バイヤーの働き方の種類・雇用形態

バイヤーの雇用形態

正社員採用が多い

ほとんどのバイヤーは企業に属して、その企業のためのバイイング業務を行っています。

雇用形態としては、正社員が多いです。

また、正社員のなかでも「幹部候補生」や「総合職」などで採用されるケースが一般的です。

というのも、バイヤーはその企業の売上に大きく関わる存在であり、企業の経営状況を左右する仕事だからです。

現場での接客経験も必要で、店長や売り場チーフを経て、バイヤーになることも多く、長い期間の下積みが必要です。

それだけ、バイヤーには会社の将来を担ってほしいという期待と責任が寄せられるということです。

もちろん、他の雇用形態に責任がないわけではありませんが、やはり長い期間と時間、会社のために働く人に重要な仕事を任せたいと考える経営の判断があるようです。

個人バイヤーの増加

近年は個人で商品を仕入れ、お金を稼ぐ、いわゆる「個人バイヤー」と呼ばれる人たちが増えているようです。

個人バイヤーとして活動している人の多くは、その仕事を副業として行っています。

主婦がやっていることも多いですし、会社員が休日などを利用してお小遣い稼ぎをすることもあるようです。

稼げるチャンスでもありますが、副業でバイヤーに挑戦する人の数は増えているため、その分だけ競争も厳しくなっています。

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正社員のバイヤー

仕事内容

正社員のバイヤーとして勤務する場合、1日8時間程度、勤務先の勤務形態に沿って働きます。

繁忙期などは残業が発生するほか、買い付け業務では国内、海外への出張も多くなります。

新規商品の社内プレゼンテーション資料作成、販促会議資料作成などの社内事務と、生産元との商談・買い付け業務が仕事の中心になります。

また、仕入商品が決まったら、店頭に出すときの価格設定をし、販売員広報担当者に商品のコンセプトを伝えたり、自ら商品の売り場でのレイアウトを考えたりすることもあります。

さらに最近では他社との差別化・消費者ニーズを反映するために、プライベート商品の開発に積極的な小売企業が多いです。

バイヤーは豊富な商品知識、流行を読む確かな目で商品開発に携わることもあり、仕事の幅は広がっているといえます。

バイヤーの仕事内容は企業規模によっても異なり、なかには店長を兼任することもあります。

メリット・デメリット

就職して未経験の人間をいきなりバイヤー職につける企業は珍しいです。

一般的には、入社後はまず店頭で接客をしながら、店の客層を把握したり売れ筋の商品を分析したりして修行を積むところからスタートします。

そこで力がついてきたら、少しずつ商品の買いつけを任せてもらえるようになり、どんな商品が売れるのかということや、ファッションの商品知識、売上管理などについてのノウハウを学んでいきます。

さらにバイヤーとしての実績を積めば、より大きな商談を任せてもらえるようになります。

入社してから一人前のバイヤーになるまでにかかる時間は店によって違いますが、大手の百貨店では10年以上修行してやっと買い付けを任せてもらえるようになるということも珍しくありません。

正社員は雇用の安定性があり、長期的なキャリアプランが可能なため、バイヤー職へと着実に力を身につけることができます。

また、他の雇用形態に比べ、給料、社会保険・福利厚生が恵まれている点もメリットでしょう。

一方、正社員で働くデメリットとしては、責任が重くなるため、休みをとりにくいことやチェーン店では異動、転勤もあることです。

また意に沿わない職種転換などもあり、バイヤー職につけないこともあります。

パート・アルバイトのバイヤー

仕事内容

パート・アルバイトでバイヤーとして勤務する場合、バイヤーのアシスタントとしての仕事内容が多くなります。

具体的には、生産元へのサンプル依頼・問い合わせ、バイヤーのサポート、商品撮影アシスタントなどの仕事が挙げられます。

ただし、アシスタントとはいっても採用条件として、語学のスキルやその業界での勤務経験が求められることもあります。

メリット・デメリット

パート・アルバイトのメリットとしては、勤務時間、曜日の融通がきくことです。

そのため、育児や家事との両立でフルタイム勤務が難しい場合に、ライフスタイルにあわせ柔軟に勤務することが可能です。

とくにバイヤーは出張が多いのですが、アルバイトやパートの場合、出張はなく、あくまで社内・近隣企業との打ち合わせ程度ということがほとんどです。

一方、パート・アルバイトでのバイヤーの場合、あくまでアシスタント、サポート的な性質が強く、バイイング業務には携われないということも多いです。

バイヤーの仕事を知る、その業界の知識を得るという観点からは役に立つかもしれませんが、バイヤーを本格的に目指すのであれば、転職を視野に動くほうがいいこともあります。

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派遣のバイヤー

仕事内容

バイヤーは正社員としての雇用が多いため、派遣社員として紹介されるのはバイヤーアシスタントが多いです。

派遣として働きたい場合は、まず自分のスキルや資格、実績、経験を派遣会社に伝えて登録します。

たとえば接客販売経験者、バイヤー業務やMD経験者の有無などです。

派遣社員で働く場合、派遣先のやり方、方針、雰囲気に臨機応変に合わせることが求められるため、パートやアルバイトよりも即戦力として期待されます。

メリット・デメリット

派遣社員のメリットとしては、パート等と同じく、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に勤務時間を調整できる点です。

経験や技術があるバイヤーであれば、パート・アルバイトより高収入の場合も多いです。

また社員登用制度がある紹介案件では、成果を残せば正社員として雇用されるチャンスもあります。

デメリットとしては、正社員に比べて、どうしても不安定な働き方になりがちという点です。

案件が紹介してもらえなければ仕事ができませんし、契約打ち切りになると、また新しい仕事を探さなくてはなりません。

バイヤーは長い下積みが必要となるため、長期的なキャリア形成が難しく、アシスタントバイヤーで終わってしまうリスクもあります。

フリーランスのバイヤー

仕事内容

バイヤーは、アパレルメーカーや百貨店などの企業へ勤務して働く人が大多数ですが、なかにはフリーランス、つまり個人で仕事をしている人もいます。

最近はインターネットの通販ショップが一般的なものになり、昔に比べると、気軽にバイヤーの仕事に手を出しやすくなっている一面もあるようです。

雑貨、アクセサリー、洋服など取り扱う商品のジャンルはさまざま考えられますが、自分の好みやセンスを生かして世界中からよい商品を見つけ、仕入れ、ネット通販をするという方法です。

ネット通販は、実際に店舗を出すことに比べるとお金をかけずにスタートすることができ、小規模でも事業をしやすい特徴があります。

こうした仕事でバイヤーとしての経験を積んでいき、さらに大きな仕事に挑戦する人もいるようです。

メリット・デメリット

バイヤーは小売業界の花形職種であり、とくにアパレル業界では競争率も高くなります。

そのため百貨店やスーパーに入社しても、バイヤーになれるとは限りませんし、長い下積みを必要とします。

一方でフリーランスであれば未経験でもバイイング業務を個人で行うことも可能です。

また個人のバイヤーとして実績を残していった先に、バイイングを行う会社を立ち上げて事業を展開する人もいます。

会社形態になると、個人で働いているよりもさらに大きなビジネスを展開しやすく、バイヤーとしての知識やスキルを生かして小売店のコンサルティングや新商品開発などにまで乗り出す人もいて、成功すれば企業に属すより高収入の可能性もあります。

ただし、バイヤーには関連分野に関する商品知識のほか、売れそうな商品を見極める力、商談をスムーズに進めるための交渉力、仕入れの際に必要な会計や原価計算の力など、さまざまなスキルが必要になってきます。

企業でのバイヤー経験がない未経験者がフリーランスとして成功するためには、努力と高いセンスが必要になります。

思ったように売上が立たず、開店休業状態となってしまうリスクもあります。

副業のバイヤー

仕事内容

個人バイヤーを副業として行う人も増えています。

近年増えているのが、海外から個人輸入で洋服や雑貨などの商品を安く仕入れ、国内で高く売ることをビジネスとするバイヤーです。

いわゆる「転売ビジネス」といわれるものですが、最近では海外在住のバイヤーから世界中のブランド品を安く購入できる通販サイトも人気を集めており、今後もこうした形の個人バイヤーは増えていくものと思われます。

メリット・デメリット

副業の場合、本業を別に持ち、夕方以降や週末などに副業として働く人が多いです。

主婦がやっていることも多いですし、会社員が休日などを利用してお小遣い稼ぎをすることもあり、気軽にはじめられるというのは大きなメリットです。

日本未上陸のブランド品を見つけ、仕入れることによって国内でも話題となれば、大きく稼ぐことも夢ではありません。

ただし、副業でバイヤーに挑戦する人の数は増えているため、その分だけ競争も厳しくなっています。

稼いでいる人がいる一方、ほとんど稼げていない人、あるいは損をしてしまうような人もいます。