかないため、カレンダー通りに休めるとは限りません。
休日に関してもシフトを組み、交代で取るのが基本です。
とはいえ物流企業にはさまざまな形態があるため、中には土日祝日は機能を停止している倉庫や、輸送を行っていない業者もあります。
そのような会社であれば、倉庫スタッフやドライバーであっても週休二日制で土日祝日は休みとなることもあります。
物流企業社員の残業時間
物流業界は、残業が多めの業界です。
2018年にパーソナル総合研究所が公表した「業種別長時間労働」のランキングでは、第1位が運輸業・郵便業となり、30時間以上残業している人の割合は37.7%にも及んでいます。
また物流業界は、全体的に人手不足が進んでいます。
とくに倉庫スタッフやドライバー職などの現場系職種は人手不足が深刻化しているため、仕事がさばき切れず、遅くまで残業が続いている現場も少なくありません。
こうした物流業界の長時間労働は国としても課題としてとらえており、労働環境改善に向けたさまざまな対策も進められています。
具体例として、過酷な残業が目立つトラックドライバーにおいては、労働基準法の改正により、2024年から年間残業時間が上限960時間までに制限されます。
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物流企業は忙しい?激務?
物流の繁忙期
物流業界が忙しく繁忙期となるのは、主に次のような時期です。
<物流業界の繁忙期>
- 年末年始(クリスマス、正月)
- 3、4月の新生活シーズン
- 夏休みやお盆前後
- 母の日や敬老の日などのイベント前後
- 大きなイベント(オリンピックなど)、大きな災害などが発生した際
上記のような時期には、普段よりも荷物や物資の輸送量が増えるため、物流業界は全体的に忙しくなります。
特に年末年始は一年の中でも最大の繁盛期となり、多くの企業が臨時のアルバイトやパートを雇います。
その一方で、繁忙期が過ぎた後や、6月などの企業や人の動きが鈍くなる時期は閑散期に入り、仕事が減ることもあります。
需要増加によりつねに忙しくもある
近年はインターネットやスマホが普及し、ネットショッピング需要が高まっていることから、個人宅への小口発送の仕事が急激に増加しています。
小口発送の仕分けスタッフ、配送ドライバーなどの仕事は特に忙しい状況であり、休みもあまりとれずにフル稼働で働くスタッフも少なくありません。
少子高齢化や若者のクルマ離れなどの影響から、物流業界の新たな働き手というのも減ってきているため、今後は一人一人の負荷が今以上に大きくなっていく恐れもあります。
そのような人手不足の対策として、ITやAIを活用した物流の自動化も計画されています。