バイヤーの仕事内容

バイヤーの仕事とは

バイヤーとは直訳すると「買う人」という意味で、生産元から商品を買い付ける仕事です。

バイヤーが買いつける商品は、洋服や靴、宝飾品、家具、家電、雑貨、食品など、さまざまなジャンルのものがあり、自分の勤務している会社の取り扱う商品を交渉して買い付けます。

とはいえ、バイヤーは単なる仕入れ責任者ではなく、商品が最終的に売れるところまで見届けることが求められる仕事です。

バイヤーの仕事の良し悪しは、いい商品を仕入れたかどうかではなく、その商品が売れたかどうかで判断されるからです。

そのため、どのような商品が売れているか、顧客の購買傾向、仕入れ値や流通経路をリサーチし、分析し、買い付けを行い、販売価格の決定を行います。

売れる商品かどうかを見極めることが必要で、企業の利益に直結してくる責任の重い仕事といえます。

扱う商品に関する豊富な知識はもちろん、洞察力、さらに時代の流れを掴んで次に流行するものを予想する力が必要とされます。

また仕入値や売上を管理する立場にあるため、数字に敏感であることも大切です。

企業によっては海外のメーカーから買い付けを行い、語学力が必要とされることもあります。

時代を先取りできる仕事であり、とくにアパレル業界などでは花形の職業とされ、女性にも人気の高い仕事です。

バイヤーの業務の内容

業種や業態、企業規模によりバイヤーの業務内容は異なりますが、バイヤーの代表的な業務は4つに分けることができます。

情報収集・分析

バイヤーにとって大切なことは「これから売れる商品」を見極めることです。

「顧客が何を求めているのか」「どんな購買動向をしているのか」を常に把握し、競合店よりいち早く商品を店頭に並べることで、差別化につながります。

自分の所属する企業の顧客消費動向をつかみ、売れ筋商品や動きの悪い商品を把握しておくことも大切です。

その他にも他店の動向を含め、商圏をリサーチすることもバイヤーの仕事の一部です。

また、アパレル業界などであれば、次のシーズンに売れる商品を予測するための情報収集も重要なミッションです。

展示会を回り、情報収集するだけでなく、街に出てトレンドリサーチすることもあります。

流行を掴むセンスと洞察力、分析力が求められる業務です。

選定・交渉

実際に仕入れを行う商品、販売目標数を決めたら、メーカー(生産元)と商談を行います。

仕入れを安くおさえ、利益を大きくすることもバイヤーの大切な仕事です。

バイヤーはメーカーと価格の交渉をし、単価を決め、納期や仕入れ数なども決めていきます。

メーカー側と信頼関係を築きながら、交渉をしていく必要があり、コミュニケーション力が不可欠です。

また常に数字を意識して交渉をするため、計算力、数字に対する感度が求められます。

買い付け

バイヤーによる商品の買いつけは、まずは生産者のもとに品物を見に行くことから始まります。

ときには地方都市の工場や海外の市場まで直接足を運ぶこともあります。

また大都市を中心に定期的に開催される展示会も買い付けの場です。

たとえば、アパレル業界の展示会は、メーカーやデザイナーが自分のブランドの商品をバイヤーやメディアに披露し、それを買ってもらう、あるいは市場に知ってもらうことを目的にしています。

バイヤーは、シーズンごとに展示会に行き、自分の店に合う商品を探します。

すでに取引があるメーカーであれば、その場ですぐに商談をまとめることもあります。

新規のメーカーの場合まずはブランド特性などを把握し、別日にアポイントを取って商談することが多いです。

商品を買いつけるうえで一番大切なのは、バイヤー自身に良いものを見抜くセンスがあるかどうかで、バイヤーの見る目が大きなカギとなります。

販売管理

商品の魅力を最大限引き出し、確実に売るための算段をつけていくのもバイヤーの役目です。

店頭に出すときの価格設定をし、販売員広報担当者に商品のコンセプトを伝えたり、自ら商品の売り場でのレイアウトを考えたりすることもあります。

バイヤーは「商品を買いつける」だけではなく、「商品を買いつけて売り出す」ところまでが大切な仕事なのです。

バイヤーの役割

流通業界を支える役割

バイヤーは店頭に並べる商品を買い付けるのがおもな仕事です。

優秀なバイヤーは、景気の動向を掴んだりブームを先読みしたり、その店舗の客層や売れ筋商品を分析したりすることで、「次はこれが売れる!」という商品を見極めることができます。

実際にこうした商品をたくさんの人に買ってもらうことができれば、それは店の売り上げに直結します。

バイヤーが用意したひとつの商品が大ヒット商品となって、傾きかけた店を救うことだってあるわけですから、バイヤーは店の経営を支えるために欠かせない存在です。

人気店の裏には必ず敏腕バイヤーがいると言っても過言ではないほど、流通業界において重要な役割を果たしています。

生産者や消費者をつなぐ

バイヤーにとっては、良い商品を発掘して多くの人に知ってもらうチャンスを作ることも大切な役割のひとつです。

世の中には、「有名ではないけれどとても品質の良い商品」というものがたくさん存在します。

たとえば、地方都市の郷土料理や郷土菓子、職人さんの作る伝統工芸品、小さな町工場が作る電化製品などが挙げられます。

また、アパレル業界にも無名の新人デザイナーが作る素敵な服はありますし、海外の市場には日本にはないような美しい雑貨もたくさん出回っています。

しかし、どんなに良い品物でも、販路を作って売り出さなければ多くの人に知られるチャンスがないまま埋もれてしまいます。

バイヤーは、自分の手でこうした商品を発掘してきて世の中に広めるチャンスを作ることで、生産者と消費者の両方に新しい喜びを届けることができます。

生産者の経営や、消費者の生活にも大きな影響を与えるのがバイヤーの役割といえます。

バイヤーの勤務先の種類

バイヤーは小売業には必要不可欠な存在で、おもにスーパーマーケットやホームセンターなど「小売業」と呼ばれる業種で活躍しています。

百貨店

百貨店は、バイヤーの代表的な活躍の場のひとつです。

百貨店に並べる商品をバイヤーが選定、仕入れます。

食品や衣料品、雑貨など多くの商品を扱っているため、セクションごとに担当が分かれていることが一般的です。

アパレル関連でいうと、衣料品のバイヤー、靴のバイヤー、カバンや革小物のバイヤーのように担当が細分化されます。

以前はコストカットのため、本部や本店のバイヤーが一括仕入れを行っていましたが、最近では地域ニーズを重視し、各店舗にバイヤーを置くことも増えてきています。

地場メーカーなどと共同の商品開発、イベント開催などを行うこともあり、商品企画力も必要になります。

セレクトショップなどアパレル関係

アパレルの分野では雑誌などに登場するカリスマバイヤーもいて、華やかなイメージがあり、女性からの人気がとくに高くなっています。

最近では、実店舗をもたないECサイトなどでもバイヤーが在籍していることもあります。

自分の所属する企業、取扱いブランドのイメージを損なわない商品選定が必要となります。

そして、食品や家電などに比べてトレンドの影響を強くうけるため、これから何が流行するかを見極めていく能力が求められます。

なお、個人店や小さなショップのバイヤーとして働く場合は、一人のスタッフがバイヤー業務と接客・販売業務を兼務していることが多いです。

量販店

量販店は幅広い商品を取り扱うため、バイヤーにも幅広い商品知識が求められます。

最近では郊外型のショッピングモールや大型ドラッグストアが急増しており、こういった店舗でのバイヤーの求人が増えてきています。

量販店のなかには低価格をウリにするところもあり、海外からの仕入れが多く語学力を必要とすることもあります。

さらに百貨店などに比較し、競合との価格競争が激しいため、バイヤーが行う価格交渉はより重要になってきます。

大量に仕入れる代わりに単価を下げたり、売れ残り商品の返品交渉をしたりなど、高い交渉スキルが必要です。

バイヤーの仕事の流れ

スーパーマーケットのグロッサリー食品部門を担当するバイヤーの仕事の流れを解説します。

グロッサリー食品とは、調味料や乾物、お菓子、レトルト製品、カレールー、缶詰など生鮮食料品以外の食品全般です。

スーパーの中では最も扱う品目が多い部門でもあり、品揃えは来店動機にもつながってきます。

他の分野で活躍するバイヤーも、同じような流れとなることが多いです。

情報収集・分析

お客さまのニーズにこたえた品揃えにするために、各店舗の客層分析を行います。

各店のお客様の世帯構成や年齢分布、年収等を分析し、店舗特性をいくつかのグループに分類していきます。

これに照らして店舗ごとに仕入れを行う商品、数量、新商品投入を決めていきます。

たとえば、高級住宅地に立地する店舗では、高級志向のお客さまが多いため、プレミアムや中間価格帯の品揃えを強化する必要があります。

机上のデータや数値だけでなく、実際に店舗を巡回し、お客さまの様子を観察したり、近隣競合店に行き、価格や品揃えを比較したりもします。

これらの業務は毎日売上と比較しながら行い、店長・チーフなど店全体の会議を通じて、今の店の品揃えの問題点を出していきます。

買い付け・選定・交渉

品質・使い易さ・食べ易さ・価格等を比較しながら魅力的な商品を探して、展示会に出掛けたり、メーカーと交渉したりします。

他店になく、利益率の高いものを探しますが、そのような商品がないことも多いです。

そのためメーカーと交渉し、大量仕入れという条件のもと独自のPB(プライベート)商品を開発することもあります。

日々の各店舗の売上・顧客分析がここで役立ち、年配の方や、減塩・特保など健康志向の強い方に向けた商品、忙しい主婦に向けた便利な調味料など、消費者のニーズを形にした商品も開発します。

販売管理

同じ商品でも、売り方によって売れ行きが変わります。

売り場づくりや棚割りなどの指導、チラシなどで店舗をサポートし、自分の仕入れた商品がひとつでも多くお客さまのもとに届くように工夫します。

バイヤーと関連した職業

マーチャンダイザーとバイヤーの違い

マーチャンダイザーは、バイヤーと同じく小売業に欠かせない職種です。

マーチャンダイザーは、アパレルメーカーや百貨店・デパートなどで、商品の開発から販売計画、予算管理といった業務に携わる職業を指します。

マーチャンダイザーとバイヤーの違いは、商品を売り切る販売戦略まで担当するか、仕入れに力点を置くかという点です。

バイヤーは、市場動向や顧客動向を分析し、自社で売れそうな商品を発掘し買い付け、販売するまでを管理するのがおもな仕事内容です。

マーチャンダイザーが立てた商品計画をもとに商品を仕入れる場合もあれば、自身で市場調査や顧客動向を探り、顧客が求めている商品を仕入れる場合もあります。

マーチャンダイザーは、仕入れた商品を売り切るために販売戦略を計画し、実行する販促・マーケティングまで関わる仕事です。

人数の少ない店舗や企業では、マーチャンダイザーとバイヤーは兼務していることもあります。

マーチャンダイザーの仕事

スーパーバイザーとバイヤーの違い

スーパーバイザーもバイヤー、マーチャンダイザーと同じく小売業で活躍する職種です。

バイヤーが仕入れ系の職種に対し、スーパーバイザーは販売系の職種です。

小売店のスーパーバイザーは、複数の店舗を管理し、エリアマネージャーとしての役割を持ちます。

担当している店舗を回り、各店舗の状況を確認し本部に送ります。

売り上げが好調な店舗には引き続き売り上げを伸ばすためのアドバイスを送り、売り上げが不調な店舗には解決案を提案します。

また、店長と協力して、商品の発注や陳列、アルバイトの教育など様々な方面からアドバイスをし、サービスの向上を図ります。

さらに、本社で決まった販売計画や成長戦略を店舗に伝えるのも、スーパーバイザーの仕事で、本部と各店舗の橋渡し役といえます。

スーパーバイザーも小売業では欠かせない職種ですが、店舗の責任者である店長からステップアップしてなるケースが多くなっています。

スーパーバイザーの仕事