バイヤーの年収はいくら? 給料についてくわしく解説

バイヤーの平均年収・給料の統計データ

バイヤーの平均年収・月収・ボーナス

バイヤーの平均年収は、どのような企業のバイヤーになるかによって大きく変わります。

大手百貨店では平均年収が800万円を超える企業もあり、長くキャリアを築いていくことで安定した収入が見込めます。

また、基本的にバイヤーは未経験者がいきなりなれる仕事ではなく、まずは現場で販売の仕事を経験し、能力や適性が認められることでバイヤーへとステップアップするケースが大半です。

そのため各職場において、バイヤーになった時点では、ある程度の経験を積んでいる人が多いことから、全体的な平均年収は一般の販売員よりも高めの水準となっています。

賃金構造基本統計調査

バイヤーそのものではありませんが、ここでは参考までに百貨店店員の平均年収をご紹介します。厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査によると、百貨店店員の平均年収は42.1歳で355万円となっています。

  • 平均年齢:42.1歳
  • 勤続年数:11年
  • 労働時間:164時間/月
  • 超過労働:8時間/月
  • 月額給与:258,800円
  • 年間賞与:442,000円
  • 平均年収:3,547,600円

出典:厚生労働省「令和3年度 賃金構造基本統計調査」

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
バイヤー
(Indeed)
476万円 時給 1,312円
月給 24.4万円
バイヤー
(求人ボックス)
368万円(正社員) 平均時給
派遣社員:1,426円
アルバイト・パート:1,012円
ファッションバイヤー
(転職ステーション)
351万円
マーチャンダイザー・バイヤー
(転職会議)
475万円 20代前半:358万円
20代後半:383万円
30代:510万円
40代以上:563万円
最高:2200万円
最低:150万円
バイヤー/ディストリビューター
(DODA)
476万円 男性:505万円
女性:406万円
20代:372万円
30代 :461万円
40代:546万円
50代~:726万円
生涯賃金:2億4647万円
スーパーバイヤー
(給料BANK)
346万円~453万円 平均給料:28万円
20代の給料:24万円
30代の給料:27万円
40代の給料:35万円
初任給:16~万円

各社の調査データから、バイヤーの平均年収は350万円~480万円程度がボリュームゾーンと考えられます。

ただし、簡単に「バイヤー」とはいっても、勤務先はアパレル系企業から百貨店や量販店などまで幅広く、取り扱う商品の種類も勤務先によって多種多様です。

上記の表でも、転職ステーションでは「ファッションバイヤー」のデータとなっており、これは基本的にアパレル業界でファッションを専門に扱うバイヤーであると考えられます。

また、給料バンクの「スーパーバイヤー」は、スーパーマーケットに勤務するバイヤーのことを指しており、ファッションのバイヤーとは仕事の進め方や扱う商品の特徴なども異なってきます。

バイヤーには多様な勤務先があることを前提に、あくまでも参考程度に比較してみてください。

バイヤーの手取りの平均月収・年収・ボーナスは

ここでは、バイヤーとしての年収が450万円の人を想定し、手取り月収の目安を算出します。

大手企業では年に2回のボーナスが支給されるところが多く、仮に基本給の4ヵ月分のボーナスがある場合、住民税や社会保険料などを差し引いた手取り月収は23万円ほどと考えられます。

なお、バイヤーは出張が多いため、出張が多く入った月は別途手当がついて手取りが増えることがあります。

バイヤーの初任給はどれくらい?

バイヤーは、百貨店や量販店、アパレル系企業などで活躍していますが、いずれの職場においても、新卒者や未経験者がいきなりバイヤー職に配属されるケースはめったにありません。

まずは一般の販売員として接客業務を経験し、本人の希望に加え、能力や適性が認められることでバイヤーになるケースが多いです。

販売員としての初任給は決して高くなく、地域にもよりますが、18万円~20万円前後がボリュームゾーンと考えられます。

しかしバイヤーになれば、各職場においてある程度のキャリアを築いている人が多いため、収入は大きく上がるケースもあります。

令和3年 百貨店店員の平均年収統計

バイヤーではありませんが、参考までに百貨店店員の平均年収をご紹介します。厚生労働省の令和3年の賃金構造基本統計調査によると、百貨店店員の平均年収は10人以上平均の規模で355万円となっています。

勤務先の規模が大きくなるほど年収は上がっていますが、全体としては低めの給与水準となっています。

百貨店店員の年収(規模別)_r3

令和3年 百貨店店員の年収(年齢別・男女別)

百貨店店員の最も年収が高い年齢は、40~44歳の401万円です。

百貨店店員の年収(年齢別)_r3

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

バイヤーの福利厚生の特徴は?

バイヤーの福利厚生に関しては、一般的な社会保険や健康診断などのほか、とくに大手の百貨店や量販店では独自のものが用意されていることがあります。

たとえば社員寮や社宅が用意されていて住宅に関する費用がほとんど必要なかったり、繁忙期以外の好きなタイミングで長期休暇がとれる仕組みがあったり、提携しているテーマパークやホテルの割引制度があったりする企業もあります。

さらに「社員割引」によって勤務先で取り扱う商品が格安で買えるケースが多く、給料・年収とは別の部分で、生活のサポートを受けていると感じている人もいるようです。

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バイヤーの給料・年収の特徴

バイヤーは、企業で重要なポジションを担う

自社で取り扱う商品を決め、仕入れに関する交渉や値決めなどにも積極的に携わるバイヤーは、企業の売上や利益に大きな影響をおよぼす重要な役割を担います。

新入社員や未経験者がすぐに即戦力として働けるわけではなく、お客さまが何を求めているのか理解するために、まずは現場で販売員としての接客経験を積むことが多いです。

その後、本人の希望があり、能力や適性が認められるとバイヤーになるのが一般的なルートなので、バイヤーとして活躍し始める頃には、すでにある程度、社内における業務の流れや販売に関する知識を理解していることになるでしょう。

このような背景から、バイヤーになることで、一般の販売員として働く時期よりも給料は多少上がるケースが多いです。

成果を出していくと収入アップにつながることも

バイヤーの仕事では、自分の活躍の結果が、数字としてハッキリと見えやすいという特徴があります。

継続的に安定した成果を出し続ければ社内での評価が上がり、収入も増えていくでしょう。

また、バイヤーとして経験を積めば「チーフバイヤー」など、バイヤーのなかでもマネジメントなどに携わるポジションに抜擢されるかもしれません。

責任ある仕事をするだけにプレッシャーは大きなものとなりますが、活躍次第では、大きく収入を上げていけるチャンスもある仕事です。

バイヤーの勤務先別の給料・年収

アパレル企業で働くファッション専門のバイヤー

バイヤーの平均年収は、どのような企業のバイヤーになるかによって大きく変わります。

まずは、アパレル業界でファッション専門のバイヤーになる場合です。バイヤーの選んだ商品を並べるセレクトショップに直接雇われるケースや、大手のファッションメーカーに雇われるケースがあります。

アパレル業界は一般的に給与が低めの傾向にありますが、バイヤーは経験が必要とされることから、ある程度安定した収入が見込めます。

平均年収は、25歳〜29歳で300万円〜350万円、30歳〜34歳で400万円〜450万円、35歳〜39歳で550万円〜600万円程度が相場とされています。

店頭で販売員をしている人に比べると、バイヤーの平均年収は50万円〜100万円ほど高くなっています。

百貨店や量販店で働くバイヤー

次に、百貨店や量販店のように、多種多様な商品を取り扱う企業に就職するケースです。

この場合、経験者以外は「総合職」として入社し、希望や適性に合わせてバイヤーの仕事を担当するようになるケースが一般的です。

百貨店社員としての平均年収は300万円~350万円ほどですが、これは従業員が1000人以上の全国の百貨店の平均値であり、都心部の大手百貨店では年収600万円〜800万円ほどが見込めます。

バイヤーも、勤務先の他職種の社員と同じくらいの給料になると考えておけばよいでしょう。

ただし、大手百貨店や量販店では評価制度や役職が細かく分かれていることが多く、成果を出してスピーディーに昇進していけば、比較的若いうちから大きな収入アップにつながる可能性もあります。

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バイヤーが所属する代表的な企業の年収

    

会社名 平均年収 平均年齢
株式会社三越伊勢丹ホールディングス 710万円 46.4歳
株式会社高島屋 686万円 48.1歳
株式会社丸井グループ 641万円 39.6歳
J.フロント リテイリング株式会社:大丸松坂屋百貨店 708万円 46.4歳

出典:2022年現在(各社有価証券報告書より)

株式会社三越伊勢丹ホールディングスの平均年収

株式会社三越伊勢丹ホールディングスは、三越と伊勢丹が経営統合して誕生した会社です。

百貨店業界のトップであり、大型店舗をいくつも有しています。

業界全体にいえることですが、平均年齢は46.4歳とやや高めで、勤続年数が長い人が多いようです。

平均年収は710万円であり、業界内では最高水準の収入が見込めます。

株式会社高島屋の平均年収

株式会社高島屋は、京都を発祥とする老舗百貨店・高島屋を運営する会社です。

本社は大阪にあり、近畿地方や関東地方に複数の直営店があります。

こちらも業界大手であり、平均年収は48.1歳で686万円です。

J.フロント リテイリング株式会社の平均年収

J.フロント リテイリング株式会社は、百貨店大手の大丸と松坂屋ホールディングスの共同持株会社です。

子会社にはファッションビルとして有名なパルコがあり、全国に事業を展開しています。

平均年収は708万円で、百貨店業界内では高水準となっています。

バイヤーの正社員以外の給料・年収

派遣社員

バイヤーは、各職場において重要な役割を担うことから正社員としての雇用が多く、派遣社員として働く人はそこまで多いわけではありません。

もし派遣の求人が出る場合には、バイヤーアシスタントとしての業務が中心です。

給料は時給制で、経験や能力によって変わってきますが、都市部では1,300円~1,500円程度が相場となっているようです。

アルバイト・パート

バイヤーは派遣社員と同じく、アルバイト・パートの求人も、そこまで多いわけではありません。

アルバイト・パートの採用はあっても、一般の販売員の求人が多く、バイヤーのポジションになると正社員扱いで働く人が多いです。

しかし一部の職場ではまずアルバイト・パートとして入社し、経験を積むことで契約社員もしくは正社員へステップアップする制度となっていることもあります。

給料は派遣と同じく時給制で、たいていの職場では経験や能力次第で昇給のチャンスもあるでしょう。

フリーランス

バイヤーは、アパレルメーカーや百貨店、量販店などに所属して働く人が大多数ですが、フリーランスで活動をする人もいないわけではありません。

バイヤーとして働くために資格が必要なわけではないため、ビジネスセンスやすぐれた感性などを持っていれば、経験が浅くても個人でバイイング業務を行って、事業を立ち上げることができます。

収入に関しては、会社員のように毎月決まったお金が入ってくるわけではないため不安定になりがちですが、活躍の仕方次第では、会社員の人の何倍もの高収入を手にすることも可能です。

個人での働き方が軌道にのると、会社を立ち上げてさらにビジネスを大きくしていく人もいます。

バイヤーの働き方の種類・雇用形態

バイヤーが収入を上げるためには?

バイヤーとして高収入を目指すの方法はいくつか考えられますが、堅実な道としては、大手企業へ就職することです。

バイヤーは人気職種でもあり、さらに誰もが就けるわけではありませんが、販売員としてしっかりと成果を出していき、「バイヤーになりたい」という強い意志を示し続ければなれるチャンスはあります。

大手百貨店は給与水準が高めで、福利厚生や待遇も充実しているため、長く働いてポジションを上げていけば年収600万円~800万円以上を実現できるでしょう。

また、ヒット商品をどんどん生み出せるカリスマバイヤーになると、年収が大幅にアップすることも珍しくありません。

これは、それだけバイヤーの仕事に求められる能力が高く、責任の重い仕事だからだと考えられます。

バイヤーとしてキャリアを積み、「MD(マーチャンダイザー)」の役割まで担うようになると、さらに収入がアップすることがあります。